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音楽の杜がおススメする70年代洋楽

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人生の大半を音楽に注いできた「音楽の杜」がおススメする洋楽アルバム集
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2023年3月の記事一覧

Simon & Garfunkel「Bridge over Troubled Water」(1970)

あまりにも有名な「明日に架ける橋」。このシングルと同名タイトルのアルバム、両方とも1970年の年間ビルボードNo.1という前人未到の記録を達成しております。それくらいビッグヒットした歴史的名盤なわけでございます。 但しこのアルバム、当時アートが俳優業に忙しかったことから彼が全ての曲に関わっている訳ではなく、昔からのS&Gファンにとっては、S&Gとしてのアルバムではないとするご意見もあるようです。 もちろんこのアルバム、トップの①「Bridge Over Troubled

Donny Hathaway「Live」(1971)

ライヴアルバムの名盤を挙げていくと必ず上位にランクされる名盤。 私の愛読書であるローリングストーン・レコードガイドブックでは、なぜか三ツ星(五ツ星が満点)評価であることが非常に不思議です。 ダニー・ハザウェイについては皆さん、よくご存知とは思いますが、70年代に活躍した黒人アーチストです。このライヴではヴォーカルはもちろん、浮遊感のある彼のキーボード・プレイが聴けます。ダニーの3枚目のアルバム。 メンバーはギターにフィル・アップチャーチ(①~④)、コーネル・デュプリー(⑤

Carole King「Tapestry」(1971)

コロナ禍、皆さん、身も心も疲労感・徒労感に襲われた2,3年だったのではないでしょうか? このキャロル・キングのアルバムはベトナム戦争に追われた60年代後半以降、アメリカ人の心を癒すかのようなタイミングで発表されました。時代は繰り返す・・・。今、まさに必要とされているアルバムかもしれません。 「つづれおり」=内省的で寂寥感漂うアルバムというイメージがあるかもしれません。そういったイメージでこのアルバムを聴くと、①「I Feel the Earth Move」のR&B的なノリに

Neil Sedaka「Solitaire」(1972)

唐突ですがニール・セダカはお好きですか? 多分、殆どの方はロカビリーブームに登場したアイドル歌手程度のご認識でスルーされているのではないでしょうか? でも60~70年代ポップスが大好きな私にとっては、ニール・セダカって神様的存在。モンキーズにも素晴らしい楽曲を提供しておりました。自身もシンガーとして売り出された一方で、優れた楽曲提供もしていったキャリアはキャロル・キングと一緒ですね。実はニールとキャロルは幼馴染。そしてキャロルも同様にモンキーズへの楽曲提供しておりました。

Bobby Charles 「Bobby Charles」 (1972)

犬好きには堪らないジャケットです。ボビーが池のほとりで愛犬とじゃれてる日常の風景。池に反射した姿もアングル的に素晴らしい。要するにここでの音楽は飾りっ気なしの、とても土臭い、アーシーなサウンド。ジャケット通りの音楽が拡がってます。 ボビー・チャールズって日本では知名度低いかもしれません。ビル・ヘイリーがヒットさせた「See You Later Alligator」の作者といった方がいいかもしれません。フィフティーズ・ロックンロールのライターだった訳ですが、本作でのサウンドは

Gene Clark「Roadmaster」(1973)

ジーン・クラークをご存じでしょうか。あのザ・バーズの中心的メンバーでありながら、2枚のアルバムに参加しただけで脱退。ライブではタンバリンを叩いてた男。でも実際は優れたソングライターでもありました。 ジーン・クラークのソロというと1971年発表の「Gene Clark」、通称「ホワイト・ライト」とも呼ばれているアルバムが有名ですね。 このアルバムの評価に気をよくしたジーンは翌年から次作に向けたレコ―ディングを開始するのですが、その制作に時間がかかり、コストが嵩んできたことから

The Doobie Brothers 「The Captain And Me」 (1973)

いよいよ来月、ドゥービー・ブラザーズが来日します。しかも今回はトム・ジョンストン、パット・シモンズ、マイケル・マクドナルドと主要メンバーが揃った来日。結局東京は1日だけ(日本武道館)のようですが、もちろん参戦致します!! ということで今回ご紹介するのはドゥービー・ブラザーズの3作目。何と言っても彼らの代名詞的な2曲、「Long Train Runnin'」と「China Grove」を収録していることから、本作が初期の彼らの最高傑作とする方々も多いと思われます。特にこの頃の

Orleans「Waking And Dreaming」(1976)

昨日は春らしい1日でしたね。こういう時は爽やかなコーラスワークが聴きたいものです。チョイスしたのはオーリアンズ。オーリアンズはセカンドの「Orleans II」、やサードの「Let There Be Music」が有名ですが、この4枚目の作品もなかなかいいですね。 本作より、ドラムにジェリー・マロッタ(リック・マロッタの実弟)を迎えて、ウェルズ・ケリーとのツイン・ドラムの形態となります。これはマルチ・プレイヤーのウェルズの活動の幅を広げるためでもあったのですが、ツインドラム

Valerie Carter「Wild Child」(1978)

AORの名盤って、男性アーチストが多いと思いませんか? リッキー・リー・ジョーンズもカーラ・ボノフもリンダ・ロンシュタットも直球のAORとはちょっと違いますね(AORの定義にもよりますが^^)。強いて言えばローレン・ウッドやキャロル・ベイヤー・セイガーでしょうか?? そして本作の主人公、ヴァレリー・カーター。ジェームス・テイラーのバックコーラス等で有名な彼女。コレ、ジャケのインパクトが強いので、長らく聴かず嫌いだったのですが、今ではすっかり愛聴盤になってます。AOR名盤に常に

Bobby Caldwell「Bobby Caldwell」(1978)

私の敬愛するボビー・コールドウェルが亡くなられました。残念ですね。AORという音楽を教えてくれたのもボビーでした…、R.I.P. 本作はご存知ミスターAORのデビューアルバムにして、不朽の名盤。今更ながら紹介するのが恥ずかしくなるくらいの定番アイテムです。 学生時代は1989年発表の自身のカバーアルバム「Heart Of Mine」と本作の2枚をよく聴いてましたね。 この典型的なAORアルバムは、1978年発表当時、ボビーの顔が明かされず、歌っているのが黒人ではないか?と