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感謝出来ない人とは関わるな。に反発していたが、最近真理だと気が付いた話


メンタルコーチをしていてしばらく経った頃、先輩のコーチにアドバイスを貰ったことがあります。

「感謝を出来ない人のメンタルサポートはしてはいけない。
それどころか関わってはいけない。」

当時これを聞いて頭に「???」が浮かびました。

・それは倫理的に感謝を大事にしろということ?
・むしろそういう人だからこそサポートするべきでは?
・クライアントさんを選り好みしろってこと?

などなど、反発に似た疑問がありました。
すみません、嘘です。
しばらくこの考えに反発してました(;'∀')

初めはこのアドバイスの意味が分かずモヤモヤだったのですが、
だんだんとこの言葉が身に染みて分かってきたので、
僕なりにこの言葉の解釈を書いていきたいと思います。

そもそも感謝とはなにか?

感謝の定義は少し難しいですが、一つの定義として

ポジティブ心理学者であるロバート A.エモンズ博士は狭義の感謝を
『感謝は与えられたものに対する情緒的な反応であり、利他的な行為により恩恵を受けた後に生じるありがたい気持ち』
としています。

ポジティブ心理学と感謝

https://www.moralogy.jp/wp-content/uploads/2020/06/68mochizuki.pdf

感謝は、
・自分以外の外的なものによってもたらされているこ事
・もたらされた出来事の結果が好ましいものである事

という二段階の認知を経て感じると説明されています。

なんだかごちゃごちゃ難しいですが、

要は
他者から好ましいものが与えられている。
という認識がないと「感謝」は生まれないという事ですね。

想像してみて欲しいのですが
お隣さんが「みかんどうぞ」と言って
みかん一箱くれたら素直に「ありがとう!」ですが、
みかんトラックで100トンとかになると「さすがにちょっと…」
となっておもしろい事に、感謝は生まれないのです。
好ましい量やサイズ感じゃないとありがたい。と思わないという事ですね。

そして人間は感謝のやりとりによって「社会的感情」を学んでいきます。
(実は「嫉妬」とかも社会的感情なのですが、そちらはひとまず置いておきます…)


感謝の気持ちが全くない。と即答する。
という事は、実際はどうあれ本人の中では、
今の自分には社会的繋がりが欠如している。
と、認識している可能性が高いのです。

私は誰とも、好意的な繋がりを持てていません。
と言っているのと同等なのです。

今風に言ってしまうなら無敵の人になっている可能性が大。
ということです。

そして経験的に感謝が出来ない状態は、
守るものがないので無茶苦茶する可能性が高いんですよね

考えてみれば、無茶苦茶するのも当然ですよね。
どんなにリスキーで危険な行動も社会的なリスクがないわけですから、
相手も所属しているコミュニティも…
下手すると自分でさえも、大切ではないわけです。

結果、行動も思考も破壊的になります。
ここまで来ているとコーチングではなく、カウンセリングの領域にいる方が多いです。

感謝の気持ちがない人に関わってはいけない。という言葉の意味は

つまり先輩は
何かしら問題を起こしやすい行動や思考になっている人の危険サインとして
「感謝を出来ない人のメンタルサポートはしてはいけない、それどころか関わってはいけない」
という事を言っていたわけですね。

あまりメンタルコーチ的にこういう事を言うのは良くないとは思いますが、
大事な事なので正直に話すとお試しコーチングで有料で受けたいという方に「最近感謝する出来事とかってありました?」
と聞くようにしています。

そして「ない」と即答されるなら、かなり警戒するようにしています。

場合によっては恐らく自分とは合わないだろうとお断りするようにしています。

せっかく来た相手を見捨てるのかとも思われてしまうかもしれないですが、明確な理由があります。

一つは
僕はメンタルサポートはどうしても個人個人にフォーカスしなければならない、ある程度個人に合わせたカスタマイズされたものになる。
と考えているからです。

経験的に自分に合わない方が僕のサポートを受けてもお金と時間の無駄にしてしまう。
これは僕が一番避けたい誰得状態(誰が得しているのか?)です。

そしてもう一つは、
僕は父がモラハラを行う家庭で育ったので、
今はそれが逆転して他人へのリスペクトがない人へのサポートが出来なくなってしまったんですよね。

メンタルが安定してくると、
好き嫌いがなくなるのかな?
と思うかもしれませんが、

不思議な事に好きな事は素直に好きと言えるし、
嫌なものが嫌だとハッキリ、NOが言えるようになってきます。

ちなみに父は「ありがとう」と「ごめんなさい」が言えない人間です。

友人に
「俺があれだけしてやったのに生意気だ」
と平気でこき下ろし
(信じがたいと思いますが、マジで友達に言います)

また家族が反撃してこないと見るや
「いやなら出ていけ」と言います
(その結果、本当にひとりぼっちになっていますが)

そういう人を見ると、どうしても父と重なってしまうんです。

僕の周りには、そうなって欲しくないので、
あえてかなり悪い言い方をしますけど
「勝手に孤立すればいい」ぐらいには思います。

この父レベルの人がゼロから学び直すのはきっと、
僕以外の方が効率がいいでしょう。

昔はどんな人でも、メンタルサポートしなければならない。
受け入れてこそのコーチングだ。
と思っていましたが、
自分と相手、お互いの事を考えるとその「エゴ」は脇に置いて置いた方がいい。
という結論になりました。

とは言え、人間なので少しメンタルが落ち込んでいると、
誰しもこの感謝の気持ちを忘れがちです。

そんな時は
「最近感謝したことがあったか?」
「感謝」の気持ちを思い出してみてください。
きっと、自分の大切な社会的な繋がりや、
自分自身、忘れかけていた他者との関係の価値を思い出させてくれます。

感謝は「道路で道を譲ってくれた」
「お店での接客がとても丁寧だった」
ぐらいのレベルでもOKで、

意外と簡単に出来るメンタルケアとしても使える上に、
アルバイトの面接や人を選ばなければならない場面などでも、
使えるテクニックなのでオススメです。
感謝の感情をたくさん持っているという事はそれだけ社会的感情を身の回りから受け取れている人だからです。

また自分の近しい友人や家族に
「最近感謝したことある?」と聞いてみるのもいいかもしれません。

え?なに?宗教??
と言われてしまうかもしれないですが、
真面目に話し合うとお互いの価値観がダイレクトに共有出来て面白いですよ


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