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夢のない美容法

最近、思いもかけない肌荒れやニキビに悩まされている。
嘘です、ニキビはできているけど、別に悩んではいない。

化粧ができないとか、ブサイクに見えるとか、そんなふうに悩んだりはしない。ただ痕が残りやすくなっている感じがするのは嫌だなとか、腫れて痛くなるのは嫌だなとか、そんな程度だ。

そもそも化粧もあまりしなくなってしまった。化粧は好きだけど。
スキンケアも雑すぎて、さすがに皺っぽく感じる事があったので、少し心を入れ替えようと思って、みたいな感じです。

視力が落ちてきて、モノがよく見えない。
細かく化粧水とかつける余裕がない。
不眠だし。うまく眠れない。病院いかないと。毎朝鼻血で目覚める。結構あれですね!

そんな中で、すごく効果的だった美容法は、実に夢がないものだった。

①プロテインを飲む

筋トレを始めてからの事ですが、プロテイン。効きます。毎日飲むわけじゃないです。筋トレをしても飲まない日もあります。
それでも常備していて、ココアや抹茶ミルク味で飲んでます。コラーゲンドリンクも結局はたんぱく質=プロテインだもん。

人工甘味料が苦手なので、自分で味付けしています。

②ボラージクリーム

ちふれのボラージクリーム。1000円+税で買える。これが、異様なまでに効きました!乳液っぽいゆるいクリームで、トロッとしている。変にぬるっとして、その後は肌がふかっとなる。潤うというか、ふかっとするのです。
厚みがでる、というか。
お風呂上りに、化粧水もつけずに顔に塗り、首、手足、ボディ、とにかく全部塗ります。ハンドクリームにもしてます。
ここまで、ユースキンや蜜蝋タイプのナチュラルバーム、資生堂アクアレーベルのクリーム、フーミーのオイル美容液、るるるんプレシャスクリームなどなど、試してきたけど、突然の一位!優勝!
ただ、「バナナの皮の筋の匂い」「鳩くさい」「焼きそば臭」「犬の匂い」などといわれています。言うほどそんな感じはしませんでした。大丈夫。多分。

③酒粕をパックする

普通の、スーパーの日配品の棚にある、酒粕です。
これを普通にペースト状に水などで練って、顔に塗ります。
ぱりぱりに乾いてしまうと流す時に痛いので、半生状態で数分放置して、お湯で溶かすように流します。
これもふかっとした白い肌になります!
安い!そして効果がすごい。シートパックより全然効果あるし安いです。しかも全身に使える。仕上げにボディオイルをつるっと塗っておけばパジャマの中で滑って寝返りが打てないくらいだよ。ほんとに。
ただ、お風呂場はきちんと洗わないとカビるので、要注意。翌日に洗うとかナシです。

④筋トレ

知らなかったんですけど、筋トレというか、筋肉がしっかりある人は筋肉で作られる物質でシミが少なくなるという研究結果が最近報告されたんだそうですよ。
それを信じて、化粧水や美容液をせっせと塗るよりワイドスクワットで内転筋と大殿筋を育てよう……。おしりと太ももの間にビシッと境目ができて以降、これといった感動がないのですが、片足で立って靴下を履くときにふらつかなかった。地味。
でもまあ、それはいいとして、筋トレそのものの効果って、瞑想と、筋肉痛による体感を得るということなきがします。痛みによって自分のアウトラインを感じる。
それと、汗をかくので、実はそれも美肌の為に必要な事なんだとか。汗をちゃんとかくと、肌の常在菌が安定するんだそうです。そうなのか。信じていい?
あとはプロテインやビタミン、整腸剤などのサプリを取るようになったのも、筋トレきっかけだったので、結果的に筋トレは美容。

無残なパラドックスを生み出す美容やおしゃれ

劇的な効果を望んではいけない、というのが、結局のところ一番長く美肌を保つ秘訣なのだそうです。
一晩でつやつやのつるつる、毛穴が消える、シミが薄まり、美白肌になる、というのは、あんまりよくないんだそうな。それがわかる程度にエイジングしています。

不思議な事に、若作りをしようとすると一気に老けが際立つ。

前髪ぱっつん系でゆるふわ巻き髪、チークたっぷりのかわいいメイクの女子が電車から降りてきたんだけど、ヘアメイクと服は完璧にかわいい女子なのに顔がおばさんだったというすごいショックな場面を目撃して、その説が本物なんだと思い知りました。
そのゆるふわかわいい系の女子は、めっちゃ仕事できそうだった。
それにそこまで見た目に手を抜かない、おしゃれとしては完璧だった、というのも相まって、それが老けを際立たせていることがあまりにも衝撃的でした。

がんばるほど老けて見えるなんて。

かわいくプリティに仕上げたい気持ちだってあるのに、それが若見えを奪う。さじ加減めっちゃ難しいじゃないですか。

かくいう私も、ピンクのチークが全然似合わなくなってきて、ベージュ系ばっかり使っている。ピンクも好きなんだけどなんだか過剰になるんですよ。なぜだ!

そういうのと似ていて、化粧品も、メイクだけじゃなくてスキンケアについても、いろいろとがんばっても実は無意味だったりして、スキンケアというコンテンツを楽しみたいという気持ちと、本当に美肌でいたいという目的はまったく方向性が違っていたりすることに、徐々に気づいてしまって、はっきり言ってがっかりしている。

プロテインとか安い変なにおいのクリームとかのほうが効くんだってわかっちゃって、なんだか、夢がなくなる。

夢と現実は違うのだけど、だからこそ夢を見たい

現実的に、これらはとても有効なのです。だけど、夢がない。
夢を見させてもらうのはそれはそれで高級な化粧品を買ってみる、使ってみるとか、安くてもコスメのカリスマがお勧めしている安くて効果のあるのを買ってみるなど、他人の経験をトレースするというエクスペリエンス。
だからうわついていて、たいした成果はないことも、ままある。

夢を見る事はとても重要で、人を前に進ませる大きな力になる。

ただ、それは無知の力でもある。

なーんにもわかっていないぱっぱらぱーな頭で、なんかいい感じだからというだけで、やってしまう。
その「なんかいいから」がビシッと正鵠を射る人もいるんだけど、それは基本的にその人の中に積み上げられた知識や経験と、身体的に備わった超絶センスが導いてくれるものなので、そういうセンスを養うために我々は日々肥やしになる経験や感動、無駄かもしれな知識を積み上げていく必要がある。
でも、そんなセンスは一朝一夕には得られないので、大抵はアホな結果になってしまう。

かといって、現実ばかり見て夢を見る余裕がなくなると、一気に生活は閉塞していく。

夢がない美容法ばかりやっていると、心が死ぬ。
見た目は老けて見えても、かわいい服を着ているほうがガッツが出る。
ここのバランスを、他者のためではなく、徹底的にエゴイスティックに自分の為に設定できるかというのは、とても重要なポイントだと思う。

そりゃ筋トレは効く。変なにおいのクリームも効く。
ただ、それ以上の、何かが欲しいのだ。

その欲で前に進めるのか、あるいは、欲を満たせずにフラストレーションと化して毒素にまみれていくのかは、己の力量次第なのかもしれないと思う。

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つよく生きていきたい。