米国株決算でまず最初に見るべきポイント
X(旧:ツイッター)の方で、平日はほぼ毎日「決算予定の注目銘柄」をポストしているのですが、私が主にチェックしているポイントとか
米国株の決算を見る時に最初にチェックしておいた方が良いポイントなどをまとめておきます。
売上高と売上高の推移
「売上高」とは、本業の売上によって得られた収入の事です。
ちなみに本業以外の活動で得た収益は「営業外収益」と呼びます。
決算を見る時にまずは、本業でどの位の収入があるのかが分かる売上高を見ます。
売上高はその企業の稼ぐ力なので企業の成長力を判断する時に有効です。
あと推移も大切です。
売上が高くとも右肩下がりになっている企業は何かしらの原因があるという事で、将来性にあまり期待出来ないかもしれません。
売上自体がたとえ大きくなくても、右肩上がりで成長を続けている企業であれば成長性が高いと判断できて将来性も期待できます。
営業利益
「営業利益」とは、企業が本業で稼いだ利益の事です。
売上高から売上原価や販売管理費などを差し引いた金額です。
「売上高」と「営業利益」で企業の収益性を確認します。
収益性を測る指標は「売上高営業利益率」です。
「売上高営業利益率」=営業利益÷売上高×100
売上高営業利益率を見る事で、その企業が本業でどの位効率良く稼いでいるかが分かり、企業の業績を評価する一つの指標となります。
ここ最近の米国株の売上高営業利益率の平均値は15.1%程度です。
20%前後であれば優良企業、40%超えでとても優良などと言われる事もありますが、業種によって良好とされる水準が異なるので「同業他社と比べてどうなのか?」といったポイントで比較した方が良いです。
ちなみに、営業利益と似た言葉で「経常利益」があります。経常利益は営業利益に営業外収益を加えた値から営業外費用を引いた値です。
当期純利益
当期純利益とは、3ヶ月とか6ヶ月とか1年とか一定の期間における企業の「最終的な利益」の事です。
下図を見るのが分かりやすいと思います。
この”当期純利益”を使って、EPS(1株当たりの純利益)とROE(自己資本利益率)を見ていきます。
EPS(1株当たりの純利益)
EPSとは、1株当たりどの位の純利益をあげているのかを判断する時に使う指標です。
EPSは以下の計算式で求める事が出来ます。
EPS=当期純利益÷発行済み株式総数
当期純利益が増加すればEPSも増加し、当期純利益が減少すればEPSも減少します。
また、発行済み株式総数にも影響を受けるので株式分割や第三者割当増資によって発行済み株式数が増加するとEPSは減少します。
反対に自己株式取得・消却等によって発行済み株式数が減少するとEPSは増加します。
今現在のEPSがどの位なのか?同業他社と比べて高いのか?低いのか?を把握するのも大切ですが、前年度や前期と比べてEPSがどの位成長したのか、企業の成長率を知る事も大切です。
EPSを使った企業の成長率を測る時にはEPS成長率で判断します。
EPS成長率(%)=(当期EPS-前期EPS)÷前期EPS×100
ROE(自己資本利益率)
ROEとは、企業が資本を使って効率よく利益をあげているかを判断する指標です。
ROEは以下の計算式で求める事が出来ます。
ROE=当期純利益÷自己資本(株主が出資したお金)
ROEが高い程効率よく利益をあげているという事になるので投資価値が高いと判断されます。
ちなみにROEの平均値は日本企業だと9.4%程度、米国企業だと18.4%程度です。
その為、日本株だとROE10%以上が目安と言われる事もありますが米国株の場合であればROE20%位が一つの目安となります。
ただし、こちらの指標も同業他社と比べた方が良いです。
貸借対照表で企業の安全性を確認
貸借対照表から企業の安全性を確認します。
安全性を確認する時の代表的な指標は「自己資本比率」「固定比率」「流動比率」「当座比率」です。
自己資本比率
自己資本比率とは、総資本に占める自己資本の割合の事です。
こちらも業種毎に基準は異なりますが、全体的に言うと50%以上であれば良好、少なくとも30%以上は確保しておきたい水準です。
自己資本比率=(自己資本÷総資本)×100
固定比率
固定比率とは、自己資本に占める固定資産の割合の事です。
固定比率=(固定資産÷自己資本)×100
固定比率が100%以内であれば自己資本でカバー出来ているという事なので100%以内が望ましいと言われています。
流動比率
流動比率とは、流動資産(1年以内で現金化できる資産)と流動負債(1年以内に返済しなければならない債務)の比率を見る指標です。
流動比率=(流動資産÷流動負債)×100
流動比率で短期(1年以内)の企業の安全性が確認出来ます。
200%を超えていれば安全で少なくとも100%以上である事が望ましいです。
当座比率
当座比率とは、当座資産(流動資産の一部、流動資産から棚卸資産を除いた資産)と流動負債(1年以内に返済しなければならない債務)の比率を見る指標です。
流動資産と当座資産が似ていますが、当座資産は販売または加工を目的として一時的に保有する棚卸資産を省いて、現金や預金、有価証券などすぐに現金化出来る資産と認識しておけばOKです。
当座比率=(当座資産÷流動負債)×100
100%以上であれば安全です。少なくとも70%以上である事が望ましいです。
以上のように決算書でまず最初にチェックしておきたいのが、収益と費用をまとめた損益決算書から企業の”成長性”や”収益性”
資産・負債・純資産をまとめた貸借対照表から企業の”安全性”をチェックしておきましょう。
アナリスト予測との比較も大切
売上や営業利益、EPAが前年比・前期比と比べて増収・増益、EPSも上昇していたとしてもアナリストのコンセンサス予想よりも下回った場合は株価が下落する事もあります。
反対に前年比や前期比で下回る決算でもアナリスト予測よりも上回れば株価は上昇する事もあります。
決算速報などを確認するとアナリストの予測と比べてどうだったのか?というのが載っているので、そこをチェックする事で企業の将来性に期待できるかどうか一つの指標となります。
また、決算時に次回四半期の収益予想を公表する企業もありますが、それもアナリスト予測との差異によっては株価が急激に動く要因となります。
以上、米国株決算でまず最初に見るべきポイントでした👋
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