サンタ見習いの男の子２

いよいよ今日は１２月２４日。クリスマスイブです。
世界中の子どもたちの元へプレゼントを届けに行きます。日が沈んだら出発の時間です。
そのはずが、おじいさんとトナカイたちが時間になったのになかなか出発しません。
どうしたんだろう？と、トトは不安に思いました。
「おじいちゃん、どうしたの？早く出発しないと間に合わなくなっちゃうよ」
「それが困ったことになって…。子どもトナカイのモコが見当たらないのじゃ。トナカイたちはモコが心配で出発出来ないと言ってるんだ。」
そんな…プレゼントが届かなかったら世界中の子どもたちが悲しんじゃう、トトは思いました。
「僕がトナカイたちに話してみるよ。」
トトはトナカイたちの元へ行きました。
「みんな！モコのこと聞いたよ。」
「モコは森の奥の方へ行ってしまったようなの。」
「ねぇ、みんな。僕がモコを探しに行くよ。必ず見つけるから安心して。」
「トトなら森に詳しいし、トトが探してくれるなら安心だわ。」
「トト気をつけるんだよ。私たちの息子のことをよろしく。」
「トト、ありがとう。」
モコママが鼻を優しくトトの頬に擦り付けました。
「トト、じゃあ行ってくるよ。夜の森は暗い。気をつけて。」
「行ってらっしゃい。みんなも気をつけてね。」
サンタクロースとトナカイたちが無事に出発し、空を駆けて行くのをトトは見送りました。