映画「あん」の星読み的考察

今更なのですが、Netflixで「あん」を観ました。

原作の小説が、元ハンセン病患者の上野正子さんがモデルになっているそう。
差別、偏見、その他、人間としての最低限の権利すら奪われた当時の人々。

どんな風に描かれるか気になっていましたが、劇中では、樹木希林さん演じる「徳江さん」が、元ハンセン病患者であるという噂が広まって、折角作った美味しいどら焼きが売れなくなる、という描写に使われていただけでした。(ネタバレすみません…)

浅田美代子さん演じるどら焼き店のオーナーの好演もあって、めちゃくちゃ憎たらしくみえたのですが(笑)

でも確かに世間って、そんなものだなと思うのです。
そういえば、先の東日本大震災での原発事故直後なども、いろんな風評被害が飛び交いました。

「私達はこの世を見るために、聞くために、生まれてきた。この世は、ただそれだけを望んでいた。…だとすれば、何かになれなくても、私達には生きる意味があるのよ。」

劇中の徳江さんが、そんな時に発した言葉。

「あん」が何故星読みと関係するのか。人は何故、何の為に生まれたのか。誰にも出せない答えを探そうとしているから。

私たちが住んでいるのは「地球」という星。

「地球」とは、母なる大地、世界、国、地域、家族、自分…。

でも、意外とみんな自分のことって分かってないですよね?
実際の自分を見れないのと同様、実際の地球を見た人って、宇宙飛行士とかお金持ちくらいのもので(笑)

「あん」の中で、徳江さんの印象的なシーンがもうひとつあります。
あんこ作りの最中、ずーっと小豆のことを考えているシーン。
「折角(小豆が)来てくれたんだから、ちゃんとおもてなししないと」
雨風を凌ぎながら、立派に育ち、自分の手元にやってきてくれたことに感謝の意をもって接する徳江さん。
母なる地球(大地)としっかり繋がっています。

そういえば、徳江さんの住む施設に繋がる道中も、青々とした木々がとても印象的だったなあ。

ドリアン助川さんの原作本も読んでみたいと思いました。


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