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音楽の杜がおススメする70年代洋楽

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人生の大半を音楽に注いできた「音楽の杜」がおススメする洋楽アルバム集
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2023年8月の記事一覧

Elvis Presley「On Stage」(1970)

60年代、エルビス・プレスリーは軍隊を除隊後、活動の中心を映画に移していきますが、1968年12月に「カムバック・スペシャル」と題されたTVショーに出演し、再び音楽活動に力を入れ始め、1969年1月には伝説のメンフィスセッションを行います。 個人的にはスワンプ音楽が世間一般的に拡まったのはエルビスのお陰と思ってますが、このメンフィス・セッションは実に味わい深いスワンピーな音楽が堪能出来ます。ロカビリーのエルビスには興味がなくとも、私がこの頃のエルビスに興味があるのは、ソウルフ

Delaney & Bonnie & Friends「On Tour With Eric Clapton」(1970)

スワンプロックの中心的存在であったデラニー&ボニー。今から考えると彼等の周りにはスゴイ面子が集まっていたんですね。エリック・クラプトン、デイヴ・メイスン、ジム・ゴードン、リオン・ラッセル、ジム・ケルトナー、ジョージ・ハリスン、カール・レイドル等。 そんな彼等のステージの熱気を記録した本作。1969年12月のイギリス公演の模様を収めたものです。 このライヴのメンバーは以下の通りです。 Delaney Bramlett (Vo,G) Bonnie Bramlett (Vo)

Pages「Pages」(1978)

今回は直球のAOR、ペイジスです! ペイジスといえば3作目のアルバム「Pages」が有名ですが、今回ご紹介するファーストも実に味わい深い。実は私、長らく本作をスルーしていたのですが、ちょっと気になってチェックしてみたら、これが実にいいのです。セカンド、サードと較べて、ちょっとフュージョン・テイストが増している印象ですね。 サードアルバムでは完全にリチャード・ペイジとスティーヴ・ジョージのユニットになってしまいましたが、デビュー当時は完全なバンドでした。あ、ちなみにペイジスの

The Band 「Moondog Matinee」 (1973)

ザ・バンドは1968年のデビューアルバム「Music From Big Pink」発表以来、一貫してアメリカのルーツミュージックを追及する姿勢を崩さず、ミュージシャンズ・ミュージシャンとして、玄人受けするような音楽を演奏し続けてきました。そんな彼らが、過去の影響を受けた楽曲をカバーしたのが本作。 本作は、1972年、ずっとツアーに明け暮れていた彼らが、年が明けた1973年に断続的に収録してきたもので、同年11月に、彼らの5枚目のスタジオ作品として発表。如何にも彼等らしい、マ

Azymuth 「Azymuth」 (1975)

あまりにも暑いので、少しクールダウン…と思い、今日はフュージョンをセレクトしました。アジムスをご存じない方も多いと思いますが、以前放送していたNHK-FM「クロスオーバーイレブン」の主題歌「Fly Over The Horizon」をご存じの方は結構いらっしゃるのではないでしょうか。その主題歌を演奏していたのがアジムス。ブラジルのフュージョン・バンドです。本作は彼らの1975年のデビューアルバム。 アジムスは1971年(Wikiには60年代後半とありますが、本作ライナーノー

The Band「Northern Lights-Southern Cross」 (1975)

ロビー・ロバートソンが亡くなられました。彼が率いたザ・バンドは素晴らしいグループでした。昔、音楽にうるさい(理論的なことを追求するタイプ)上司が、ザ・バンドだけはベタ誉めでした。私もザ・バンドの良さに気付いたのはずっと後のことでしたが…。 ザ・バンドはファーストアルバムがあまりにも有名ですね。ルーツ・オブ・アメリカを純粋に追求し、無骨なまでにその意思を貫いたグループですが、ファーストアルバムと共に1975年に発表された本作も、素晴らしい1枚。 根っからのザ・バンド好きには本

Hall & Oates「Bigger Than Both of Us」(1976)

ホール&オーツというとエイティーズ世代の私にとっては、「Kiss On My List」等の、ポップス然とした楽曲がすぐに思い浮かぶのですが、70年代のホール&オーツはまた別の顔を見せていた、とても魅力的な時期でもあります。 この1976年に発表されたアルバム、邦題は「ロックン・ソウル」と付けられていますが、その邦題の通り、実にフィリーソウル感覚に溢れた素晴らしい仕上がりになっております。 まだまだ暑さも厳しいですが、このアルバム、特にトップの①「Back Togethe

Randy Meisner「Randy Meisner」(1978)

元イーグルスのランディ・マイズナーの訃報に接し、追悼する意味で本作を拝聴。ランディのソロは、私が洋楽を聴き始めた頃に発表されたサードアルバム「Randy Meisner」(ランディの声がスティーヴ・ペリーにそっくり)しか聴いておらず、このファーストは未聴だったのですが、こちらが想像以上に素晴らしい内容でしたので、ご紹介致します。 ランディのイーグルス脱退経緯は、グレン・フライとドン・ヘンリーの横暴に辟易したとか、「Take It To The Limit」ばかり歌わせること