マガジンのカバー画像

アリス・ウィズ・ラビットワークス

34
アリスの買っていたペットのウサギ。アリナの後をついていくと、そこはうさ耳獣人の世界、ラビティアだった?!うさ耳もふもふ系ノベル始まります。
運営しているクリエイター

記事一覧

第十二話 ネザーラビティアの復興と、王都への出発

第十二話 ネザーラビティアの復興と、王都への出発

 方針が決まってからのアリスの行動は早かった。ガイアスには炭鉱で掘るものを指示し、ギリアスは市場の準備。サリティスは貴族のまとめ役を買って出てもらっていた。

「サリティスさん、お願いしますね。」
「アリス様。その点はお任せください。スラム街の住人を率先して雇うんですね。」
「はい、しかも、利益率はスラム街の住人の方が多めで……」
「で、我々は名を売り、スラム街の住人は人足を提供すると。」
「えぇ

もっとみる
第十一話 再会と新たなスタート

第十一話 再会と新たなスタート

 ラフィナに言われて応接間に通されたガイアス一家は、立派な王城の中の作りに、緊張しっぱなしだった。
 そんな中でも、ガイアスは緊張している素振りはなかった。そのことが、唯一父親らしく見えたのか……

「ぱ、パパ。すごいね。」
「ん? なんだ? フィナ。緊張してるのかな?
「ん。緊張してる……」

 父親のガイアスについてちょっぴり見直したフィナだったが、緊張していたのは、フィナだけではなく……

もっとみる
第十話 アリスとロビティナのスパイ

第十話 アリスとロビティナのスパイ

 ラフィラスを送り出した直後、城内ではネザーラビティアの復興に関して、花が咲いていた。そんな中、ミリアナは場の悪そうな顔をしながらアリスに告げる。それは、王城で唯一、投獄されているものがいること……

「アリス様。これだけはお伝えしておかなければいけません……」
「えっ?」
「それは……ギリアス。アリス様を案内してあげて……」
「はっ。ですが、連れて行くんですか? やつのもとに……」
「えぇ。ネザ

もっとみる
第九話 ラフィラスとガイアス

第九話 ラフィラスとガイアス

 ラフィラスは、アリスに言われた通りに、炭鉱へと足を向けていた。その道中も、アリスとともに歩んだ道が、前よりも活気を増していた。
 炭鉱が稼働したことで、周囲には住宅が立ち並び、炭鉱で働く炭鉱夫を癒す飲み屋に近郊から来た旅人が泊まる宿屋など、一大拠点のような状態になっていた。

「あれっ? ここって、あの場所? あ、これがるし……」

 ラフィラスが見つけたのは、大きな石碑。それは、ラフィラスがア

もっとみる
第八話 幼い王女の夢とアリスの描く未来

第八話 幼い王女の夢とアリスの描く未来

 アリスは応接間に戻り、実際にネザーラビティアの復興に対して、案を講じ始めた。その際に、アリスはサティリスに屋敷にいるアリナたちを案内してくれることをお願いする。サティリスの行動は早く、モノの数十分で城へと連れてきたのだが……

「なんでコイツがいるんだ! 城の衛兵でありながら、盗賊の護衛に落ちぶれたコイツが!!」

 ラフィラスの姿を見たギリアスは、激怒していた。一人残ったギリアスと、ラフィラス

もっとみる
第七話 幼い王女とネザーラビティア

第七話 幼い王女とネザーラビティア

「あ、あの……ミリアナ様?」

 初めて見たクラリティア人のアリスに興味津々のミリアナは、ペタペタとアリスの耳に触れたり髪に触れてみたりと、アリスのあちらこちらを触っていた。
 一方のアリスも、相手が王女なこともあり、無下に拒むわけにもいかず困てしまっていた。

「姫様!」
「あぁ。ぎ、ギリアス。あ、ごめんなさい。アリス様。つい……」
「い、いえ。大丈夫です。」
「姫様は、本当に始めてみるものには

もっとみる

第六話 幼い王女と資源

 サリティオの屋敷の大広間では、アリスとサリティオが情報交換をしていた。そこでは、アリスがクラリティア人であること、王都からの使者であることなど、多くの意見が交換されていた。
 中でもアリスが注目したのは、ネザーラビティアの現在の王様が、幼い少女の王様ということだった。先代王の急逝により、即位することになったその少女は、当然のように王様がどんなことをしているのかすらの知識も皆無だった。
 それでも

もっとみる
第五話 貴族と平民

第五話 貴族と平民

 ネザーラビティアの城内に入ることができたアリスたちは、スラム街にある宿屋で計画を練っていた。
 アリスたちは戦争をしに来たのではなく、大使としてという面もあり、ネザーラビティアの王様との国交を再開するために、来たということもあった。
 ただ、親書は預かったものの、直接のつながりがないアリスたちでは、城に直接行ったとしても、追い返されるのが目に見えている。そのため、直接行くのではなく、ネザーラビテ

もっとみる
第四話 護衛とネザーラビティア

第四話 護衛とネザーラビティア

 盗賊を改心させ、無事に炭鉱夫として復活を果たした盗賊たち。地域との交流も深まり、最初こそわだかまりはあったものの、時間が解決してくれると思っていたアリスの予想通り、交易が盛んになり外貨を獲得できるようになっていた。
 そのため、身の危険を冒してまで盗賊をする必要がなくなったこともあり、地域は平和になっていった。アリスたちは炭坑の近くにある街にしばらく滞在していた。そんな中、盗賊がアリスの助言で更

もっとみる

第三話 盗賊の就業と厚生

 盗賊の親方に、クラリティア人であることがバレたアリスだったが、入ってきた入り口は依然として、塞がれアリスたちが逃げるのを阻止していた。そのため、中央広間でにらみ合いと同じ状況が続いていた。

「クラリティア人ってことがわかったんだ、ただで帰ってもらっちゃぁ。困るなぁ。」
「何をする気なの。」
「そんなの、いろいろだよ。まずは、金目の物を出してもらおうか。」

 盗賊らしくアリスたちの金目の物を差

もっとみる

第二話 クラリティア人と癒しの能力

 坑道の奥の奥。坑員の休憩所を利用する形で築かれた盗賊のアジトは、弧を描くようにくりぬかれ、坑道の終着点につくられたいた。
 ところどころに炭坑の名残のトロッコが横倒しになっていたり、線路の痕跡が残っていた。

『やっぱり、ここは元炭鉱か。匂いでそんな気はしてたけど……』

 アリスは、周囲の匂いとトロッコの状況。線路の朽ち具合で、おおよその予想が付くほどに、メンテナンスがされていない様子だった。

もっとみる
第二章 第一話 ネザーラビットと盗賊の親方

第二章 第一話 ネザーラビットと盗賊の親方

 王都ラビティアから旅立ち、数日。行商人の風体をしたアリスたちは、深くかぶったフードを少し開け、周囲を眺める。
 馬車の上から眺める景色は、王都から離れるにつれ、建物が少なくなっていき見晴らしがよくなっていく。

「アリス様、そんなに身を乗り出すと、危ないですよ?」
「大丈夫よ、ラフィア」

 心地よい風が流れているのは、王都とは変わりなかったが、ネザーラビティアに向かうほどに閑散としていく。農地

もっとみる

第20話 旅立ちのラビティアとアリス ラビティア編最終回

 オープン当初こそ、ごった返すような混雑ぶりだった店。ラビティシアは、休日こそ人気の店となっていたが、平日はそこまで混むことはなくなっていた。
 そんなこともあり、平日はもっぱら暇なときも増えてきたのだが、別の忙しさが追加されていた。それは、歌劇団のオフィシャル事務所も兼ねたことだった。

「ルナ? だいぶ慣れた?」
「うぅ~。まだ、怖い……」
「ルナなら、できますよ。きっと……」
「リリアまで…

もっとみる
アリス・ウィズ・ラビットワークス。 新章のお知らせ。

アリス・ウィズ・ラビットワークス。 新章のお知らせ。

ご好評のアリス・ウィズ・ラビットワークス。22日公開の20話で、堂々の第1章完結。

そして、次週。29日からは新章。ネザーラビティア編がスタートします。

けんかっ早く。隠れてしまうほどの小さな耳の人種の国。ネザーラビティアへと向かうことになるアリスとアリナ。

王都ラビティアの隣国でありながら、長きにわたって戦いを繰り広げられていたが、今は休戦状態にあった……

そんなネザーラビティアへ向かう

もっとみる