3つのサッカースタイルと監督選び(序論)


サッカーのスタイルには、基本、3つのスタイルがある。監督は、基本、この内のどれか一つのスタイルが得意である。

簡単に説明すると

A:パスサッカー型:主にショートパスを多用し細かくつないで相手ゴールに迫るスタイル。ボール支配率は高めになる。2023年のJ1で言えば、横浜Fマリノス、川崎フロンターレ、アルビレックス新潟などが代表的なクラブ
B:ストーミング型:ハイプレスでボールを奪うと手数をかけずに相手ゴールに迫るスタイル。攻撃の精度が低めになるが、奪われても即時奪回して、相手に息つく暇を与えずゴールに迫る。2023年のJ1で言えば、ヴィッセル神戸、湘南ベルマーレ、京都サンガが代表的なクラブ
C:堅守速攻型:基本的にミドルブロックを作り、奪ってからのショートカウンターで相手ゴールに迫るスタイル。ボール支配率は低めになる。2023年のJ1で言えば、アビスパ福岡、柏レイソルが代表的なクラブ
(2024年ではなく2023年のクラブで挙げたのは、シーズンが終わっておらず監督交代でスタイルが変わる可能性があるため)

次に、それぞれのスタイルの特徴や必要な選手、どういうクラブが採用した方がいいかを説明したい。

Aのパスサッカー型:必要な選手は技術的に上手い選手。MFはもちろん、守備の要であるGKやCBでもパス能力がないとビルドアップができずに、パスサッカーで主導権を取れなくなるし、ここでパスミスが多くなると失点が多くなる。ボール支配率が高くなりDFラインを上げて戦う場面が多くなるため、GKは高い位置でもプレーできる能力、そしてCBには、通常の守備能力で必要とされる高さと強さの他に、カウンターで裏を取られないようにスピードが必要になる。
長丁場のリーグ戦で勝ちやすいスタイルで、まさに王道といっていいスタイルだ。技術的に能力が高い選手を揃える必要があるため、資金力があるクラブが採用した方がいいスタイルでもある。

Bのストーミング型:MFでは必要な選手はフィジカル能力が高く運動量があってボールを奪える選手。FWも精度が低いパスが多く入るため球際の強い選手が望ましい。CBやGKには、パスサッカー型に必要な高度なパス能力は必ずしも必要としない。(高いパス能力はあった方が良いのは当然だが)選手の年齢層が高いと機能させるのは難しい。

Cの堅守速攻型:ボール支配率が低い試合が多くなり、ボールを奪う位置が、AやBに比べて低くなるため、サイドにドリブルで長い距離を運べる選手、FWにはフィジカルが強くボールを収めるタイプがいた方が望ましい。両方のタイプがいればベストだが、片方だけでも、なんとかなるが、得点力にはかなり苦しむことになる。両方ともいなければ、このスタイル自体が成立しない。
MFにはボール奪取能力とスペースに穴を開けない状況判断能力などが必要だろう
CBは、押し込まれる状況が多くなるため高さと強さは必須であるが、高度なパス能力は必要としない。(ただし格下のチーム相手に、ボールを持たされる展開になると、ビルドアップに苦労して、思うように効果的な攻撃ができなくなる)
GKも同じように、守備能力の高さは必須だが、高度なパス能力は、必ずしも必要とはしない。

サッカーには3つのスタイルがある。そして監督には、それぞれ得意とするスタイルが違っていて、3つのスタイルを全部こなせる監督はいない。
選手もそうで、2つのスタイルには適合させる事ができても3つともこなせる選手は、そうはいない。

このスタイルを考慮せずに、結果や知名度だけで監督選びをすると、それまで主力だった選手が、監督が変わったら必要な選手ではなくなり、多くの選手の入れ替えが必要となり、余計に金がかかるようになる。
その他、いろいろあるが、長くなったので、本論に続けることにしたい。








この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?