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音楽の杜がおススメする70年代洋楽

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人生の大半を音楽に注いできた「音楽の杜」がおススメする洋楽アルバム集
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#1971年

Rita Coolidge「Rita Coolidge」(1971)

GW、如何お過ごしでしょうか。 さて今回はスワンプ、デルタ・レディの登場です。リタ・クーリッジって最近では日本の楽曲をカバーしたりして、ポップス歌手というイメージがあるのですが、60年代後半のデビュー当時はスワンプ界のLAコネクションの重要なひとりと目されていました。その楽曲もいぶし銀的なシブさがあり、恐らくは商業的な成功とは無縁と思われますが、特にこのデビューアルバムはロックファンにとっては必聴盤ではないでしょうか。 テネシー州出身のリタは、デビュー前はメンフィスで姉のプ

The Doors「L.A. Woman」(1971)

ドアーズをご存じでしょうか? この偉大なるバンドをご存知ない方も多いのではないでしょうか? 1960年代後半を中心に活躍したバンドで、ヴォーカルのジム・モリスンの文学的かつ風刺の効いた詞と、セクシャラスなステージング、ブルースを土台にオルガンを中心に据えた独特の音楽など非常に個性的なバンドでした。 1967年、2枚目のシングル「Light My Fire」が大ヒット。この楽曲の映像をアップしておきますが、ジム・モリスンの目が完全にイッてますね。 どうですか~。怪しいですよね

Donny Hathaway「Live」(1971)

ライヴアルバムの名盤を挙げていくと必ず上位にランクされる名盤。 私の愛読書であるローリングストーン・レコードガイドブックでは、なぜか三ツ星(五ツ星が満点)評価であることが非常に不思議です。 ダニー・ハザウェイについては皆さん、よくご存知とは思いますが、70年代に活躍した黒人アーチストです。このライヴではヴォーカルはもちろん、浮遊感のある彼のキーボード・プレイが聴けます。ダニーの3枚目のアルバム。 メンバーはギターにフィル・アップチャーチ(①~④)、コーネル・デュプリー(⑤

Laura Nyro「Gonna Take a Miracle」(1971)

フィフス・ディメンションが大好きだった私にとって、彼等がよく採り上げていたローラ・ニーロの楽曲はどれもお気に入りの楽曲でした。そういった訳でローラ・ニーロ自身も大好きなアーチストです。 本作はローラ・ニーロの5枚目のアルバムにして、カバーアルバムです。 まず気になったのはプロデューサーがなんとギャンブル&ハフ。フィリー・ソウルの大御所ですね。そして裏ジャケにはラベルが厳つい顔で映ってます。ラベルはパティ・ラベルをリーダーとした黒人女性3人組のコーラスグループですね。 う~ん

Stephen Stills 「Stephen Stills 2」(1971)

今回ご紹介するのはスティーヴン・スティルスの2枚目のソロアルバムです。モンキーズが大好きな私にとって、彼がモンキーズのオーディションを盟友ピーター・トークと共に受け、ピーターが受かり、スティーヴンは歯並びが悪いということで不合格・・・という事実だけでも、スティーヴンに好感を持ってしまいます(笑)。 その後の活動を見れば、結果的には彼はモンキーズなんかに在籍するより、ずっと素晴らしい人生を歩んでますけどね。 スティーヴンはその後、バッファロー・スプリングフィールドを結成。この

Carole King「Music」(1971)

先日アップしたB.J.トーマスの記事の中で、キャロル・キングが提供した楽曲「A Fine Way To Go」が随分ソウルフルであると言及しましたが、その当時、実際にキャロルがソロでどういう音楽をやっていたのかちょっと気になり、彼女の作品を紐解いてみると、1971年に発表された本作「Music」がそれに該当します。 本作はあまりにも有名な「Tapestry」の次作ということもあり、その影に隠れて地味な印象がありますが、実はかなりの名作。そして予想通り、オープニングから実にソ

Marc Benno「Minnows」(1971)

スワンプロックの名盤と称されているマーク・ベノのセカンドアルバム。 うねりの効いた南部系ロックを総称してスワンプロックと呼んでいますが、もともとは60年代後半にデラニー&ボニーやレオン・ラッセル等が広めたもので、これが当時のミュージシャンを虜にし、エリック・クラプトン、ジョージ・ハリスン、ローリング・ストーンズ等が強力なフォロワーとなり、スワンプロックが一種のムーブメントとなりました。 当時のスワンプ系バックミュージシャンとして、Bobby Womack (g)、Jesse

Free「Free Live!」(1971)

ここ数週間はフリーをよく聴いてます。昔、このライヴ盤を聴いたとき、ものすごい物足りなさを感じたものです。当時はディープパープルやZEPを好んで聴いていたので、この音のスカスカな音楽に肩透かしを食らった感じでした。 でも最近、改めてフリーを聴き、この音の空間に非常に緊張感を感じるようになったんです。ジャズのリリシズム、緊張感にも似ているような気がします。 ハードロックはヴォーカルとギターに興味が行きがちですが、ここではベースやドラムもしっかり自己主張しており、4人がとても生き生

Delaney & Bonnie「Motel Shot」(1971)

スワンプ・ロックの中心的存在だったデラニー&ボニーの5枚目のアルバム。このアルバム、元祖アンプラグド盤と呼んでいいかもしれません。 ツアー中にモーテルのロビーで収録されたと云われているアルバムです。モーテルの中でアンプを通したデカい音など出せる訳もなく、結果的にアコースティックな楽器を手に豪華メンバー、レオン・ラッセルからグラム・パーソンズ、デュアン・オールマンまで参加しております。またクレジットにはないのですが、エリック・クラプトンも参加…と凄いアルバムとなってます。

Jeff Beck Group「Rough and Ready」(1971)

ファンク・グルーヴなジェフ・ベック&コージー・パウエル当時、私のMP3プレイヤーにはイーグルスの新譜や旧譜、ボストン、キャロル・キング等が納められてましたが、そんななかで一番のヘビーローテーションが本作…という時期がありました。 あまり聴き込んでなかったので、かなり黒いサウンドに驚くとともに、憧れのコージー・パウエルの意外な一面が新鮮に聴こえました。 本作は第二期ジェフ・ベック・グループの1作目。何といってもドラムにコージー・パウエルが加入したことが大きい。このジャケットか

Michael Nesmith「Nevada Fighter」(1971)

もはやマイケル・ネスミスといっても、よほどのマニアの方でないとご存知ないかもしれません。 元モンキーズのメンバーで、モンキーズの4人のメンバーの中では、ピーターと共に生粋のミュージシャンだった人物。ちなみにモンキーズとは60年代に活躍した、ビートルズに対抗すべく、アメリカのショービズ界の重鎮等が仕掛けた作られたアイドルバンド。楽曲の殆どは外部の有能なライターによって書かれたもので、どの楽曲もクオリティが高いものなのですが、アルバムの中には数曲、マイクのオリジナルが収録されてま

John Lennon「Imagine」(1971)

レココレ2008年9月号の「ビートルズ/ソロの時代の50曲」特集でも堂々の第1位がジョンの「イマジン」でした。 ポール好きの私にとっては、ジョンのアルバムはあまりにも無縁過ぎました。でもこうしてジョンの作品がポール以上にクローズアップされてくると、気になってしまうものです。 この作品はこのレココレが発売されていた当時、近所のCDショップでジャケ無乍らもリマスター盤が50円で売られているのを偶然発見し、速攻で購入したもの。サブスクがない時代、こうしたバーゲンセールは貴重な音楽発

John Simon「John Simon's Album」(1971)

ジョン・サイモン。今や知る人ぞ知るって感じのアーチスト、プロデューサーとなってしまいました。 当時はザ・バンドの初期2枚のプロデュースや、ジャニス・ジョップリン、もっと遡ればサイモン&ガーファンクルなんかもプロデュースしている気鋭のプロデューサーでした。 そう、彼はウッドストック・サウンドの重鎮的存在だったのです。その彼が放ったソロアルバムが本作。 内容はといえば、フォーク、スワンプ、ジャズ、ジャグといった土臭い香りがプンプンするシブイ1枚。それから決して上手いとはいえな

Gary Wright「Footprint」(1971)

暑い日が続きます。皆さん、如何お過ごしでしょうか。 今回はチェックしてみたら、意外にも素晴らしい内容だったアルバム(あまりそういうことは少ないのですが)をご紹介します。 ゲイリー・ライト…、このアーチストについて、多くの方は「夢織り人」のヒット曲を連想されると思います。ゲイリー・ライトはキーボーディストですから、この大ヒット曲もエレピが印象的なメロウでスペーシーなバラードでした。私の好奇心もここで止まっており、ゲイリー=興味なし…という固定観念がありました。 ですから彼がジ