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音楽の杜がおススメする70年代洋楽

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人生の大半を音楽に注いできた「音楽の杜」がおススメする洋楽アルバム集
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2022年8月の記事一覧

Deep Purple「Deep Purple in Rock」(1970)

世紀の名盤! 私が所有している「In Rock」は25th Anniversary Edition盤ですが、とにかく音が鳥肌が立つくらいの臨場感で、当時のサイケ感覚溢れるハードロックが堪能できます。 また例によってアマゾンではこのアルバムを★一つ評価としている方がいらっしゃいますね。 >どの曲もまだ未完成なのに、とりあえず録音してしまったという印象・・・ 人の評価なんて十人十色ということを改めて認識させられました。 本作発表前のパープルはジョン・ロード(Key)主導の時期

Christie「Yellow River」(1970)

70年代のポップスって非常に魅力的な楽曲が多いですね。エジソン・ライト・ハウスの「恋のほのお」、ジグソー「スカイハイ」、パイロット「マジック」・・・。そして今日ご紹介するクリスティーも「イエローリバー」もポップスファンにはマストアイテムです。 私はこの曲がヒットした10数年後、その覚えやすいメロディとちょっとカントリータッチな作風に惹かれ、すぐにシングル盤を購入してしまいました。 このジャケット、懐かしい~。恐らく実家に眠っていることでしょう。やっぱりジャケットのメンバー

Humble Pie 「Rockin' The Fillmore」 (1971)

今回はハンブル・パイの熱いライヴアルバムです。1971年発表。 本作が収録されたフィルモアとは、サンフランシスコにあったライブハウスのこと。60年代の音楽シーンでは、たびたび登場してきた有名なライブハウスですね。プロモーターのビル・グラハムが、自身がプロモートするバンドを登場させたことに端を発し、その後相次いで有名ミュージシャンがここでライヴを行います。 ここで収録されたライヴ・アルバムも実は結構あったりします。オールマン・ブラザーズ・バンド、クリーム、マイク・ブルームフィー

Boz Scaggs「Moments」(1971)

ボズ・スキャッグスが60年代後半に高校・大学の同級生だったスティーヴ・ミラーのバンドに在籍していたことは有名な話。そしてボズは同バンド脱退後、1969年にソロデビューを果たします(ボズは1966年にスウェーデンのレコード会社からアルバムを1枚発表してますので、こちらはセカンドということですが、ファーストは本国米国では未発売なので、やはりこちらが実質的なファーストということです)。このソロデビューは、ローリンズストーン紙の編集長がアトランティックに口添えしたことが契機となったよ

The Byrds「Farther Along」(1971)

本作発表後から1973年の再結成されたバーズのアルバム「Byrds」発表までの間、バーズは激動の時代に入ります。 1971年6月発表の前作「Byrdmaniax」がメンバーの意向とは別に、プロデューサーのテリー・メルチャーにオーバーワークなアレンジを施されてしまいます。ライブバンドとして実績を積み上げていたメンバーは、もうちょっとバンド・サウンドにしたいとの強い意向により、7月には早くもスタジオに入りし録音。結局本作は前作発表から半年経たずに発表されてます。 プロデュースは

Raspberries「Raspberries」(1972)

ポップスをこよなく愛する私としては絶対に忘れられないバンドがエリック・カルメン率いるラズベリーズ。彼等は4枚のアルバムを発表してます。セカンドアルバム「Fresh」、サードアルバム「Side 3」も素晴らしい内容ですが、このデビューアルバムも非常に魅力的です。 1970年にクリーヴランド(オハイオ)で結成されたラズベリーズは、同年10月16日に初めてのライヴを行い、1971年にデモテープを作成。それがプロデューサーのジミー・イエナーの目に留まり、メジャーデビューに至ります。

Stevie Wonder「Music of My Mind」(1972)

ソウル音楽の歴史を開拓し続ける偉大なるミュージシャンであるスティーヴィー・ワンダー。特に70年代の彼の作品は、ソウルをロック、ジャズ、フュージョン等とクロスオーバーさせる偉大な作品群です。 有名なところでは所謂3部作と称される『トーキング・ブック』(1972)、『インナーヴィジョンズ』(1973)、『ファースト・フィナーレ』(1974)、そしてその後の大作『キー・オブ・ライフ』(1976)が名盤として語られていると思います。 『トーキング・ブック』の衝撃度ゆえに、その前作『

Focus「Focus At The Rainbow」(1973)

皆さんのなかで、どれだけフォーカスというバンドのことをご存知の方がいらっしゃるでしょうか。私自身も、オランダのプログレ・バンドで、意外とロック寄りのカッコいい曲を演奏していた・・・という程度の知識しかなく、なぜか大昔にチラッと聞いたと思われる本作が、かなりイイ作品だったという記憶だけが鮮明に残っていました。 そして今回、聴く機会があり、改めてユニークなバンドだったんだなあと思った次第。 フォーカスは1969年に結成されたオランダのプログレバンド。テイス・ヴァン・レール(Vo

The Who「The Who by Numbers」(1975)

今回はザ・フーを採り上げます。ザ・フーのアルバムというと名盤揃いですが、その中でも7枚目のスタジオ・アルバムの「The Who by Numbers」はかなり地味で、結構スルーされている方も多いのではないでしょうか? 私もその内の一人で、2年以上前のブログ仲間の方の記事で、ようやくその存在を再認識した程度です。ただこのアルバム、やっぱり侮れませんし、ザ・フーのファンのみならず、やはりロック愛好家は耳にすべきアルバムじゃないかなと思ってます。 私の40年近くに亘る愛読書、ロー

Led Zeppelin 「Physical Graffiti」 (1975)

1973年、ZEPとマネージャーのピーター・グラントは、アトランティック・レーベルとの契約が切れたことを受け、新たに自らのレーベル、スワン・ソングを設立します。本来であれば、自らのレーベルからの第一弾はZEPの新作で・・・というのが理想ですが、そんな矢先にベースのジョン・ポール・ジョーンズ(ジョンジー)が脱退を申し出ます。そんなドタバタ劇があったもので、スワン・ソングの第一弾はZEPの作品ではなく、実はあの名作、バッド・カンパニーのデビューアルバムなんですね。 で、ジョンジ

Kalapana 「KalapanaⅡ」 (1976)

かなり暑くなってきました。あまりに暑いので、せめて音楽だけでもクールダウン出来るものを…と思い、今回はカラパナをチョイス。 チョイスしたのカラパナのセカンドアルバム、邦題は「ワイキキの熱い砂」ですね。この邦題は、本作収録の⑧「Black Sand」の邦題でもあります。カラパナって、当時は日本で受け入れられていたのでしょうか。多分、本作発表辺りから、ジワジワと人気が高まっていったのではないでしょうか。 もともとハワイのバンドだったカラパナですが、ファーストのヒットから活動の拠

The Beach Boys 「15 Big Ones」 (1976)

北海道、東北地区の方は雨の方、如何でしょう。 こちら関東は暑い日が続いていたので、大好きなビーチボーイズをよく聞いてます。 そのビーチボーイズ、60年代後半から70年代以降、低迷期に入ってしまいます。それもこれも、リーダーであるブライアン・ウィルソンが「Pet Sounds」~「Smile」の制作過程において精神に支障をきたしてしまい、過食症、そして酒とドラッグに溺れ、ベッドから出られない日々を過ごすこととなってしまったからで、以降は音楽的にはマイク・ラブ、カール・ウィルソン

Cheap Trick「Cheap Trick」(1977)

チープ・トリックが来日します…。すごく気になる…。 ということで今日はチープ・トリックのアルバムをご紹介致します。 かなり地味なイメージのデビューアルバム。でも意外とこのデビューアルバムが好きだという方も結構いらっしゃるかもしれません。明らかにセカンド以降の作風とはちょっと違う、かなりダークでパンキッシュな作風ですね。 チープ・トリックは1973年、バンド・メイトだったリック・ニールセン(G)とトム・ピーターソン(B)が、バーニー・カルロス(Ds)とランディ・ホーガン(V

Rolling Stones「Some Girls」(1978)

70年代のストーンズが結構大好きです。スワンプやカントリーも自らの音楽に昇華してしまう器用さ。60年代のストーンズはブルースをベースとしたロックンロールで、それほどの深みは感じられなかったのですが、70年代のストーンズの音楽には実に深い味わいを感じます。特にデッカ・レコードとの契約終了後に自ら設立したローリング・ストーンズ・レコードから発売された作品はいいですね。 70年代ストーンズ作品のなかでは「Sticky Fingers」や「Exile on Main Street」