#17 信州イゲタ味噌醸造蔵元
こんにちは。
be-en 代表のゆうかです。
蔵元巡り第17弾は長野県上田市にある『信州イゲタ味噌醸造蔵元』さんを訪問しました。四代目店主の原英和さんと奥様の有紀さんにお話を伺いました。
蔵元の歴史
信州イゲタ味噌醸造蔵元は1905年に創業しました。
蔵元が位置する上田市は、かつて養蚕業が盛んで、江戸幕府によって整備された脇街道の一つである北国街道が通っていたこともあり、商売の街でもありました。製糸工場で働く女工さん向けに味噌を卸したり、賄いで味噌を食べたり、宿でお酒を提供したりなど、発酵業も非常に盛んでした。
蔵元を営む原家は元々商人の家系で、蚕業を営みつつ、賄いに出す味噌製造を行っていた家から味噌業を引き継いだことが、現在の味噌醸造事業の始まりだそうです。
かつては、味噌の委託醸造を請け負う蔵で、農家が自分の材料を持ち込み、蔵に4日寝泊まりして仕込み味噌や醤油もろみを作って持ち帰ることが多かったと伺いました。
蔵元独自の醸造方法を生み出したのは、2代目店主。信州味噌のオリジナル化を目的とし、全国各地の味噌蔵を訪ね歩いたそうです。現在もその製法を受け継ぎ、道具も当時使用していたものを使い続けているとか。
イゲタ味噌さんの「伝〜DEN〜」は香り高く、深みのある味わいのお味噌で、とても美味しく気に入っています。お料理に使用する際、他の調味料を加える必要がなく、美味しく使いやすいお味噌です。
また、「糀あまざけ~AMAZAKE~」は人気No.1商品で、桃のような爽やかな甘い香りとすっきりとしたほのかな酸味を感じ、その美味しさに驚きました。お米が”トゥルトゥル”としていて面白い舌触りでした。
是非皆様にも味わっていただきたいです。
危機的状況からの復活
実は、今の信州イゲタ味噌醸造蔵元があるのは奥様の有紀さんのサポートがあったから。
有紀さんは蔵元に嫁いでから家業を手伝うようになったそうですが、嫁いだ当時、蔵元の経営状態は芳しくなかったとのこと。
経営状態があまり良くない話を聞いて発奮し、家族を養うために先代から早期に家業を譲り受け、取扱い商品も一新。
家業を引継ぐまで商店で様々な酒の銘柄を取り扱っていたそうですが、県内産の日本酒・ワインの取扱いのみに変更、地元販売に限定していた味噌を全国展開するために伝統を押し出したブランディングを展開するなど、精力的に活動されたそうです。
その結果、今では家族を支えられる程、売上も大幅に向上しています。
また、有紀さんは教育にも力を入れていて、趣旨に賛同する関連事業者と共同で『信州上田 発酵の女学校』を開催されています。
受講料は無料で、地元の高校生に発酵食品の作り方や健康効果、調理方法などを教えているそうです。
女学校の学生が卒業課題で考案した発酵食品を使用したレシピは、女学校の講師が運営されている 「豆cafe enjyu」にて提供されるなど、かなり実践的な内容になっています。
「私も高校生の頃に女学校に入学したかった」と心の底から思っています。
発酵を学びたい方に、『信州上田 発酵の女学校』を是非オススメしたいです。
お話を伺っている間、終始有紀さんのパワーに圧倒されました。そして、発酵を軸に、お店だけではなく、地域を盛り上げられている姿に感銘を受け、素敵でパワフルなお人柄に強く惹かれました。
上田にお越しの際は信州イゲタ味噌醸造蔵元さんにぜひお立ち寄りください^^
それではまた次の記事でお会いしましょう!
文責:むーみん
▼今回ご紹介した『信州イゲタ味噌醸造蔵元』さんの HP はこちら
▼有紀さんが運営されている『信州上田 発酵の女学校』の HP はこちら
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