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本にまつわるエッセイや書評を中心に。
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#エッセイ

静かな図書館はさびしいから

「あれ……?」 足を踏み入れた瞬間、“それ”に気づいた。 「静かだ」 仕事に必要な資料を探すために、久しぶりに図書館を訪れると静かなことに気づいた。 「図書館って静かな状態が普通でしょ?」と思うかもしれない。たしかに、「館内ではお静かに」と書かれた紙が貼ってあったり、多くの利用者が約束を守り静かに本を読んだりしているはずだ……普段であれば。 しかし今日は、その本を読んでいる人も見あたらない。それだけではない。普段は置いてある1人がけのソファもすべて撤去され、子どもた

偶然も重なったので

大変だ。 この頃、「読みたい本が多すぎる問題」に直面している。出合わない時はパッタリなくせに、2月の『文をあたる』をかわきりに、『鯨オーケストラ』『流星シネマ』『屋根裏のチェリー』『中庭のオレンジ』『うたかたモザイク』と、まあ、出合うであう。 さらに昨日は、大好きな作家さんの作品も掲載されている、短編小説集『ほろよい読書』の第2弾『ほろよい読書 おかわり』が出ると知り、小躍りしそうなほど喜んだ。でもその前に、『水中の哲学者たち』と『黒猫を飼い始めた』も読んでおきたい。