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2020年5月の記事一覧
第十話 アリスとロビティナのスパイ
ラフィラスを送り出した直後、城内ではネザーラビティアの復興に関して、花が咲いていた。そんな中、ミリアナは場の悪そうな顔をしながらアリスに告げる。それは、王城で唯一、投獄されているものがいること……
「アリス様。これだけはお伝えしておかなければいけません……」
「えっ?」
「それは……ギリアス。アリス様を案内してあげて……」
「はっ。ですが、連れて行くんですか? やつのもとに……」
「えぇ。ネザ
第九話 ラフィラスとガイアス
ラフィラスは、アリスに言われた通りに、炭鉱へと足を向けていた。その道中も、アリスとともに歩んだ道が、前よりも活気を増していた。
炭鉱が稼働したことで、周囲には住宅が立ち並び、炭鉱で働く炭鉱夫を癒す飲み屋に近郊から来た旅人が泊まる宿屋など、一大拠点のような状態になっていた。
「あれっ? ここって、あの場所? あ、これがるし……」
ラフィラスが見つけたのは、大きな石碑。それは、ラフィラスがア
第八話 幼い王女の夢とアリスの描く未来
アリスは応接間に戻り、実際にネザーラビティアの復興に対して、案を講じ始めた。その際に、アリスはサティリスに屋敷にいるアリナたちを案内してくれることをお願いする。サティリスの行動は早く、モノの数十分で城へと連れてきたのだが……
「なんでコイツがいるんだ! 城の衛兵でありながら、盗賊の護衛に落ちぶれたコイツが!!」
ラフィラスの姿を見たギリアスは、激怒していた。一人残ったギリアスと、ラフィラス
第七話 幼い王女とネザーラビティア
「あ、あの……ミリアナ様?」
初めて見たクラリティア人のアリスに興味津々のミリアナは、ペタペタとアリスの耳に触れたり髪に触れてみたりと、アリスのあちらこちらを触っていた。
一方のアリスも、相手が王女なこともあり、無下に拒むわけにもいかず困てしまっていた。
「姫様!」
「あぁ。ぎ、ギリアス。あ、ごめんなさい。アリス様。つい……」
「い、いえ。大丈夫です。」
「姫様は、本当に始めてみるものには
第六話 幼い王女と資源
サリティオの屋敷の大広間では、アリスとサリティオが情報交換をしていた。そこでは、アリスがクラリティア人であること、王都からの使者であることなど、多くの意見が交換されていた。
中でもアリスが注目したのは、ネザーラビティアの現在の王様が、幼い少女の王様ということだった。先代王の急逝により、即位することになったその少女は、当然のように王様がどんなことをしているのかすらの知識も皆無だった。
それでも