9/23の遊馬的心【真景累ヶ淵】③
マンションの自治会の落語会。コロナ禍は中止になっておりましたが年に一度でも復活してくださる事は誠に有難いことです。
新作手ぬぐいを20本用意。そして【真景累ヶ淵】の相関図を80枚持っていくか悩んだけど、持参した。
出来れば①②中入り③でこの続きは来年ね!という思い付き。
年に一度だし、笑いたいお客様だというのはわかっている。
実はね、出来ればお子さんは来ないでおくれとも願ってしまった。
しかし生憎のお天気なのか、お子さんもちらほらで、初めてのお客様もいるようだと知らせを頂いてギリギリまで迷う。
前半は予定を変更して、軽く初めての落語案内と以前にも演っているはずの『転失気』を演る…なんだか負けた気持ち、逃げた気持ちになる。
だけど前半のマクラで中入り後にはもちろん全部は出来ないけど【真景累ヶ淵】を演りますと宣言する。
さて、①だけにして来年に続けるかどうするか考えながら
累伝説を入れる…でも今日の所は入れなくて良かったか。
取り敢えず③を演ろうと決めた。
どこでも演れるようにするのがチャレンジだけど、やはり次に繋げる連続の切れ場としてはココになってしまうのかな。
①のあらすじ部分の宗悦、お志賀、お園の登場の場面はもう少しお志賀をわずがな会話からどんな女性なのかを丁寧に演れば良かったが、出来なかった。
①のあらすじでは深見新左衛門の酒浸り度を出してみたいが、先を急ぐので直ぐにバッサリと宗悦を斬る。
ココでいつも忘れる三右衛門を呼び、宗悦の胴巻を渡して死骸を捨てさせる場面。あらすじながらちゃんと出せたが
印象付けには弱かった。
その後
宗悦の執念、怨霊によって深見の家はお取り潰しで、下男の勘蔵は“下谷大門町”で幼い新吉を育てると“下谷大門町”を押しておく。お熊の登場は省略。
②のあらすじでは新五郎はもっとへなちょこにしても良いのかなと思いつつ、
下総屋惣兵衛に言わせる命の尊さを説くセリフはやはり言いたいので、短くして言う。
へなちょこ新五郎だけど仕事はしっかりやるんだよな…一生懸命やるんだけどなかなかうまくいかない新五郎をお園は励ます。けど虫の知らせか嫌な感じがするという形にしてみようかな。するとただでさえ一目惚れしたお園に優しくしてもらうと尚更惚れちゃうよね。ここでへなちょこだから番頭の三蔵がいじめる訳じゃないけど厳しく指導すると…厳しい番頭に主人の惣兵衛が間に入ったりして新五郎贔屓に三蔵が嫉妬したりして…あらすじで長くなってしまっては困るのでまた今度。
それから19年の月日が流れて③に入る。
豊志賀は39歳の年増、ココは取り敢えずいつも止まって『昔はですよ』と念を押して『今は…美魔女ですか?』なんて言ってほんの微かな笑いを求めてしまう。いやほんとんど笑っていないかな。
豊志賀が稽古を再開して男弟子が集まりわいわいガヤガヤの所は笑ってもらうような工夫も無く、雰囲気も出ていない。
そして、新吉と一つ寝するまで、
男嫌いの豊志賀がなぜ?
『お前の母親みたいなもんなんだから』だけか?…
とにかく一つ寝するまでが早いというか出来ないというか難しいな。
どんどん辞めていくお弟子ばかりの中をせっせと稽古に来るお久。
なんで継母にいじめられているのだろう?演りながら思ってしまった。自分の子供じゃないから?
弟が生まれたんだろうか?…
そんな事も新吉は知っていての、お久と新吉の何気ない会話なのかな?
若い者同志の爽やかな会話に出来ないのだよ遊馬おじさんは。
それをじっーと見てるんだよ豊志賀は。
そして、新吉が飛び出したくなるような豊志賀のやきもちから出る、新吉を縛りつけるような呪文のような感じの言葉。追加していた文句が抜けて前後してしまいなんか間が狂ったがそこはくどくどと誤魔化す。
嫌気がさして飛び出す新吉はお久と偶然に会うんだけど。その会話もふわふわしてちゃんと決まらない。
せっかくあらすじで下男の三右衛門を押して出しているからお久の話で下総の三蔵叔父さんに手紙を出したくだりから、自然と相関図がわかるようにしたいのに、入れる所を間違えるはでお粗末な会話になってしまった。
やっぱりお久は新吉の事を好きなんだよね〜でも師匠を立てるんだよ。
でもココは機械的な師匠を立てた受け応えの方が良いのかなとも思ってしまう。
ココが決まらないと④の豊志賀の墓前でも決まらなくなる。今日は③だけだからなんとか誤魔化した感じ。
豊志賀が勘蔵宅に来てからは私の場合は割とあっさりしている。
自分でもあれ?終わってしまうのという感じもある。この物足りなさはなんだろうか?
原作にある、師匠が勘蔵に新吉とちゃんとけじめをつける話や駕籠やを呼んで豊志賀を乗せてのくだりは演っていないけど…
勘蔵も豊志賀に会って喋っている事になぜか引っかかる。
新吉が障子を開けるとそこには豊志賀の姿はありませんでした…ぞ〜っとする感じのイメージなんですけどね。それがはたして伝わっているのか。
締めの言葉も相変わらず下手です。『ここからますます面白くなる所ですが…』ではなく『これから新吉にどんな運命が待っているのか…』ぐらいは言いたかった。
これで皆さんは【真景累ヶ淵】の①②③を聴きましたので、この続きは
どこかの寄席で私がトリを勤めている時に演っているかもしれません。この続きの④は4日目になりますのでどうぞよろしくお願い致します。
こんなスッキリとは言えずクズクズまとまりなく言ってしまった。
終演後には、お子さんを連れたお母さんが『来年は④ですか?』と期待してくれたり。
『怖かったわよ〜』
『本当にゾクゾクしたわ!』
と感想を頂いたりして、
有難うございました。
出来はまだまだだけどやっぱり演って良かった。
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