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音楽の杜がおススメする70年代洋楽

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人生の大半を音楽に注いできた「音楽の杜」がおススメする洋楽アルバム集
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2023年7月の記事一覧

Gary Wright「Footprint」(1971)

暑い日が続きます。皆さん、如何お過ごしでしょうか。 今回はチェックしてみたら、意外にも素晴らしい内容だったアルバム(あまりそういうことは少ないのですが)をご紹介します。 ゲイリー・ライト…、このアーチストについて、多くの方は「夢織り人」のヒット曲を連想されると思います。ゲイリー・ライトはキーボーディストですから、この大ヒット曲もエレピが印象的なメロウでスペーシーなバラードでした。私の好奇心もここで止まっており、ゲイリー=興味なし…という固定観念がありました。 ですから彼がジ

Colin Blunstone「One Year」(1971)

ゾンビーズの「Odessey and Oracle」の素晴らしさに気付き、そして必然と本作に行きついたのはもう20年近く前のこと。 発表から30年以上経っていた当時でも、どの推奨コメントにも「一人で聞きたくなるアルバム」とあるし、ピチカートファイブの小西氏もライナーノーツのなかで「なるべく独りで聴くことをお勧めする」とありましたが、一聴して納得。ビートルズの「イエスタディ」のように、バックが四重奏のみの曲もあり、非常に美しいアルバム。密かな名盤と感じました。 ①「She L

Steely Dan「Can't Buy a Thrill」(1972)

カーラ・ボノフが9月に来日すると思ったら、意外にも達郎さんの9月6日、NHKホール、当選致しました。実は過去に何回か抽選に応募していましたが、今回が初当選&初参戦。ご存じのように達郎さんのご発言が大きな波紋を拡げており、私自身もサンソンを聴いて暫くは複雑な心境でした。ただこの当選の報に接し、やっぱり私は達郎さんの音楽を生で聴いてみたいし、彼の音楽(特に「ARTISAN」まで)が大好きであることに変わりはなく、いつもと変わりなく聴き続けていくと思います。 さて、同じ職人気質の

The Temptations 「All Directions」 (1972)

CD全盛期の頃、名盤が1,000円で発売されていたシリーズがあり、結構充実しておりました。なかでもビル・エバンスの「パリ・コンサート」とテンプテーションズの「オール・ディレクションズ」は良かったですね。いい時代になったものだ…と思ったものです(今ではサブスクでもっと簡易に名盤が聞けますが)。 さてテンプスの「オール・ディレクションズ」ですが、サイケデリック・ファンクの名曲③「Papa Was A Rolling Stone」を収録していることでも有名な名盤ですね。そしてプロ

The Rascals「The Island of Real」(1972)

ここ最近、ラスカルズのラストアルバム「The Island of Real」が超名盤じゃないかなあと思い始めてます。昔は聴くのも嫌だったアルバムだったんですが(苦笑)。 ラスカルズは初期のR&B路線から徐々に音楽的変化を遂げ、70年代に入り、メンバーだったエディ・ブリガッティ、ジーン・コーニッシュが脱退。フェリックス・キャヴァリエとディノ・ダネリの2人となったラスカルズは、バジー・フェイトン(G)、ロバート・ポップウェル(B)、女性コーラスにアニー・サットンとモリー・ホルト

Linda Ronstadt「Don't Cry Now」(1973)

またまたカントリーロックを聴きだしてます。そもそもモンキーズから洋楽を聴き始めた私は、メンバーであるマイク・ネスミスが大好きで、彼が70年代初頭に初頭に発表したカントリーロック系のソロアルバムや、モンキーズ時代のマイクの作品(当然カントリースタイル)が中学時代からお気に入りでした。ですからカントリーロックとの付き合いは結構永いものになってます。 そのマイク・ネスミスの作品である「Different Drum」を1967年にヒットさせたのが、デビュー当時のリンダ・ロンシュタッ

Bob James「Touchdown」(1978)

ここしばらく蒸し暑い日が続いてましたが、今日の朝はすこしだけクールダウン…。ちょっとだけ気持ちよい朝です。 そんな清々しい気持ちを代弁してくれるような1枚。クロスオーバーミュージックの立役者、ボブ・ジェームスの1978年発表の代表作。 1977年、ボブは自身のレーベル、Tappan Zeeを設立。以降フュージョン業界そのものの牽引者として大活躍していくのですが、本作はその自身のレーベルからの2枚目のアルバムということもあり、非常に丁寧な作りこみがなされております。 名曲①