都合のいい女vs面倒くさい女

カフェで、年若いお嬢さんが嘆いておりました。

「都合のいい女にはなりたくないけど、面倒くさい女にもなりたくない」

わかる。
わかるよ!
なに言っているか、スゲーわかるよ!!

見れば可愛らしい服を着て、可愛らしく長い髪を伸ばし、顔立ちはどっちかというと素朴な若いお嬢さん。
向かいには友人らしい、似た服装と似た持ち物のお嬢さん。

すごいわかるよ、なに言ってるか。

と、思わずひとりガッテンボタンを連打しておりました。

いやー、都合のいい女になってしまうなんて、社会通念としても許されない事じゃないですか。そんな常識のない娘であるなんて、許されないに決まっています。
でも、あーだこーだというのは、面倒くさい女と言われてしまうじゃないですか。それもいい女にならなくてはいけないわたくしたちにとっては忌むべき行為でございます。

という、ドツボ。

すごいわかる。けどね、そうじゃないんだよ、お嬢さん。

まず、そのお悩みには「相手の男性は不在」というとんでもない落とし穴がございます。
え、男に振り回されてイライラしてるんじゃないの、と思われがちですが、彼女は「かくあらねばならない自分」というものに対して、苦しみ、悩んでいるのです。
男なんかどうでもいいの。
いや、本人はそう思ってないけどね。

恋愛ってさ。
大抵独り相撲なの。
お姉さん、そのことに気づいたの。

ほとんどが、彼氏彼女を利用したパワーゲームなの。
そこに愛は、あったりなかったりするけど、どっちかというと、ない。

本当に恋がある場合もあり、それは深い愛であることもあるけれど、多くの悩みが生じるのは、そういう場所じゃない。
大体恋の場合はもう一直線で、既婚だろうが二次元だろうがお構いなし。
それでいて大変幸せなのです。
愛の場合は、もう「相手がどのような状態であろうとそれでよし」みたいな、むしろ情熱みたいなものが見えないくらいの茫洋とした状態になってしまったりしてね。
恋も愛も、悩みを生み出すような感情ではない。

でも、恋や愛じゃない、支配欲とか承認欲求とか、そういうパワーゲームが混じってくると話は別です。

そのパワーゲームが苦しいのですよねえ。ほんとに。
だから、都合のいい女とかめんどくさい女とか、どこにポジショニングするかというゲームがはじまったり、その戦略に悩んだり、思い通りにいかない事に苦しんだり傷ついたりするのですよね。

ああ、わかる。ツラい。

でもひとつだけ、アドバイスをして差し上げたいの。
その男はそんなにいろいろ考えてあげるほどいい男なの?
っていう視点を持つだけで、新しい地平が見えるから。

YESなら突き進め!NOならサヨナラだ!

ちなみに、お姉さん的にはね、もうどっちでもいいの。そんな事をどうこういう男とは恋愛なんかしなくていいのです。そこらへんに泳がせておけばいいのです。無下にする必要もありませんし、向こうが邪魔をしてこなければにっこり笑って挨拶ぐらいしても減るもんじゃございません。

わたくし、都合のいい女で結構です。
面倒くさい女でも結構!

文句があるならベルサイユにいらっしゃい。

つよく生きていきたい。