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【中編】リーチ宣言牌から相手の待ちを考える

皆様こんにちは。魚谷侑未です。
こちらのnoteは↓の続きになります。

【前編】リーチ宣言牌から相手の待ちを考える|魚谷侑未 (note.com)

同じリーチ宣言牌でも入り目によって待ちが変わるため、あくまでもリーチ宣言牌からは待ちの【傾向】を読み取るまでにとどまります。

というのが前回までのお話。

では、同じ8巡目の4p切りリーチでも、↓のように捨て牌濃度が薄い場合はどうでしょうか?


鉄強オーナーのセオリー 其の十二
【巡目の早いとき・捨て牌濃度が薄いときは、リーチ宣言牌のまたぎスジの危険度は低くなる!!】

巡目の早いときや捨て牌濃度が薄いときは、宣言牌に至るまでに特筆に値するほどの選択が見られず、【くっつきイーシャンテン】の割合が高くなります。
 
【くっつきイーシャンテン】とは、↓のような、メンツ3つと雀頭が完成しているイーシャンテンのことをいいます。
たびたび耳にする言葉なので、こちらもこの機会に是非覚えておきましょう!

くっつきイーシャンテンにおける宣言牌は、↑のように、もともと孤立牌であったため、手牌の他の牌との関わりがありません。
 
例えば、↓のようなくっつきイーシャンテンの手牌に7sを引き、4pを切ってリーチをすると、

リーチ宣言牌は前回の完全イーシャンテンのときと同じ4pになりますが、

待ちである58sとは全く関連がないことが分かります。
 
くっつきイーシャンテンの割合が高くなると、↑のようなケースが増えるということにもなるため、格言の通り、巡目の早いとき・捨て牌濃度が薄いときは、リーチ宣言牌のまたぎスジの危険度が低くなるのです。
 
以上を踏まえると、同じ8巡目の4p切りリーチでも、捨て牌濃度によってリーチ宣言牌のまたぎスジの危険度が異なるため、

濃度が濃い捨て牌に対して、リーチ宣言牌のまたぎスジを押す場合は、相応の理由(形の良さ・打点の高さなど)がなければリスクとの釣り合いが取れず、濃度が薄い捨て牌に対しては、比較的リーチ宣言牌のまたぎスジを押しやすいといった違いがあります。

そのため、リーチ宣言牌から待ちの傾向を読み取る際には、宣言牌以前の捨て牌濃度をチェックすることも忘れないようにしましょう!

それでは次に、

①ーB.リーチ宣言牌のスジは危険である(=待ちになっている)傾向が強い!

に関してお話します。
 
リーチ者の捨て牌や、リーチ後に切られた牌の【スジ(=±3の数字の関係)】にあたる牌は、出現率が最も高いリャンメン待ちにロンされることがないため、通常は、何も情報がない牌よりは安全です。

ですが、【リーチ宣言牌のスジ】はこの逆で、待ちになっている傾向が強いので注意が必要です!

例えば、↓の例の捨て牌であれば、

3巡目に切られている4sのスジである7sは、何も情報がない牌よりは比較的安全です。
 
対して、リーチ宣言牌4pのスジである7pは、危険である(=待ちになっている)傾向が強く、通常のスジよりも危険度が高まります。
 
これは、宣言牌4pが【リャンカン】という形で手牌の中で役割を持っていたことが推測されるからです。
 
【リャンカン】という言葉もよく耳にするため、しっかり確認しておきましょう。
 
【リャンカン】とは、↓の手牌のピンズ部分のように、

数牌が1つ飛びで3つ並んでいるのが特徴です。
 

どのような形なのかは、用語を紐解くとイメージしやすいです。
【リャンカン】の【リャン】は数字の2、【カン】はカンチャン待ちのことで、↑のピンズ部分であれば、5pが来ても7pが来てもメンツが完成するという【2つ】の【カンチャン待ち】がつながった形ということになります。

このリャンカンという形は、数字の間が抜けていて一見良い形に見えにくいのですが、【2種類の牌でメンツが作れる】という点で、リャンメン待ちと同じくらいメンツを作る力のある、牌効率上残しておいて損はない形です。
 
魚谷「リャンカンは、数字が1つ飛びで3つ並んでいる形のため、↑の468以外にも135・246・357・579があります。
 
このうち、135・579の1や9を手拍子で切ってしまっているシーンをたまに見かけることがありますが、リャンカンの形を構成する大事な牌なので、切らずに済む選択があるなら是非テンパイまでリャンカンの形を残して進行してみてほしいです。」
 
さて、例のリャンカンの手牌に5sをツモり、

4pを切ってリーチをしたとします。
するとリーチ宣言牌のスジである7pが待ちになり、

捨て牌と照らし合わせると、

セオリー通りに【リーチ宣言牌のスジは危険である(=待ちになっている)】ことが分かります。
 
対して、捨て牌濃度が薄い場合は、くっつきイーシャンテンの割合が高くなるため、4pがリャンカンの形からでなく、孤立牌だった可能性が高まります。
 

そのため、捨て牌濃度が薄い場合は、またぎスジと同様、リーチ宣言牌のスジもそれほど危険にはなりません。
 
たこらぼ「リーチ宣言牌のスジが待ちになっていることを【モロ引っかけ】とか【モロヒ】とか言って、お店によっては、スタッフさんに対して禁止しているところもありますよね・・・」
 
魚谷「【引っかけ】とは言いますが、実際は、牌効率に則って正しく手牌を進めた結果なんですよね・・・
今でこそ、【リーチ宣言牌のスジは危険】というセオリーが広まってきていますが、麻雀の研究がまだそれほど進んでいなかった頃は、【スジは安全】という神話みたいなものがありました。
 
なので、リーチ宣言牌のスジ待ちをあえて選択することは、その神話の裏をかいて人を陥れる=マナー違反のような扱いをされていましたね・・・」
 
たこらぼ「なるほどです・・・【安全だと思って切ったのにロンされた・・・その待ち選択、人としてどうなん?】という感情が、モロ引っかけをマナー違反とする風潮を作ったのですね。
 
らぶすまさんでは、スタッフさんのモロ引っかけに関してどうされていますか?」
 
岡部「当店では、スタッフ規制は一切ありません。
強いて言うなら、お客様がなさらないことはスタッフもしないようにはさせています。
テンパイしていないぐちゃぐちゃの手牌から役満のパオとなる牌を切ったり、鳴いて1,000点のあがラスとかですかね。」

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