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代打だけを集めて甲子園みたいなことをしている

必死である。
もともとのビジネスは年に繁忙期が大きく2回あるのだけど、その忙しい中で突然新しいブランドのスタートがはじまった。
それも結構立派な売場で。デパートです。
短期間で東武池袋百貨店のジュエリーフロアに催事で参加させてもらう事になった。

デパート出店は、個人的には以前スイーツで起業した時にデパ地下スイーツ催事に出たことがあるだけ。
しかも、それは東日本大震災が会期二日目にくるという、地獄のような展開だった。ホワイトデー催事二日目に大地震で、もうスイーツどころじゃなかった。最後まで売ったけど。

それ以来の、起業してデパートに呼んでもらうという大きな話で……

ものを作るのも必死(でもこれはジュエリー職人さんが作る)、準備がたくさんあるので、私も箱を準備したり、あの手この手で走り回って、並行して自分の仕事もやって……さすがに今日は倒れました。バタン。

売り場にも立ったり、足りない資材を買い足しに行ったり、告知にお礼にあれやこれや。

もうあるもの、できることでカバー。
その場にいる人たちをかき集めて、できる人に仕事を振って、やってもらって、とにかく世に出す、ないものに輪郭を与えてこの世に存在させる!
代打で結構!打席に立て!

といってデパート出店を必死でやって、だとしても、売れるっていう保証はひとつもないんですよね。

結果が出ないかもしれないのに、代打を打席に立たせてゲームに突っ込んでいく感じです。ゲームをするのだ!試合をするのだ!ぼろ負けするかもしれないが、黙って負けているわけにはいかない。
売り場からはノルマを1日○十万円と言い渡され、またある程度売れなければ出店を誘ってくださった方の顔も潰してしまう。
それにジュエリーは安くない。作るのに相当な金額が動くから、それほど数を用意していないのに箱だけで何万円という感じになる。中身はまた相当なお値段が……。
それに一週間売場に立たねばならないが人を雇う余裕はない。

負けたら、つまり売れなければ、文字通りぼこぼこである。
そうなってはいけない。どうやってでも、なんとか引き分けには持っていかなくてはいけない。でも今回初めて世に出したものだから、つまり無名である。無名は戦闘力弱い。
限界がすぐそばにあるけど、負けるわけにはいけない。負けるわけにはいかないんだ……

といって走り回っていたら、意外と商品が動き始めて!!

売り場のめちゃくちゃ厳しい担当者さんからも気持ちお褒めの言葉を頂いていたようで。

代打をかき集めて作ったチームで甲子園行くみたいな感じになってきています。なんてことでしょう。

主に活動しているのは、ジュエリー作家さんが中心で、私はフォローアップと告知、備品など、その他ロゴやショップカード作ってくれる人、あとジュエリーじゃなくてレザー製品作る目黒のおしゃれショップの社長にレザーのクロスタイを作ってもらいました。メンズラインです。
「地獄なスケジュールだね」「よくもまあ」と顔を合わせるたびに地獄だ地獄だいっています。

地獄でもそこを通らなくてはこの世に存在できないんですよ。
ないものを存在させるのです。
その程度の無茶や困難など、物の数ではありません。

いま戦える人たちだけが戦い、全員代打でも甲子園に行く。
その覚悟で、明日も真珠が売れるといいな…。

そして月曜日は、また違う商品の打ち合わせで結城紬の老舗に呼ばれているので現地へ行きます。
もう何が何だかよくわからないまま、闘っています。

無から存在を得る。
そのためには、ここだというタイミングには代打だろうが何だろうがバッターボックスに立たせるということだ。


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つよく生きていきたい。