僕たちとあの日の桜



登場人物

• レイ(女子高生、明るくあどけない)
• ダイキ(男子高生、アニメとゲームが好き)
• ユウタ(不思議な男の子、実はレイの弟)


シーン1: 学校の中庭

(中庭のベンチにレイとダイキが座っている)

レイ: ダイキ君、聞いたよ!新しいアニメが出るって!

ダイキ: (興奮して)そうそう!あれ、めっちゃ面白そうだよね。どのキャラが好きになりそう?

レイ: うーん、まだ決めてないけど、たぶん主人公かな!ダイキ君は?

ダイキ: (ニヤリと)俺はツンデレのヒロインかな。やっぱりあの性格が好きなんだよね。

レイ: (笑顔で)わかる!ツンデレって可愛いもんね。

シーン2: 教室

(休み時間、レイとダイキが教室で話している。ユウタが近づいてくる)

ユウタ: (不思議そうに)こんにちは。君たち、何を話してるの?

レイ: (笑顔で)あ、ユウタ君!私たち、アニメの話をしてたんだ。ダイキ君、この子はユウタ君って言うの。ちょっと変わってるけど、よろしくね!

ダイキ: (興味津々で)へえ、ユウタ君もアニメ好きなの?

ユウタ: (笑顔で)うん、でも僕は現実の方が好きかな。お姉ちゃんがいるからね。

ダイキ: (不思議そうに)お姉ちゃん?

レイ: (笑顔で)あ、そうだ!ユウタ君、君も一緒にアニメ見ない?

ユウタ: (ニヤリと)いいよ。でも、ダイキお兄ちゃんが教えてくれるならね。

ダイキ: (驚いて)お、お兄ちゃん?どういうこと?

レイ:ごめーん!言い忘れてた!この子、私の弟なの。改めてよろしくね!

ダイキ:なんだ!そういうことか!わかったよ。

シーン3: 公園


(レイ、ダイキ、ユウタが公園で遊んでいる)

レイ: (笑顔で)今日も楽しかったね!

ユウタ: うん、お姉ちゃんとダイキお兄ちゃんと一緒に遊べて楽しかった!

ダイキ: (戸惑いながら)ちょっと待って。ユウタ君、君...本当にレイの弟なの?
随分、似てないような...

レイ: (笑顔で)そうなんだよ、実はね。
でも、二人が仲良くなってくれて嬉しいな。

ダイキ: (照れながら)そ、そうか…なんか、いろいろとよくわかんないけど...まいっか。これからもよろしくな、ユウタ君!

ユウタ: (ニコニコして)うん、よろしくね、お兄ちゃん!

(レイとダイキが顔を見合わせ、微笑む)

シーン4: 放課後の教室

(放課後、レイとダイキが教室で話している。ユウタが少し遅れて登場)

レイ: ダイキ君、今日も一緒に帰ろう!

ダイキ: もちろんさ。ユウタ君も一緒に帰る?

ユウタ: (微笑んで)うん、ありがとう。でも、お姉ちゃん、実は君に話さなきゃいけないことがあるんだ。

レイ: (驚いて)え、何?ユウタ君。

ユウタ: (真剣な表情で)僕は、ただの弟じゃないんだ。実は前世で、君の彼氏だったんだ。
覚えてるわけ...ないよね。

レイ: (驚愕して)な、なんですって…?
嘘...でしょ...

ダイキ:それは本当...なのか?!嘘だろ...そんなまさか...

シーン5: 公園のベンチ

(レイ、ダイキ、ユウタが公園のベンチに座っている。雰囲気が重くなる)

レイ: (戸惑いながら)ユウタ君、それって本当なの?

ユウタ: (うなずいて)うん。僕も最初は信じられなかったけど、夢の中で全部思い出したんだ。お姉ちゃんと一緒に過ごした前世のことを。

ダイキ: (困惑して)ちょっと待って。じゃあ、ユウタ君はレイの前世の彼氏で、今は弟ってことか?!

レイ:前世ってほんとにあるんだ...。

ダイキ:俺も...信じられないよ。

ユウタ: (悲しげに)でも...そうなんだ。僕には記憶があるんだ。でも今はただの弟として、お姉ちゃんを守りたいんだ...


レイ: (涙目で)そんなことって…信じられない。でも、ユウタ君がそんなに真剣に話してるから…

ダイキ: (ため息をついて)なんだか、アニメの話みたいだけど、現実ってことか。俺たち、どうすればいいんだ?


シーン6: お別れ

(翌日、公園にて、レイ、ダイキ、ユウタが集まっている)

レイ: (決意を込めて)ユウタ君、ダイキ君、ありがとう。前世のことは驚いたけど、今の私たちの関係を大切にしたいと思うの。

ユウタ: (微笑んで)うん。お姉ちゃん、ありがとう。僕も、だよ!

ダイキ: (笑顔で)そうだな。前世とか関係ない。ユウタ君とも仲良くやっていきたい!

ユウタ:(笑顔で)うん、ありがとう。

レイ:これからも一緒にいようね。

(3人が笑顔で手をつなぐ)


レイ: 正直...前世のことは驚いたけど、ずっと仲良くやってこ!

ユウタ: (微笑んで)お姉ちゃん、ありがとう。僕も、今の...ままでいいよ。お姉ちゃんが幸せならそれでいいんだ。

ダイキ: (笑顔で)そうだな。前世とか関係ない。ユウタ君、これからもよろしくな!

レイ: (笑顔で)ね!これからもずっーと一緒にいようね。


(すると突然、強い突風が吹き、どこからともなく桜の花びらが吹き荒れる。季節は8月だというのに。)

レイ: (驚いて)えっ?!なにこの風…どうして?桜が…?

ダイキ: (困惑して)ほんとだよ...8月なのに、なんで桜なんて…
あれ?!ユウタ君...どこに…?

(ユウタの姿が消えている)
 (突然着信音が鳴る)

(電話でユウタが交通事故で亡くなった知らせを受ける)

レイ: (涙きながら)ユウタ君…ありがとう。

ダイキ:...

(ダイキがレイの肩にそっと手を置く)

ダイキ: (優しく)レイ、ユウタ君はきっと、君のことを見守ってるよ。これからもずっと...

レイ: (うなずいて)うん。

ダイキ: (真剣な表情で)レイ、実は…ずっと君のことが好きだったんだ。これからも、そ、その
君の...君のそばにいたい!

レイ:えっ
ダイキ:ユウタのこととか、その...いろいろあったけどさ...俺...

レイ: (驚いて、でも嬉しそうに)ダイキ君…私も...ずっと好きだったの...

(レイとダイキが見つめ合い、微笑む)

ダイキ:ユウタ...俺、お前の分も頑張るから応援しててくれよ。

ー少しの間ー

ユウタ:良かった...これで良かったんだ。
今度こそ幸せになって...レイ...。

(いつの間にか桜の吹雪は止んでいた)


突風と桜と共に、ユウタの姿は消えた。しかし、その後に残されたのは、二人の恋の始まりだった。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?