「書くこと」を通して人や思いをつなぐ物語。三浦しをん著『墨のゆらめき』
歳を重ねるにつれ、「もっと知りたい」と思える相手に出会えた時ほど、近づくことを躊躇してしまう人は多い。人によって理由は異なるが、その根底にあるものは、傷つくことへの恐怖心ではないだろうか。さまざまな人と出会うなかで、自分の過去や気持ちを理由に相手が離れていったり、表向きは受け入れてくれたように振る舞っていたが、本音は違うことに気づいたり。このような傷ついた経験が、人を臆病にするのかもしれない。
しかし、怖がりながらも少しずつ距離を縮めていき、お互いを受け入れ合うことができた