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fumita
みミから出たサビしい
自販機から出てきたアサヒスーパードライと
ヒールの折れた靴でバランスを取ろうにも
身体はどうにもうまくいかないのでした
年甲斐もなく腰掛けたブランコの
むき出しの鉄に触れる
足元に小さな水たまりは気付いたときにはもう遅くて
プルタブを引いて少し零れた泡がそのなかの一滴になる
──彼氏の彼女に会ったら、なんと、アタシじゃなかったんだな
モエカが笑ってくれるかを想像する──だめだ
かわりに私だけでも笑ってやろうと思うけど
もう数時間も前から私の口と目には先客がいて
順番はなかなか回ってくる気配はないのでした
アサヒを隣の席に預けて
思い切りブランコを漕いでも
夜空に浮かぶ星たちは随分と遠く
風がひゅうひゅうと鳴って
そのひゅうひゅうをただ聞いている
ほんとうはツラくもカナしくもなく
暗くて長いだけ──
もうずっと先客に係っきりの私の身体を尻目に
鉄の軋む音と風の音に耳を澄ますのでした
即興ゴルコンダ(仮)と言うサイトに投稿したもの。
お題はこうだたけみさん。
もしよかったらもう一つ読んで行ってください。