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音楽の杜がおススメする70年代洋楽

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人生の大半を音楽に注いできた「音楽の杜」がおススメする洋楽アルバム集
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2022年4月の記事一覧

Colin Blunstone「Ennismore」(1972)

今月発売されたレココレ5月号は創刊40周年記念ということで「60年代のロック・アルバム200」という特集記事が…。2007年、25周年にも同様の企画(当時はベスト100)が掲載されてましたが、この当時と今回のランクインしたアルバムの違いを見るのも面白いですね(そもそもこの企画、かなり賛否両論ありますが…)。 個人的に嬉しかったのがThe Zombies「Odessey and Oracle」が9位にランクインしていたこと。前回は35位でしたので、この15年でソフトロックの名盤

Joni Mitchell「Court And Spark」(1974)

ジョニ・ミッチェルの永遠の名盤本作は70年代、ジョニがフォーキー路線からフュージョン色を強めていった最初の作品と言われてます。 私自身はジョニの作品は1980年のライブアルバム「Shadows and Light」を所有しておりましたが、実はあまり聴き込むこともなく、せいぜいカバー曲で唯一のポップな「Why Do Fools Fall in Love?」を繰り返し聴くくらいでした。ちょっと暗くて、難解、というのが素直な感想でしたね。 そういった印象を持っていたジョニですが、

Bob James 「One」 (1974)

今回は言わずと知れたフュージョン界の大御所、ボブ・ジェームス。彼もデビュー当時(1962年)はバリバリのジャズをやっていたんですが、CTIレコードの創始者でもあるクリード・テイラーで出会い、60年代後半からジョージ・ベンソンやミルト・ジャクソン等のレコーディングに参加。所謂クロスオーバーな音楽の中心人物として活躍。 そして本作…。CTIレーベル時代の経験をベースに満を持して発表されたソロアルバムなんです。タイトルは「ONE」ですが、自身3枚目のアルバム。ただしフュージョンライ

Linda Ronstadt 「Heart Like a Wheel」 (1974)

新年度、最初の日曜日。関東はどんよりとした天気で雨が降るようです。カントリーミュージックでも聴いて、のんびりしたいものです。 ここ最近、リンダ・ロンシュタットの代表作「Heart Like a Wheel」を聴いてますが、リンダの声は心が和みますね。 本作はリンダ5作目となる作品ですが、以前いたキャピタル・レコードから発売されております。サードアルバム「Linda Ronstadt」を最後にキャピタル・レコードからアサイラムへ移籍し、「Don't Cry Now」を発表した

Michael Franks「The Art Of Tea」(1975)

ジャズの香りがたっぷりするAORの先駆け的名盤昼でも夜でも聴けるのがマイケル・フランクスのアルバム。特に「SLEEPING GYPSY」やメジャーデビュー作となる本作がお気に入りです。 極上の演奏に、しなやかなメロディー、下手ウマなマイケルのヴォーカルが素敵です。 ご存知クルセイダーズ等の面々がバックの演奏を務めた名盤。ジョー・サンプル(Key)、ラリー・カールトン(G)、 ジョン・ゲラン(Ds, Per)、ウィルトン・フェルダー(B)、マイケル・ブレッカー(Ts)、デヴィ

Patti Austin「End Of A Rainbow」(1976)

スタッフの心地よい演奏とパティの素晴らしいコラボ! オフィス前のさくら通りの桜も散り、段々暖かくなってきました。 春を感じさせる時期となりましたね。こんな時によく聴いているのがパティ・オースティンのデビューアルバムです。 パティ・オースティンというと1983年の大ヒット曲「Baby Come To Me」のコンテンポラリー系の楽曲が思い起こされますが、実はデビュー当時はかなりフュージョン・ポップス系の、素敵な音楽を聴かせてます。 ジャケットが結構インパクトありますね~。頭

Linda Ronstadt「Hasten Down The Wind」(1976)

お付き合いのあるブロガーさんがリンダ・ロンシュタットを採り上げていたので、改めてこちらもリンダを…と思い、自分のブログをチェックしたところ、私にとっては大事な作品をまだ記事にしていなかったので、早速採り上げることにしました。それが1976年に発表されたリンダ7枚目のアルバム「Hasten Down the Wind」です。 何が大事なのか…。私、カーラ・ボノフが大好きなんですよね。そうです、本作はリンダがカーラの曲を3曲も採り上げたアルバムなんです。カーラが一躍脚光を浴びる

Carpenters「A Kind of Hush」(1976)

4月22日って何の日かご存じでしょうか。A&Mとの契約日ということで「カーペンターズの日」ということらしい。私は数年前にこのことを知りましたが、その日になっても誰も気付かないですよね(苦笑)。こうした商業的な匂いのすることにはついつい胡散臭さを感じてしまうのですが、素直にカーペンターズは大好きです。 昨日は全国的に暑くてお出かけ日和でしたが、こんな日には「A Kind of Hush」のようなきらめくポップスがぴったりですね。 その①「A Kind of Hush」がオー

Eric Clapton 「No Reason To Cry」 (1976)

今回は久しぶりにエリック・クラプトンのアルバムをどうぞ。ちょっと地味なソロ4枚目のアルバム「No Reason To Cry」。 クラプトンのソロアルバムというと、1970年発表のファースト「Eric Clapton」、1974年発表のセカンド「461 Ocean Boulevard」辺りが有名ですが、こちらもいいアルバムです。 本作の最大の特徴は、クラプトンが憧れていたザ・バンドやボブ・ディランとの共演が実現、実にレイドバックした味わい深い作品に仕上がっていることです。クラ

Ben Sidran「The Doctor Is In」(1977)

今回はこの季節、夜に聴くにはぴったりのベン・シドラン。まあ、ベン・シドランなんかを聴き込んでいる方って、よっぽどのマニアでしょうね。私は大好きなアーチストなんですが…。 彼って「ドクター・ジャズ」と呼ばれるほとのジャズの見識の高いミュージシャン。ジャズをベースとした彼の音楽は実に魅力的です。 彼のキャリアの中でもアリスタ時代(1976年~1978年)のアルバムはどれも素晴らしいのです。その中で今回は1977年発表の「The Doctor Is In」をチョイスしました。

AC/DC「Let There Be Rock」(1977)

爽快な朝ですね。ちょっと暑いくらい…。 そんな気分が晴れ渡る中、やっぱりこんなヘッドバンギングなロックを聴きたくなります。 意外と好きなのがAC/DC。彼等がモンスター級のバンドになる前、ブライアン・ジョンソン加入前の素晴らしい作品。それがAC/DCの5枚目のアルバム「Let There Be Rock」。1977年発表。 ZEPの「Rock And Roll」を彷彿させるようなロックンロールナンバーの⑧「A Whole Lotta Rosie」を。 アップしたのはライブバ

Karla Bonoff「Karla Bonoff」(1977)

1969年、ブリンドルというバンドが結成されました。メンバーはリンダ・ロンシュタットとストーン・ポニーズを組んでいたケニー・エドワーズ、そしてアンドリュー・ゴールド、ウェンディ・ウォルドマン、カーラ・ボノフの4人組。 結局シングルを1枚発表したのみでグループは解散。ウェンディがソロ作を発表。続いてアンドリューもソロ作を発表し、ケニーは再びリンダのバックを務めることとなります。特にケニーは皆さんご存知のように、後にリンダの黄金時代を支えた重要人物ですね。 残りのカーラはどうし

Earth Wind & Fire 「I Am」 (1979)

ソウルとAORがクロスオーバーした名作ここ最近、70年代ソウルを愛聴しております。スライ&ザ・ファミリーストーン、テンプテーションズ、スピナーズ・・・。それから忘れてならないのはアース・ウィンド&ファイアー(EW&F)、70年代ソウル・ファンクを語る上では欠かせないグループですね。そして私は大のAOR好きですので、なおさらEW&Fは欠かせません。 本作は1979年の作品ですが、ソウルとAORがクロスオーバーした名作。邦題「黙示録」。 モーリス・ホワイトを中心に1970年に結