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私はリョウコから本当の私を見つけることを 教えてもらった リョウコは私に 人生を張って 私と…
就職活動は想像以上に苦労した こんなに苦労するなら 今のバイトのままでもいいんじゃないか …
薬の副作用ほどドクターの方針をあっさり変えるものはない 一生薬は変わらんと思っていたけれ…
意を決して書いたドクターへの手紙を 診察室の机でじっと読む主治医がいた なにもいわず 沈黙…
リョウコはリストカットはしなくなったが 相変わらず 寝たら 「どんどん」と太ももや体をたた…
リョウコは いつも大学に行くとき以外は 家と私の職場にいることになった 職場についたら べ…
夕暮れ時の薄暗い和室で 聞きなれたドクターの声が 受話器の向こうから聞こえてきた 「お母さん、どうしました?」 「先生、リョウコが手首を切ったんです 私、怖くて 再入院した方がいいんじゃないですか?」 「・・・おかあさん、自分で、ほら、って、手首をみせてきたんでしょ? 自殺する子は、そんなことしないでさっさとほんまに 死にますよ 見せてくるってことは お母さん、ほら、ほら、私、こんな怖いことしたよ みてみて! って小さい子が、 「お母さん,みてみて!」って言っているのと
恐れていた日が 来た リョウコが私に手首を見せてきたんだ 「ほら、切った」 私はいままで…
そうだ、リョウコが病気を発症したのは 私には明らかなる前兆があった リョウコの小さな時か…
キャンプに行く前日 リョウコは泣いていた 「行きたくない」 「しんどい」 「何もできない」 …
リョウコは そのうちなぜこんなにうまくいかないんだろう って思うようになっていった そして…
大学には行くけれど 必ずお迎えがいるようになった しんどくて帰れない そのうち 大学から電…
その日は突然きた 閉鎖病棟からでましょう といわれた 突然であっけなかった 普通の個室 な…
頭の中の 境界線の敗れた穴は ちょっとづつ ふさがれているのだろうか リョウコの様子からは あまりわからない けれど 以前よりも 縛られることが少なくなってきた あんなに好きだった 甘いものを何も食べていないからか ほっそりとした 横顔 薄暗い部屋の中では 顔色は悪い 閉鎖病棟のドアは分厚い 何重になってるんだろ 特別なドアだ そこに小さなガラス窓がついてる 20㎝×15㎝くらいの小窓だ 声は全く聞こえない 中が見えるだけの窓 さようならの時 いつも バイバイって