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音楽の杜がおススメする70年代洋楽

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人生の大半を音楽に注いできた「音楽の杜」がおススメする洋楽アルバム集
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2024年2月の記事一覧

Carole King「Music」(1971)

先日アップしたB.J.トーマスの記事の中で、キャロル・キングが提供した楽曲「A Fine Way To Go」が随分ソウルフルであると言及しましたが、その当時、実際にキャロルがソロでどういう音楽をやっていたのかちょっと気になり、彼女の作品を紐解いてみると、1971年に発表された本作「Music」がそれに該当します。 本作はあまりにも有名な「Tapestry」の次作ということもあり、その影に隠れて地味な印象がありますが、実はかなりの名作。そして予想通り、オープニングから実にソ

B.J. Thomas「Billy Joe Thomas」(1972)

レコード・コレクターズは後になって貴重な資料となり得ることが多いですね。特集されるアーチストは表紙や背表紙に記載がありますが、実はここに記載がなく、小さく扱われていた記事の中にも、貴重なものが紛れていたりします。今回ご紹介するアルバムは、そういった小さなインタビュー記事に制作経緯が書かれていたものでした。答えていた方は本作のプロデューサーのスティーヴ・タイレル。記事は2006年4月号に掲載されてます。スティーヴ・タイレルという方、日本ではどれだけの方が認識されているでしょうか

Paul McCartney & Wings「Venus And Mars」(1975)

ポール・マッカートニーが大好きですが、特にウィングス時代の「Wings Over America」の頃、1976年3~5月のライヴの頃が大好きで、YouTubeにもその時代の映像がアップされてますね。 この頃、ようやく本来のポールの力量が発揮された名盤「Band on the Run」の次に発表されたのが本作です。当時のライヴでも、本作から多くの曲が演奏されてます。 個人的には本作はポールのソロ作で初めて購入したアルバムでした。 当時、とにかく①「Venus and Mar

Andrew Gold「What's Wrong With This Picture?」(1976)

素敵なポップスのセンスを持つアンドリュー・ゴールド。私が彼の名前を知ったのは、カーラ・ボノフ繋がりでブリンドルまで遡ったとき。もちろんアンドリュー・ゴールドのことは何となく知っていたのですが、カーラとバンドを組んでいたとは、全く知らず…。リンダ・ロンシュタットといい、この辺りの方々の絆というのは、想像以上に深いものがありますね。 本作はアンドリュー・ゴールドのセカンドソロ。もちろん彼の代表曲「Lonely Boy」が収録されている名盤ですね。それからジャケに32か所の間違い

Rod Stewart「A Night on the Town」(1976)

本作発表の前年、ロッド・スチュアートはワーナー移籍第一弾のアルバムとなる不朽の名作「Atlantic Crossing」を発表。プロデューサーにトム・ダウド、レコーディングにはマッスル・ショールズ・サウンドを使い、サザンソウルへ傾倒していきます。 そして本作は引き続きプロデューサーにトム・ダウド、レコーディングにマッスル・ショールズだけでなく、ハリウッドのチェロキー・レコーディング・スタジオも使用。その関係でジョー・ウォルッシュやデイヴィッド・フォスター、アンディ・ニューマー

Boston「Don't Look Back」(1978)

鬼才トム・ショルツの才能が炸裂したボストンのセカンドアルバム コロナ禍よりずっと前、2007年11月、たまに顔を出していた洋楽カラオケバーに行き、ボストン熱が復活。当時何回もボストンを聴きかえしておりました。 あのポラロイド社に勤めながら自らの電子工学の知識を用いて素晴らしいギターサウンドを創造し、デモテープまで作ってしまったトム・ショルツ。ボストンは彼自身のバンドといっていいでしょう。スティーリーダンが実質ドナルド・フェイゲンとウォルター・ベッカーのユニットであるのと同