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音楽の杜がおススメする70年代洋楽

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人生の大半を音楽に注いできた「音楽の杜」がおススメする洋楽アルバム集
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2023年2月の記事一覧

Grand Funk Railroad 「Closer to Home」 (1970)

アメリカの元祖ハードロックバンドといえばグランド・ファンク・レイルロード(GFR)でしょう。 3人組で荒々しい演奏スタイルのGFRは、私の好みとは違っていたので、私の中ではスルーされていたバンドですが、改めて聴いてみると、特にベースの迫力が凄いことに驚かされました。「アメリカン・バンド」がヒットした頃のスタイルよりは、やはり初期のGFRがカッコいい。実は初期のアルバムはあまり良くないのでは・・・といった先入観から、あまり聴いてなかったのですが、いいですね~。特に本作は地味な

The Rascals「Search and Nearness」(1971)

先週のサンソンの特集はディノ・ダネリでした。 ディノ・ダネリとは昨年12月に亡くなられたラスカルズのドラマーだった方で、ラスカルズは山下達郎氏は溺愛してきたバンドですね。 ディノ・ダネリの追悼特集はサンソンくらいしかやらなだろうなあと思いつつ聴いていたのですが、ディノを中心に選曲されたラスカルズも結構いいんですよね。特に今回ご紹介するアルバムからは2曲オンエアされたのですが、その曲がいい!正直、私はこのアルバム、全く存在すらスルーしておりました(苦笑)。皆さんはこのアルバム

Jackson Browne「Jackson Browne」(1972)

古くて新しいもの、そんな言葉がぴったりのジャクソン・ブラウンのデビューアルバム。当時、時代を切り開いて行こうとしていたアサイラム系のミュージシャンの連帯感を感じさせるアルバムです。 本人たちにはそんな意識はなかったのかもしれませんが、70年代初頭の、ベトナム戦争の厭世感漂うなかで、光を見出そうとしていたアサイラム系ミュージシャン。そんなミュージシャンの筆頭格がジャクソン・ブラウンでした。 デビュー前、ジャクソン・ブラウンはネッド・ドヒニー等と何度かデモ・テープを制作し、デビ

Free「Heartbreaker」(1973)

このアルバムには名ベーシスト、アンディ・フレイザーは参加していません。 1971年にフリーは一旦解散。その後、紆余曲折を経て、同年再結成を果たし、1972年5月にアルバム「フリー・アット・ラスト」を発表します。しかしメンバー間の確執がひどく、アンディ・フレイザーとポール・コソフが脱退。再び空中分解してしまいます。 その後ポール・ロジャース、サイモン・カークは以前から交流のあった山内テツ(B)、ジョン”ラビット”バンドリック(Key)に声をかけ、そして8月には再びコソフが合流

Deep Purple 「Stormbringer」 (1974)

第3期ディープ・パープル、特に新加入したデイヴィッド・カヴァデールとグレン・ヒューズが活躍(暗躍??)し出す本作については賛否両論ありますね。やっぱりリッチーが本作を「最低!」と評したことでもお分かりの通り、特にリッチーも含めて第2期を愛するファンにとっては、この作品、最初聴いたときは違和感だらけだったのかもしれません。実は私も最初はそういった印象だったのですが、じっくり聴いた今ではいろいろな発見をしております。 邦題、嵐の使者の通りのジャケットが素晴らしい。パープルにとっ

Bill Labounty「This Night Won't Last Forever」(1978)

ビル・ラバウンティ…、もうご存じの方も少なくなったかもしれません。 1990年、彼の代表曲でもある「This Night Won't Last Forever」が、突然フジテレビのトレンディドラマ「すてきな片思い」(主演:中山美穂)に使われたことから、このアルバムは一般層にまで普及してしまい、そのブームが過ぎ去ってしまうと共に、本作は中古市場へ出回ることとなってしまいました。当時、ブックオフの安売りコーナーには本作が出回ってましたね。 その内容の素晴らしさとは関係なく値崩れを

Marc Benno「Lost in Austin」(1979)

今回は知る人ぞ知るマーク・ベノです。スワンプ好きの方ならよくご存じとは思いますが、一般的には知られていないですよね。また仮にご存じであったとしても、彼のセカンド「Minnows」くらいしか認識されていないのではないでしょうか。 なのでこのアルバムを知っている方はよほどのマニアの方と思われます。1979年という時代にあっても、ディスコサウンドとは全く無縁(笑)、流行に左右されていないサウンド(よって全く売れていないんですが…)。しかもバックはエリック・クラプトン・バンド…と聞け

Styx「Cornerstone」(1979)

産業ロックはお嫌いですか? 負のイメージすらある呼び方だし、私自身はこの音楽の括り方には非常に違和感を覚えるのですが、ここで括られているであろう音楽は大好きです。なんといってもリアルタイムに熱心に聴いていたもので…。 今回登場するスティクスはその産業ロックの代表的なバンドのひとつで、賛否両論ある「Mr.Roboto」なんかは酒の肴には打ってつけの題材ともなり得る(笑)楽曲ですね。個人的にはその作品以降のスティクスには全く興味がないのですが、それより前、1981年発表の「Pa