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わたしの勝負メシ


職場で連日肉まんを頬張る同僚がいる。
「肉まんの季節が来ましたよ!」
とニコニコ顔だ。聞けば彼女の勝負メシは肉まんなんだとか。知り合って3年、同じ現場もいくつかこなしたのに初耳だった。勝負の日は2個食いするらしい。
「ユウキさんの勝負メシは?」
そう訊ねられ、即答した。
「松屋のネギ塩豚肩ロース丼。もしくはマトンカレー」

正しく言うなら、前者はネギ塩豚肩ロース紅生姜丼である。

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豚肉を一方にグイッと寄せて、テーブルに置いてある紅生姜をたっぷり載せる。そして紅生姜をごはんに混ぜ込んで紅生姜ごはんにして肉を喰らう。なんなら紅生姜でごはんが進みすぎて豚肉が余ることすらある。
……だったら、私の勝負メシは紅生姜ごはんなのか?
いやいや、それは家でもやるし、なんでもない時にも食べるのだからケの日のごはんだ。日常食。勝負って時は肉で精をつけないと。
ちなみに、トップ画像は最新期間限定の牛ステーキ紅生姜丼。
(紅生姜があったらなんでもアリじゃんか)

自炊する暇もないほど忙しい時、私の食卓はだいたい松屋になる。
「みんなの食卓でありたい、松屋♪」
キャッチフレーズそのまんま。牛丼チェーンなら圧倒的に松屋派なのである。私の職場は一ヶ所に固定でなく、さまざまな街に行くのだけれど、松屋はだいたいどの街にもどの駅前にもあって、ブレなく食卓になってくれるのだ。吉野家に炭火焼き鳥丼があった時期は浮気もしたけど、20代の頃から松屋至上主義。松屋がない街での仕事だと、妙にがっかりしてしまう。

一時期は「松屋といえばカレー」だった。
その当時、毎年夏は同じ劇場に2週間近く通っていて、初日が開いたらそこから先は毎日松屋のカレーをテイクアウトして食べた。もうオリジナルカレーの時代だったような……チキンカレーだったような……。小道具を置く棚を1段奪ってカレー倉庫と名付け、同じくカレー好きの先輩が松屋でカレーをテイクアウトしてそっと置いてくれる。毎日毎日松屋のカレーを食べ続ける私たちに上司や同僚は若干引いていたが、気にも留めなかった。やがて、建物の裏にシディークがあることに気づき、3日に1度くらいはシディークのマトンカレーの日を設けるようになった。エブリデイカレーデイ。
今はもうその劇場も、シディークも、街の開発でなくなってしまった。松屋は健在だが、通う職場がなくなってしまった以上、毎日テイクアウトすることもない。
松屋のカレーも変わっちゃったしね。創業ビーフカレーも悪くはないが、毎日食べるかは難しいところ。

そして私はカレーも愛している。
特にネパールのカレー。

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バングラディシュのカレーも。

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というか、ダルバートが好きなんだよな。豆のカレーを中心としたあの定食。野菜のおかずもついてくるのがいい。カレーがシャバシャバで重くないのもいい。更に羊肉がこの上なく好きなので、カレー屋に入ってマトンカレーがあったら迷いなくマトンカレーを選ぶ。羊最高。
マトンカレーならどんなカレーでもいいとさえ思う。けれど、もしも通う街にインネパ店(インドネパール料理屋)ではなく、ネパール料理屋があったら、毎日マトンカレーを食べないことに努力が必要になる。まあ、毎日でも気持ち的には問題ないのだけれど、薬膳的には温める作用が強いので、夏場は元気になりすぎてしまうから。

リトルカトマンズと呼ばれる新大久保で働ける時は最高に幸せ。ネパール料理屋選び放題。疲れたなあって日も、ただ単にお腹が空いた日も、ランチして入ればいい日も、ふらっとダルバートが食べられるのは本当にありがたい。
欲を言えば、モーニングもやってほしい。そうしたら「今日は勝負」という日の朝、ダルバートで元気つけて勝負に臨めるから。
いっそ、朝カレー屋をやりたいと思うことすらあったりして。

ここまで書いて気がついた。
「私の勝負メシ」というハッシュタグがあったなあと思って書き始めたのだけど、募集されているテーマ、違うね? 「私の勝負曲」だな? (確かめてきた)

でも書いてしまったので発表しよう。

私の勝負メシは「松屋のネギたっぷりネギ塩豚肩ロース紅生姜丼」と「マトンカレー」。
以上!

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