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行ってよかった美術展2024

こんにちは。夕霧です。

昨年から美術展・美術館に行くことを趣味としている私ですが、そろそろ師走ということで、2024年に行った美術展をまとめてみようと思います。

先日、気軽に美術を楽しみてぇ〜という記事も書いてみたので、よろしければそちらも併せてどうぞ。

関西で開催の美術展が主です。
写真も交えつつ、思い出しながら書いてみようと思います。

アール・ヌーヴォーの女神たち

年明け早々に、最も好きな画家の一人であるミュシャのイマーシブ展へ。
こちらは、グランフロント大阪北館で行われていたイベントです。

東京、大阪等でイマーシブミュージアムが開催されているとかいう話を聞いて、行ってみたいな〜と思ってはいるものの、尽く行く機会を逃していました。
そんな中、大好きなミュシャの女神たちが動いているところが見られるというのなら!!
行くしかないよね〜!!!

動く女神たちに囲まれる空間。神聖

てなわけで行ってきました。
没入型のプロジェクションマッピングみたいな展示も美しかったし、作品展示もかなりの点数があって最高でした。

個人的に好きな『桜草』と『羽根』や、4連作『星』、4連作『四季』などが見られたのはアツかった。いつ何度見ても、あまりに美しい。
独特の雰囲気と世界観、繊細かつ大胆なモチーフたちが大好きなんだな。

堺にアルフォンス・ミュシャ館があるので、近いうちに行ってみたいです。

モネ 連作の風景

2月〜5月まで、大阪中之島美術館で開催されていたモネ展。
モネの代表的な作品群である『睡蓮』が展示されるということで、とても楽しみにしていました。

私は、開幕直後の2月に行ってきました。
寒い中、美術館の外にまで人が並んでいて、モネの人気度の高さが伺えましたね。

クロード・モネ  『睡蓮』

一部の作品は撮影可でした。ただ、美術館という空間で、肉眼で見るのがやっぱ良いなぁ〜。
印象派モネ、繊細な色彩とタッチが美しく、惹き込まれるのは言わずもがな。

2時間ほどじっくりと、間近で楽しめたのがとても良かったです。これは本当に行ってよかった。
大阪中之島美術館にはこの時初めて行ったんですが、建物自体も、とてもモダンでかっこよかったです。

いつか、『印象・日の出』をこの目で見てみたいな。
因みに、現在あべのハルカス美術館で印象派展が開催中、来年3月から京都市京セラ美術館でモネ展が開催予定です。絶対行こう……!

キース・ヘリング:NYダウンタウン・ルネサンス展、ハウス・オブ・フィールド展

中村キース・ヘリング美術館

雪の残る3月。山梨県にある、中村キース・ヘリング美術館に、友人たちと行ってきました。
作品を見れば、「あ〜あの人か!」となるのがキース・ヘリング。

『ベイビー』や『ドッグ』といったモチーフと、ポップな作品の雰囲気が有名ですね。
入口からキース・ヘリングの世界観が強烈に表現されていて、作家にフォーカスされた美術館ならではの魅力がたっぷりでテンション上がりました。

天井の高い部屋に、不思議な人型の大きなオブジェ。
平日で人も少なかったので、静寂の中に私たちの足音と、別の展示室から聞こえてくる音楽だけが響いていて、どっぷりと世界観に浸かるには最高の環境でした。

作品点数もとても多く、展示方法にもこだわりが感じられて見ていて楽しい。
小淵沢には、他にもたくさんの美術館があるので、また行きたいです。

円空 ―旅して、彫って、祈って―

あべのハルカス美術館で開催されていた、円空展。
江戸時代の修験僧・仏師である円空が作った、仏像彫刻の展覧会です。

彫刻メインの美術展に行ったのは初めてだったんですが、かなり面白かったです。
柔らかな微笑みをたたえていたり、迫力のある怒りを表していたりと、円空仏の変遷がわかる構成になっていて、見ていて飽きませんでした。

やさしい顔貌

人々のために彫り、祈りを捧げた円空の人柄がわかるよう。
木の彫刻だからこそのあたたかみや、迫力も感じられて惹き付けられました。

駅の広告などで見て気になっていたので、会期内ギリで行けてよかったな。
日本の仏師の彫刻展は結構珍しい感じがするので、貴重な体験になりました。

北斎と広重 冨嶽三十六景への挑戦

葛飾北斎 『富嶽三十六景 神奈川沖浪裏』

中之島香雪美術館で開催されていた、北斎・広重展。
富嶽三十六景が来るということで、これは行かねば……!と半ば使命感に駆られて、GW初日にGO。

会期で展示作品が一部異なるため、鑑賞できなかった作品もありましたが、見てみたかった『神奈川沖浪裏』を見られて大満足。
歌川広重の『名所江戸百景』、『東海道五十三次』も一部展示されており、見ることができて嬉しかった……!

歌川広重 『名所江戸百景 日本橋雪晴』

北斎と広重という、浮世絵といえば!な絵師の作品を見ることができて、感無量でした。
そしてやはり、シリーズものは並べられると圧巻ですね……

雪舟伝説―「画聖(カリスマ)」の誕生―

京都国立博物館で開催されていた、雪舟伝説!
なんと北斎・広重展の翌日に行ってきました。
日本画に浸るGW。

雪舟の絵って、教科書でしか見たことねえよなぁ〜???と思ったので、ついに見に行けて感激。
この美術展では、雪舟だけでなく、その弟子の画家たちの作品もたくさん展示されていました。

雪舟から影響を受けた作品や、伊藤若冲らによる模写なども見られて、比べて楽しめるのが斬新でした。
国宝にもなっている貴重な作品を見ることもできたので、行けてよかった〜!

本展では撮影が禁止されていたので、京都国立博物館の美しい外観と庭園をパチリ。いいところだったなぁ。
作品の撮影ルールに関しては、各美術展のアナウンスに従いましょう。

キース・へリング展 アートをストリートへ

蛍光で暗いところで光る

3月に中村キース・ヘリング美術館に行った際に、神戸でもキース・ヘリング展やるよ!と教えてもらったので、5月中旬、天気の良い日に行ってきました。

ちょっぴりセンシティブな作品も多いんだけど、エロに走らずポップに収まるのがキース・ヘリングのすごいところ。
彼自身もHIV感染者であり、AIDS予防啓発活動に積極的に関わっていたことも、よく知られていますね。

不思議な人型や犬など、印象的なモチーフが面白い。
作風で作者がすぐわかるのって、やっぱりすごいよなあ。
ストリートで描いていた壁画等も一部展示されていたりして、臨場感の感じられるレイアウトになっていて面白かった……!

なぎさちゃん

兵庫県立美術館は、建物や周りにあるオブジェも印象的。かなり好き。
私が訪れたこの日はよく晴れていて、最高のロケーションでした。
星を持つ少女である『なぎさ』ちゃんのオブジェ、とてもまぶしかった。

珠玉の西洋絵画:モネ・ルノワール・ピカソ-和泉市久保惣記念美術館所蔵品展-

今年2度目の中之島香雪美術館!
美術展の表題になっている、モネ、ピカソ、ルノワールをはじめとした、国内外さまざまな画家の作品を見ることができました。

この美術展は、和歌山県の和泉市久保惣記念美術館で所蔵されている作品が、展示されているとのことでした。
西洋絵画はかなり好きなので、多数の画家の作品を一度に見られるのが嬉しかった。

余談ですが、当日、昼前くらいに一人で美術館に向かっていました。
美術館にはエレベーターを使って行くんですが、そこで一人の還暦くらいの素敵な紳士と乗り合わせました。

「何階ですか?」と聞かれたので、美術館のある階をお願いすると、「美術展見に行かれるんですか?」と。
「そうなんですよ〜」と返すと、「チケットお持ちですか?これから買うなら1枚あげますよ」と、謎に鞄を探り出す男性……!

え、何何??とエレベーターの中で一人ハテナを浮かべていると、男性が鞄から取り出したのは、なんと束になった美術展の招待券!!

束からぺりっと1枚ちぎったチケットを渡され、驚く私に、「楽しんできてくださいね」と微笑み、男性は美術館の中へ消えていきました。
……そんなことある?

驚きつつもお礼を言って、これも何かのご縁だろうと、ありがたくそのチケットで美術展を楽しんでいたのですが。
会場内で作品を鑑賞していると、「これ、いい作品でしょう?」と、誰かに話しかけられました。

パッと振り向くと、そこには先程の男性が……!
後からわかったんですが、どうやらこの方、この美術展の出展者の方だったらしい。そりゃ招待券束で持ってるわ。

作品や画家についての解説や、その作品を購入するまでの経緯、所蔵元である和泉市久保惣記念美術館についてなど、いろいろなお話をお聞きすることができました。
なんて貴重な体験なんだよ……すごすぎるしあまりにもラッキーすぎる。

以前にも妹とミュシャ展に行った時に、これまた素敵な紳士に話しかけられたのでお話していると、「よかったらまた来てください」と招待券をいただいたことがあった(やはり出展者の方でした)ので、美術展はこういうラッキーが起こり得るんでしょうかね。その時の私がラッキーなだけか。

流石に、作品を目の前にして出展者の方のお話を聞くことができるのは、あまりにも貴重でした。
素敵な美術展を開催してくださって、本当にありがとうございます……!!

TRIO パリ・東京・大阪 モダンアート・コレクション

古賀春江 『海』

大阪中之島美術館で開催のTRIO展。
以前の記事で「行ってきました〜」という話をチョロっと書きましたが、結構斬新で面白い美術展でした。

東京、大阪、パリの美術館所蔵の作品や、それらの土地で制作された作品が3連で並べられ、比較しながら鑑賞できるようなレイアウトになっていました。
絵画のみならず、写真、映像、彫刻、立体物など多種多様な作品があり、とても見応えがありました。

辻永  『椿と仔山羊』

この作品、実際見ると結構大きめサイズで、仔山羊の毛のふわふわ感と落ちた椿の色彩がとても美しく、見惚れて暫く立ち止まってしまいました。
今まで見たことの無い、惹かれる作品に出会えるのも美術展の好きなところ。

ブランクーシ、ダリ、シャガール、岸田劉生など、「名前は聞いたことあるけど実際に作品を見たことは無い」という作家の作品も本展ではたくさん見られて、本当に大満足でした。
行ってよかった……!

デ・キリコ展

イタリアの画家、ジョルジョ・デ・キリコの美術展。
神戸市立博物館で12/8まで開催中です。

先ほどのTRIO展でもデ・キリコの作品が展示されていましたが、やはり1人の作家にフォーカスされた美術展では、その作家の世界観や雰囲気にジャブジャブと浸れるのが良いです。

不思議な場所、シチュエーションにいる自画像や、『マヌカン』と呼ばれるマネキンのような頭部、肢体を持ったものの絵画など、見ているとなんだか不思議な気分になってくる。

本の挿絵や、舞台衣装なども手がけていたデ・キリコ。
独特の作風は、見る者に様々な想像をさせてくれるのがとても楽しく、興味深かったです。

会場である神戸市立博物館の建物も、すごく美しかった。
三宮駅から歩いて行けるので、神戸に行った際には是非立ち寄ってみてはどうでしょうか。

美しい春画-北斎・歌麿、交歓の競艶-

これは本当のセンシティブ。
好きな画家の方が行っていて、私も行きたいな〜と思っていました。
会期終了間際の日に丁度、細見美術館付近で用事があったので、意を決してGOすることに!

本展は18歳未満の入場禁止、勿論撮影も禁止です。
江戸時代に愉しまれていた美しき春画の数々は、アート作品としてかなり面白かったです。

豊かな表情の表現や、繊細な筆さばき、美しい色彩、ユーモラスなシーン描写など、絵師の技量がよく現れていて、見ていて惚れ惚れしちゃう。
足先の描写がめっちゃいいな〜と思いながら見ていました。
大きな掛軸や、美術館初公開の作品など、貴重な作品も多く展示されていました。

解説にもあったんですが、時々奇矯な体位をしていたり、現代人から見るとシュールすぎるシチュエーションが切り取られていたりと、なかなかクセ強でクスッと笑ってしまう作品も結構ありました。

葛飾北斎の有名な春画である『蛸と海女』も目録にありましたが、前期のみの展示だったため、見られなかったのが悔やまれる……
日本人、今も昔もなんでもありで変わってないの面白すぎるな。
また機会があったら見に行きたいです。


という感じで、今年行った美術展をまとめてみました。
12月も、もしかしたら幾つか行けるかもしれないので、行けたら追記していこうかなと思います。

来年もいっぱい行きたい美術展があるんだ。
・YUMEJl展(あべのハルカス美術館)
・エコール・ド・パリ展(山王美術館)
・日本国宝展(大阪市立美術館)
・ゴッホ展(大阪市立美術館)
・モネ展(京都市京セラ美術館)……
などなど。

美術に浸る時間がかなり好きで、それだけのために没頭するのがめちゃくちゃ楽しい。
行ったことのない美術館や博物館もまだまだあるので、これから行けたらいいな〜、と思います。

来年もたくさんアートに触れて、楽しんでいこう。
気になる美術展があったら、1回行ってみるのをオススメします。結構面白いですよ。

では、今回はこのへんで。

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