10~12月読書記録

読書も記録付けるのも、だいぶだいぶさぼっていました。
大した冊数読めていないので3か月分まとめて。

『夏の約束』
藤野千代

Aesopクィアライブラリーでもらってきた一冊。企画自体には色々と批判される面もあったところを後に知ったけれど、作品に罪はない。なにかじんわりと感じ入るものがある一冊だった。
いわゆる"社会的マイノリティ"(この言い方あんまり好きじゃないからカッコつきね。)に焦点が当たった作品って影が多めというか、空しい気持ちになるようなものが多いとばかり思っていたけど、登場人物たちの日常が彩りをもって描かれているところがすごく好きだった。あっという間に読み切ってしまった。表紙もかわいい。

『幸福論』
アラン / 神谷幹夫 訳

哲学書というか詩集って感じ。言葉の丸さ、語りかけてくるような調子が心地よくて、ちびちびと読み進めました。総じて、幸せであるには結局自分の心の持ちよう、みたいなことが一貫して語られていた印象。おおむね同意だし、自分も結構そういうタイプ(楽観主義的)な人間だなぁと思った。
気に入った箇所はいくつもあったけど、書き留め忘れてたので最後のプロポの一節を。
「悲観主義は気分によるものであり、楽観主義(オプティミスム)は意志によるものである。」 ー『93.誓わねばならない』
なるほど。

『ワインの本』
辻静雄

古本屋さんで出会って惹かれて購入。ワインの知識を得る、というよりかはその楽しみ方とか、ワインがいかに丁寧に扱われているかとか、文化的な側面の方に対して感じ入るものが多かった。
古くからしかと法律で守られてきたワイン造りの世界を知ると、あ~スペシャリティコーヒーってこういうことだよなぁと思ったり。質感、色合い、味わいの表現の美しさに胸を打たれたり。ワインの特徴を表現するのに、女性らしい/男性らしい、っていう言葉がたくさん出てくるのが印象的だったしちょっと考えさせられた。今の時代、性別に応じた"らしさ"とかで表現するのは好まれないのかなぁと頭によぎった。でも、ワインを人に例えてその特長を表すってなんとも粋に思えて、これが否定されてなくなってしまうのも寂しいなと。
別にこれを読んですごくワインに詳しくなったわけじゃないけど、ワインに対する愛おしさは増したかもしれない。


2022年は古本屋さんでたくさんいい本にめぐり合えた気がする!
2023年はSNSに時間を溶かしすぎずに、本を欲せる身体・精神であれるようにいたいと思います。


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