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要領が悪いということとRTAと。

 活動者としてやっていくからには、人生のどこかの時間を“配信”に入れ替えなきゃいけないってことで。多分今活動している、掃いて捨てるほど多くの配信者たちはみんな“趣味”や“睡眠時間”なんかを削っているんだと思っている。

 表題の通り、ぼくは死ぬほど要領が悪い。なんかもうビックリしちゃうくらい要領が悪い。馬鹿みたいに真面目で、視聴者にも上司にも媚びを売れないし、メインウェポンは生まれ備わった火力ひとつ=拳ひとつみたいな生き方をしている。ちょっとカッコつけたけど馬鹿正直ってだけ。ひと握りのすごく評価してくれる誰かにだけウケて支えられてきた。

 いまぼくが配信を死ぬほどやりたいという気持ちは趣味=配信にしたところで時間は捻出できないってところにぶち当たる。そして悲しいことにぼくの機体は睡眠時間を削るとソッコーで病院送りになるようなポンコツときた。

「手前達がうたた寝してる間にも仕掛け上り詰めたマスターピース」

 それだけが全てじゃないってわかっていながら、突き刺さってしまう歌詞だ。ぼくはこんな人たちみたいな圧倒的な才は残念ながらあんまりない。なら、時間を割かなきゃという気持ちだけがずっとある。ぼくのからだは容赦なく眠くなる。バカにしてんのか。クソッタレ。ぼくだって毎日毎晩配信がしたい。オーバーウォッチをぶっ続けで5時間やりたい。RTAをぶっ通しで何本も走るだけの配信をしたい。疲れたっていいながら配信を閉じたくない。もっとやりたいけどもうおしまいねつって枠をとじたい。

現実はどうだ。

仕事に行く、カフェインをぶち込む。仕事終わって帰って大の字になる。飯食って風呂はいって「今日はいいか」。ちょっと唇を噛みながら布団に潜る。23時半。やれるだろ、本当はやれるだろって思い続けている。クソが。負けっぱなしだ。

──負けっぱなしは嫌だ。

 その想いが最近のRTA配信だったりする。喋らない代わりにランキングと戦う。速度と戦う。ランキングが上がれば上がるほど配信時間は短くなる。早く寝たけりゃ上手くなれって話だ。ぼくは前に向かって退却していく!転ぶなら前のめりに、だ!もう少し足掻くから、また見に来て欲しい。ぼくの足掻きを、努力を、エンターテイメントを。



襲い来る眠気に耐えながら、職場の休憩室にて。
2024年6月20日

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