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一般人、アートバーゼルに行く(確約)

聞いてくれ。アートバーゼルに行く。それもスイスバーゼルだ。

以前こんなことを書いた。
いく、かも、しれない。
それが、「いく」になった。

私は別にアート分野で働いてるわけでもそっちで身を立てようとしているアーティストでもない、いわゆる市場に流通しているアートと美術館に収蔵されているアートに関しては一般人の枠になる。
美術愛好家かといわれると、そこもどうだろうか。
なにをもって愛好というのか。なにをもってファンなのか。
知っていればファンなのかというと、違うよねと思う。
日本の総理大臣を知っていてもファンかというと違う場合が多いではないか。

美術館で絵を見ることは好きだった。
というか、それが10代の頃「親から許された自由」の免罪符だったのだ。美術展に行くといえば出かけてもよかった。(かなり田舎な上に行動を親に制限されていた)
絵はどうでもよかった。でも「そこに行くこと、家から出ること」を許された場所であり、確かにわけもわからず見ていた絵から伝わってくるものは多かった。

しかし、何も考えずに自由に受け取ることは、所詮たかが知れているのだ。
教育なくして理解などできない。

そこらへん、私は一般人なので、お客さんとして甘やかされて「どうぞどうぞ、ご覧になってください、チケット売り場はあちらです」という立場だ。
金払って参加してくれるガヤ(※バラエティー番組などで会場のどよめきや掛け声みたいな雰囲気を作るだけの参加者。ガヤガヤさせるための人みたいな意味で、個性も顔も才能もいらないし、あっても誰も見ない)みたいなもので。

まあでも、ガヤだとしても、ガヤとしてできることをしてみたいよな、と思って。
特にアートバーゼルに行くのなら。

そもそもなぜアートバーゼルに行くことになったのかというと、「俺アートバーゼルに行くからくるなら案内するよ」という知り合いの美術商の軽口に「……ほんとですね?」と詰め寄った結果である。


そこから、美術展通いが一層激しくなった。

ザッと書いたものでも15カ所!!

ちなみに、あとディオール展は何とかチケットが取れていて、角川武蔵野ミュージアムに田口コレクションを見に行きたい(急がなくては!)のと、箱根の岡田美術館で私の好きな田中一村がこれも人気の若冲とセットで見れるというのでなんとか箱根にもいかなくてはいけない。

見にいったものはどれも良かったです。
どれにも学びがあったし、金を払ったことを後悔したみたいなものはなかった。というか金を払うと死ぬ気で回収しようって思うから、身銭を切らないと見えないものってたくさんある。

ついでに、パニック障害と、昼夜逆転して非常に苦しい状態に陥っていたのを、美術展に行くという目的のために何とか立て直しつつある。

もしスイスバーゼルに行くなら、パニック発作をなんとか抑えたい。
そもそもいけるのだろうか。
そして40万円くらいかかる飛行機や宿泊、移動費を使ってでも行きたいことだろうか?

なにせアートバーゼルは「金持ちのための美術フェス」でもある。
一般人もアート祭りとして楽しいのだけど、本質はそこではない。金持ちのための美術フェス。
開催時のホテルは2泊で35万円とかザラ。
そして見てもよくわからんものを見てポカーンとし、金持ちが300万円くらいのを「お安いわね」みたいに買っていく場に行くわけ。
もちろん日本語は通じない。すべて、通じない。
街は英語も通じない。
ただ、事情が分かっている日本語がわかるプロがいるというだけで、そこに行くわけです。

なにをやってるんだろうか!


でも数少ないチャンスだ。
二度とない。

ポーの大鴉レイブンに出てくる「nevermore」だ。
二度となけめ。
または阿部保翻訳で「またとない」

nevermoreは、ゴーギャンの絵のモチーフにも出てくるのでこちらの解説を見ましょう。

ここでいう大鴉の「二度とない」は終わってしまったことに対してであって、これからの事に関する「二度とない」は「とにかく行け!!」のGOサインである。


美術ってさ、結局人間のやっていることで、何かの翻案だったり二次創作だったり、みたいなのが実態だったりする。
そこにビジネスが関わるとさらに何か不思議な力学が働いて、変なことが起きる。例えばバンクシーはそういうビジネスが関わるアートをフィールドにしている。
そしてまさに、まさにアートとビジネスの舞台、それも世界最高峰と言われるのが、アートバーゼル

これが世界だ、一般人よ。
井の中の蛙に大海を見せる。

になればいいなあ。

アートバーゼルに行ったせいで破産したら嫌だなあ……
そうならないようにしたいのだけど、怖いなあ……
ていうかスイスの物価やべえ……
日本のヤバさが際立つわ……

みたいなことをすでに考えて右往左往しております。


引き続き、一般人アートバーゼルに行くはレポというかルポというか、フランスに隣接しているからルポかな!やっていくつもりです。
あまりにスイスの物価がヤバいので、投げ銭かクラウドファンディングでもしようかなという気持ちになっている。そのくらいのヤバさがあります。

行く前からすでにヤバい、一般人アートバーゼルに行く。
乞うご期待です。

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つよく生きていきたい。