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音楽の杜がおススメする70年代洋楽

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人生の大半を音楽に注いできた「音楽の杜」がおススメする洋楽アルバム集
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2023年10月の記事一覧

Santana「Abraxas」(1970)

今回は今までほとんど語って来なかったバンド、サンタナのアルバム のご紹介です。音の複雑なアンサンブルが堪能できる彼等のセカンドアルバム。また彼等にとってはセカンドにして、初の全米No.1を獲得したアルバムです。邦題「天の守護神」。 ジャケット、実に華やかです。 そしてこのセカンドアルバムにはまだジャーニーの二ール・ショーンは参加しておりません(後にジャーニーを共に結成することなるグレッグ・ローリーは既に参加しております)。ギターはカルロス・サンタナひとり。そしてここにはフリ

Laura Nyro「Gonna Take a Miracle」(1971)

フィフス・ディメンションが大好きだった私にとって、彼等がよく採り上げていたローラ・ニーロの楽曲はどれもお気に入りの楽曲でした。そういった訳でローラ・ニーロ自身も大好きなアーチストです。 本作はローラ・ニーロの5枚目のアルバムにして、カバーアルバムです。 まず気になったのはプロデューサーがなんとギャンブル&ハフ。フィリー・ソウルの大御所ですね。そして裏ジャケにはラベルが厳つい顔で映ってます。ラベルはパティ・ラベルをリーダーとした黒人女性3人組のコーラスグループですね。 う~ん

John Simon「John Simon's Album」(1971)

ジョン・サイモン。今や知る人ぞ知るって感じのアーチスト、プロデューサーとなってしまいました。 当時はザ・バンドの初期2枚のプロデュースや、ジャニス・ジョップリン、もっと遡ればサイモン&ガーファンクルなんかもプロデュースしている気鋭のプロデューサーでした。 そう、彼はウッドストック・サウンドの重鎮的存在だったのです。その彼が放ったソロアルバムが本作。 内容はといえば、フォーク、スワンプ、ジャズ、ジャグといった土臭い香りがプンプンするシブイ1枚。それから決して上手いとはいえな

Stephen Stills「Manassas」(1972)

唐突ですが強力なアルバムのご紹介です。当時CS&Nのリーダー格として知られるスティーヴン・スティルスも、ソロアルバムとしてはニール・ヤング等に先を越された感があったのですが、ようやくスゴイアルバムを発表しました。 この1972年当時のアメリカで流行っていた音楽、スワンプをベースに、サザンロック、カントリー、ラテン風味を効かせた素晴らしい楽曲が収められており、当時LP2枚組というボリュームに、それぞれA面「The Raven」、B面「The Wilderness」、C面「Con

Kenny Rankin「Like a Seed」(1972)

朝方は寒くなってきましたが、日中は心地よい日が続いてますね。 そういった心地いい日はこのアルバムを聴きたくなります。それは3曲目の「Peaceful」を聴くためなんですが…。 題名の通り、穏やかな気持ちにさせる曲。このPeacefulなムードが全体を貫いてます。本作はケニー・ランキンの3枚目のアルバムです。名盤!!! 実はケニー・ランキンは相当長いキャリアを持つアーチストです。 レコードデビューはなんと1957年! 当時はデッカに所属するも全くヒットに恵まれず、不遇の時代を

Raspberries「Starting Over」(1974)

ラズベリーズは私の大好きなバンドの一つです。エリック・カルメンが率いたバンドで、ビートルズ・ビーチボーイズが好きなポップスファン、またフーなどが好きなハードロックファンなら絶対に気に入って頂けると思います。 本作は1974年発表。ラズベリーズの4枚目にしてラストアルバムです。本作ではベースがスコット・マッカール、ドラムがマイク・マクブライドに替わったものの、ラズベリーズの持ち味は全く変わっておりません。 ラズベリーズは1971年にデビューし、4枚の素晴らしいアルバムを残し

Kenny Rankin「Silver Morning」(1974)

秋らしい気持ちの良い天気が続いてますが、こういう日はケニー・ランキンの音楽がピッタリ。日本ではケニー・ランキンをご存じない方が多いのではないでしょうか。ボサノバの父と呼ばれているジョアン・ジルベルトが称賛していたというケニー、彼の音楽はフォーキーでありながらも、かなりボサノバに近いサウンドで、カバー曲も原曲を大胆にアレンジしてしまう名手でもありました。 そのケニー・ランキンの代表作といえば、1974年発表の4枚目のアルバム「Silver Morning」。前作「Like A

Barry Mann「Survivor」(1975)

アメリカンポップスの大御所の珠玉のメロディー集 ポップスファンには御馴染み、バリー・マン。60年代から活躍している素晴らしいソングライター。山下達郎氏も最も好きな作曲家としてバリーの名を挙げてます。 彼が書いた珠玉の名曲・・・、アニマルズの「朝日のない街」、ポール・リヴィアとレイダーズの「キックス」、ライチャス・ブラザーズの「ふられた気持ち」、モンキーズの「灰色の影」。素晴らしきポップスですね。 70年代にはB.J.トーマスが彼の曲を好んで採り上げてました。80年代にはセル

Frank Weber「As The Time Flies」(1978)

もう1人のピアノマン、フランク・ウェーバーのデビューアルバム 堪らなく大好きなフランク・ウェーバー。殆ど知る人も少ないと思いますが、私は彼のセカンドアルバムである「Frank Weber」が大好きで、よく聴いてました。 本作はそのフランクのデビューアルバムです。永らく入手困難で困っていたのですが、2007年11月に紙ジャケ化されたのを機に、購入しました。 まず驚いたのが、その豪華な参加ミュージシャンの面子です。リチャード・ティー(Key)にスティーヴ・ガッド(Ds)のスタ