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音楽の杜がおススメする70年代洋楽

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人生の大半を音楽に注いできた「音楽の杜」がおススメする洋楽アルバム集
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2021年4月の記事一覧

The Doors「L.A. Woman」(1971)

ドアーズをご存じでしょうか? この偉大なるバンドをご存知ない方も多いのではないでしょうか? 1960年代後半を中心に活躍したバンドで、ヴォーカルのジム・モリスンの文学的かつ風刺の効いた詞と、セクシャラスなステージング、ブルースを土台にオルガンを中心に据えた独特の音楽など非常に個性的なバンドでした。 1967年、2枚目のシングル「Light My Fire」が大ヒット。この楽曲の映像をアップしておきますが、ジム・モリスンの目が完全にイッてますね。 どうですか~。怪しいですよね

Marvin Gaye「What's Going On」(1971)

もう10年以上前の話ですが、仕事の関係で日本ではチョッパーベーシストの草分け的存在のFさんとお会いした際に、興味深いお話を聞かせて頂きました。彼が尊敬するアーチストはジェームス・ジェマーソン。当時の私は正直あまり認識しているベーシストではありませんでした。ところがジェームス・ジェマーソン、モータウン界の重鎮的ベーシストなんですよね。 日本での指折りのベーシストの名手曰く、「彼のグルーヴ感は真似できない」と。また私は「モータウン・ミステリー」については全く知識がなく、迂闊にキ

Grand Funk「We're an American Band」(1973)

当時、大学のバンドサークルに、ジェリーさんという凄腕外人ドラマーが居りました。入学早々彼の演奏に圧倒されてしまった記憶が鮮明に残ってます。ただ彼の演奏は1曲しか記憶に残っていません。もしかしたら、私が入部した直後に彼はサークルを辞めてしまっていたのかもしれません。 その記憶に残っている彼の演奏がグランドファンクの「We're an American Band」でした。彼のドラミングもさることながら、ドラムを叩きながらの野太いヴォーカルに圧倒されたのかもしれません。 そしてそ

Jackson Browne「For Everyman」(1973)

アサイラム・レコードとジャクソン・ブラウン。皆さん、ご存知のように、この両者は切っても切り離せない関係にありますね(アサイラムというかデヴィッド・ゲフィンといっていいでしょう)。 そしてジャクソン・ブラウンの初期3部作「Jackson Browne」「For Everyman」「Late For The Sky」がアサイラム勃興の一躍を担ったことは間違いありません。 セカンドアルバムである「For Everyman」は、この3枚のなかの立ち位置で言えば、ちょっと地味な印象かも

Howdy Moon「Howdy Moon」(1974)

ヴァレリー・カーターを聴いていたら、妙に本作を聴き返したくなり、久しぶりに一聴。やっぱりいいアルバムです。恐らく知らない方が殆どかと思いますが、本作はヴァレリー・カーターが在籍していたトリオで、メンバーはヴァレリー、リチャード・ホーヴェイ、ジョン・リンド。リトル・フィートのリーダーであるローウェル・ジョージのプロデュースした作品。 やっぱり演奏の面子は興味をそそられますね。ジョン・セバスチャン、ジム・ケルトナー、チャック・レイニー、ヴァン・ダイン・パークス、フレッド・ホワイ

Earl Klugh 「Earl Klugh」 (1976)

心地良い天気が続いて気持ち季節となりました…。 こういう時は、ついついフュージョンを聴いてしまいます。私のお気に入りはアール・クルー。昔からこの人のアコギは大好きなんですが、なぜか彼のファーストアルバムは日本CD化が遅れていたこともあり、長らく未聴だったのですが、7,8年前にブルーノート999シリーズ(名盤999円)が発売されたなかに、本作が含まれており、遅ればせながら購入。当時はコレばっかり聴いておりました。 これがまた実にイイ! なぜ長らく国内CD化が遅れていたのでしょ

Led Zeppelin「Presence」(1976)

先日のBS12「ザ・カセットテープ・ミュージック」、再放送でしたが、レッド・ツェッペリンの「Achilles Last Stand」について、スージー鈴木さんが「この10分は、世界でいちばん短い10分だ」と評しておりました。なるほど、確かにその通り。ということでその楽曲を収録したZEP7枚目のアルバム「Presence」をご紹介致します。 このアルバム、中学時代に初めて聴いた時は、その良さが全く分かりませんでした。当時はZEPでいえば「Rock and Roll」「Immi

Jeff Beck「Wired」(1976)

ジェフ・ベックが、ビリー・コブハムの「Spectrum」からインスパイアされて制作したのが「Blow By Blow」という素晴らしいギターインストアルバム。そこから更にフュージョン色を強めていったのが今回ご紹介する「Wired」です。 「Blow By Blow」発表後、ジェフはスタンリー・クラークの「Journey To Love」の制作に参加し、そこから更にインスパイアされ「Wired」の制作に着手します。本作はヤン・ハマー、ナラダ・マイケル・ウォルデンの参加がサウンド

Ben Sidran 「The Cat and the Hat」 (1979)

ベン・シドランをご存じの方がどれだけいらっしゃるでしょう。日本では全く知名度のないDr.JAZZこと、ベン・シドラン。 私はJAZZやAORに夢中になりだした頃、ベン・シドランの音楽にも随分のめり込んでいきました。特に今回ご紹介する「The Cat and the Hat」というアルバムが私のお気に入りです。本作は、JAZZやスタンダードナンバーを見事なアレンジで聞かせてしまうベンの卓越したセンスと、バックミュージシャンの演奏力が聴くものを虜にしてしまうアルバムで、ベンの全