好きを仕事にできなかった人です

12月3日の記

舞台女優をしてます!
なんつっても、それで稼げてるわけもないので昼間会社に勤めています。
今の会社の前はフルタイムのアルバイト。
そのまた前はバイト2、3掛け持ちしてのフリーター。
働き方にこだわりはなく、今たまたま契約社員として9時5時の事務職というものについてるが、立ちっぱなしや深夜までの掛け持ち仕事が体力的にきついから選んだ(あとたまたま拾ってもらった)


好きではない仕事です。
わたしは「好き」を仕事にはできなかった人です。

女優を仕事にしたかったなー。
本当は好きなことだけして生きていけれいれば、どれだけ幸せだろうかと思う。
好きなことしてるって無敵じゃないですか。
どんな苦しいことも、つらいことも、「好き」のレベルアップだと思えば乗り越えられる。

それが好きなことでもない仕事だったら?

つらいことなんてしたくないし、最低限のお金さえもらえればいいし、馴れ合いなぞもいらない。いつ辞めてもいいようにして働く。
とても最低かもしれないけれど、わたしそうやって働いてお金をいただいてきた。
それが正しいとも、悪いとも思わなかったしどうでもいいから考えてもいなかった。働くこと、ということに対しとても意識が低かったんだなと思う。

今勤めている会社は今までで一番長く、演劇をしているわたしをなるたけ応援してくれていて待遇もそこそこいい、とても恵まれている環境だ。
そこでの仕事も「お金をもらうだけの作業」だったけれど、最近ちょっと気持ちが変わった気がする。

長く勤めて、そこそこ信頼を得て、できることも増えて、初めて役職を与えられて、新しい仕事に向かって自主的に勉強している。
好きでもなかった仕事を、いかに効率よく勧められるか、自分のスキルをあげられるかがんばって努力している。

我ながら不思議だなぁと思いながらやってるんですよね、これ。

好きでもない仕事をやるなんて、なんだか「負け」な気がしていたんです。
だって本当なら演劇で食べていけてたらいいのにってやっぱり思うから。
けれど無理な現実と、そこまで覚悟を持てなかった自分がいる。
だからよけいにアルバイトとか好きでもない仕事にモチベーションが上がらなかったのかもしれない。

そんな気持ちが近ごろ無くなってきてます。
演劇で食べていけなくても、好きでもない仕事をしていても大した問題じゃないなと。
今のしている仕事がちょっと楽しくなってきてたくさん覚えたいことがある。
今いろんな演劇を知り始めていて、たくさんの作品に触れたいし演じてみたいとおもう。

だから何が本職、とかどうでもいいな。

演劇やってることや女優を名乗ることが夢じゃないし、叶わなかった自分がみじめでもない。
好きでもない仕事に興味を見出して頑張ることは、逃げでも妥協でもない。

演劇や女優はやりたいこと。ずっと好きであり続けたいもの。

昼の仕事は適職。自分の適性にあって稼ぐ能力のあるもの。

どちらもあってこそのわたし。

演劇をはじめてもうじき10年がたとうとしている。
天職でも、適職でもなかったけれど、ずっと愛することのできる好きなもの。

これからは舞台に立つ数も自分の生活と相談して、年間の本数をきめて、一本一本大切にしていくことになる。
できればその一本一本をフルパワーで戦えるように、適職で生活と自分を潤していきたい。

そうして立つことのできる舞台は、たくさんの愛情と命を注ぎこめるものでありたい。
でられる実力もつけてゆかねば。


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