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#アリスウィズラビットワークス
第八話 幼い王女の夢とアリスの描く未来
アリスは応接間に戻り、実際にネザーラビティアの復興に対して、案を講じ始めた。その際に、アリスはサティリスに屋敷にいるアリナたちを案内してくれることをお願いする。サティリスの行動は早く、モノの数十分で城へと連れてきたのだが……
「なんでコイツがいるんだ! 城の衛兵でありながら、盗賊の護衛に落ちぶれたコイツが!!」
ラフィラスの姿を見たギリアスは、激怒していた。一人残ったギリアスと、ラフィラス
第七話 幼い王女とネザーラビティア
「あ、あの……ミリアナ様?」
初めて見たクラリティア人のアリスに興味津々のミリアナは、ペタペタとアリスの耳に触れたり髪に触れてみたりと、アリスのあちらこちらを触っていた。
一方のアリスも、相手が王女なこともあり、無下に拒むわけにもいかず困てしまっていた。
「姫様!」
「あぁ。ぎ、ギリアス。あ、ごめんなさい。アリス様。つい……」
「い、いえ。大丈夫です。」
「姫様は、本当に始めてみるものには
第四話 護衛とネザーラビティア
盗賊を改心させ、無事に炭鉱夫として復活を果たした盗賊たち。地域との交流も深まり、最初こそわだかまりはあったものの、時間が解決してくれると思っていたアリスの予想通り、交易が盛んになり外貨を獲得できるようになっていた。
そのため、身の危険を冒してまで盗賊をする必要がなくなったこともあり、地域は平和になっていった。アリスたちは炭坑の近くにある街にしばらく滞在していた。そんな中、盗賊がアリスの助言で更
第三話 盗賊の就業と厚生
盗賊の親方に、クラリティア人であることがバレたアリスだったが、入ってきた入り口は依然として、塞がれアリスたちが逃げるのを阻止していた。そのため、中央広間でにらみ合いと同じ状況が続いていた。
「クラリティア人ってことがわかったんだ、ただで帰ってもらっちゃぁ。困るなぁ。」
「何をする気なの。」
「そんなの、いろいろだよ。まずは、金目の物を出してもらおうか。」
盗賊らしくアリスたちの金目の物を差
第18話 ルナティアとアリスの失踪と疾走 後編
「ごめんなさい!!」
歌劇団の楽屋で他の演者が注目する中、ルナティアはいなくなったことを精いっぱい謝った。それは、もう。見事に腰が直角になるほどの謝り方だった……
「それにしても……ねぇ。」
「えぇ。」
「ねぇ! わかるでしょ? あたしが間違った理由……」
頭を上げたルナティアと、ばっちりメイクをしたアリス。若干の化粧の違いはあるが、瓜二つだった。
ルナティアがアリスの隣に移動すると、
第17話 ルナティアとアリスの失踪と疾走 中編
トントントン
トントントン
キッチンに移動したルナティアは、精いっぱい“アリス”を演じていた……
それでも、できる限りのことはできていた。
『こ、これでいいのよね……』
精いっぱい、自分に似ているアリスという子がやりそうなことをしていたルナティアだったが……
『さすがに……これは……』
ルナティアに限らず、ラビティア人にとっては、火は最大の苦手項目のひとつで、使えるラビティア人
第16話 ルナティアとアリスの失踪と疾走 前編
オープンを数週間後に控え、アリスは店で提供する予定の料理に考えを巡らせていた……
というのも、クラリティアでは主に人向けの食事でよかったが、ここでは、ラビティア人向けにしなければいけないというのもあった。
当然、刺激物はアウトな上、アリスには平気でも、アリナには無理だったりするものがたくさんある。そのため、料理をいちから考える必要があった。
「王都で買えるので作れば、大丈夫じゃない?」
「
第15話 ラヴィリオと浮いた噂
その日。王都は、センセーショナルな噂でもちきりだった。その情報元が王都の報道部が発行している紙面だったことが、その噂に拍車をかけていた。そんなことを全く知らないラヴィリオは、アリスの店に来る道中も注目の的だった。
『なんだ? 俺も、そんなに人気になったのか?』
そんなことを思いつつもラヴィリオは、今日も店の手伝いに顔を出した。すると、真っ赤になったアリナがラヴィリオに向かってきた。
「お
第14話 広報と秘書 後編
その日、ラヴィリナは書店で顔から火が出そうなほどに真っ赤になっていた。それは、新たな新刊が発表されたのだが、それは、前にも増して激しく体がまぐわっている作品だった…
たしかに、アリスが男性だったら、そんなことを考えたことはないとは言い切れないラヴィリナ。手に取ったその書籍では、自分と似ているキャラクターがアリスと似ているキャラと、濃厚に体をまぐわせているのだから、興奮しない方が無理というもので
第13話 広報と秘書 前編
ラヴィリナは王城の近くにある詰め所から、いつもアリスの店の準備へと手伝いに行く。準備を始めてから数日。ラヴィリナとラヴィリオが手伝うようになってからは、準備もはかどりもう少しで開店というところまでこぎつけていた。
そんな毎日は、騎士としての職しか知らなかったラヴィリナにとっても、いい刺激になっていた。まして、アリスに出会ってからのラヴィリナは、活力を得たかのように騎士の仕事と、アリスの手伝いも
第12話 歌劇団とアリナの親
裏庭で繰り広げられたラヴィリオとアリナの決闘は、ラヴィリナとアリスが仲裁に入る形で、引き分けという形で幕を下ろしていた……
アリスに嫌われたと想い、ガックリと肩を落とすラヴィリオ。一方のラヴィリナはというと……
『アリス様……』
ラビティア人からしたら、確かに長身でイケメンの部類に入るアリスに、ハートを撃ち抜かれた状態になっていたラヴィリナ。
「ラヴィリナさん……」
「ひゃい!」
「
第11話 やきもちと仲裁
アリナとラヴィリオの決闘は、今も続いていた……
裏庭を耕すんじゃないかというほどの激しい決闘に、周囲の住人すら集まってくる。
「何だなんだ?」
「あれ? あの戦ってるのって、ラヴィリオ様じゃ?」
「ほんとだ、ラヴィリオ様……相手は……えっ?!」
「だれ?! あの子。ちっちゃい……」
「でも、ラヴィリオ様と互角? いや、それ以上?!」
なんだなんだと、集まってきた住人は、祭りかのように賑や
第10話 力持ちとラヴィリオ
アリナがアルコールに弱いことがわかって数時間後……
「これ、どうやって動かすの??」
アリス達の前には、男手が必要なほどのデカイ置物が地下室の扉をふさいでいた……
試しに、アリスが動かそうと試してみるも、ピクリとも動くことがなかった……
どうしようかと迷っていると、ラビティナがキッチンにやってきてアリスに報告した。
「えっと、男手として、騎士団長のラヴィリオがこっちに来るようになって
第9話 アリナとアルコールは混ぜるな危険?
男装したアリスの姿にだいぶ慣れたのか、アリナのよそよそしい仕草は次第になくなっていた……
アリスも交えた掃除は、佳境を迎え。厨房にあたる場所の棚の整理に入っていた。
前の住人の持ち物や、調理用具などがそのまま残され、少し手入れすれば十分使えそうな代物がいっぱいあった。
「うわぁ。これ、本当に使っていいんですかね? ラフィア……」
「いいらしいわよ。前の住人が置いていったらしいから……」
「