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NO 選挙, NO LIFE とは?

 本日よりポレポレ東中野とtohoシネマズ日本橋で公開された前田亜紀監督の『NO 選挙, NO LIFE』があまりにも好きな作品だったので簡単な感想を書きます。原一男監督曰く「ドキュメンタリー映画は3回観るべし」を先行上映会を含めて達成したので。
ネタバレにはなっていないと思います。

『NO 選挙, NO LIFE』とはフリーランスのジャーナリスト、畠山理仁さんに密着したドキュメンタリーです。畠山さんは選挙取材を主にされており、候補者全員の取材をできない場合は記事にしないが信条の方です。
大きな政党から出馬する候補者から、一人きりで選挙運動をおこなっている候補者まで、同じ額の供託金を払った一候補者として取材しています。
その中には畠山さんしか取材に来ない、メディアでは報じられない方が沢山います。(このあたりの詳細は畠山さんの著書『黙殺』を読んでください)
そんな畠山さんの取材スタイルは当然ながらお金もかかるし、時間もかかる…でも畠山さんしか取材していない候補者が沢山いるのです。
そんな畠山さんが2022年の参院選取材をする姿をカメラが追っています。

畠山さんが「やめようと思ったことはないですか?」「あきらめそうになったことはないですか?」取材相手に問いかけます。
その問いかけは苦悩する畠山さんの自問自答にも見えてきます。そして、畠山さんを通して私自身への自問自答にもなりました。
日々の生活の中で、挫けそうだったり、嫌になったり、壁にぶつかったり、みんな何かしらあると思います。
正にそんな状況である自分の姿が重なっていくのです。問いかけに対する答えは劇場で確認してほしいです。きっと元気にしてもらえるので。
そして、他の人から見れば笑われるかもしれない、くだらないと思われるかもしれない、そんな事でもまっすぐに聞いてくれる人がいることを証明してくれている映画です。

毎回の選挙取材に全力を注ぐ畠山さんは、これからもまた苦悩することがあると思います。でも、選挙取材はやめられないんじゃないかな。
畠山さんが選挙をその先にある民主主義を愛するように、選挙の神様も畠山さんのことを愛しているから。

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