Lyu:Lyu-GLORIA QUALIA

こんばんは。本日は邦楽も。

Lyu:Lyuというバンドを紹介したいと思います。
現在はCIVILIANというバンド名で活動していらっしゃいますが、当アルバムの発売当時の名前で記事は書かせていただきます。

特徴は、何と言っても歌詞。
とんでもなく「重い」です。「現代人の生きることそのものの苦悩」を歌い続けているバンドだと思っています。それと真正面から向き合って、歌にして叫んでいるような、そんなバンドです。これこそある意味でロックだと声を大にして言いたい。
歌詞全てが心に突き刺さってきます。「あー…私もこんなこと考えたことある」と感じる方はきっと少なくないでしょう。その共感が癒しに変わるかどうかは聴き手次第ですが、私は癒しに変わるタイプなので、特に病んだときに非常に重宝しているバンドとアルバムになります。

まず冒頭曲の「メシア」が名曲中の名曲。

「多分あなたが居なくたって 世界が止まることはないし
 恐らく僕が居なくったって あの子は今日も笑っている
 僕等は産まれてからずっと 人から忘れられない為に
 笑って笑って笑って笑う 笑い疲れて吐き気がする」

歌詞の始まりがこれです。なんだこの名句。このレベルがポンポン出てくるんだから、本当にすごい。冒頭だけで下手すると泣きます。

ボーカルの声がまた、なんとも言えないんです。変に暗くなりすぎることもなく、無論明るいわけでもない。謎の色気もある。単純にいい声してらっしゃるんです。歌い方もまた、感情の込め方が非常に巧みで、歌詞とマッチングして聴き手に突き刺さってきます。安定感があるのに、薄氷の上を歩くような独特な張り詰めた感があるのも特徴的です。

曲調としてはストレートなロックが基盤と言えるでしょう。歌詞と照らし合わせると、それほど暗いわけでもありませんし、ドロドロ感はほぼないです。どちらかというと、張り詰めた緊張感がある雰囲気。優しい曲調もちょくちょく見受けられるので、多芸だなあと思います。
演奏陣は結構カッチリしていて、ちゃんと聴きごたえがあります。抑揚や静と動、その使い分けも上手く、歌詞との相乗効果で感情に訴えかけてくるのが上手いバンドです。ただ歌詞がすごい、で終わらないところがキモかもしれません。

人間、生きてりゃ色んなことに悩みます。絶対悩みます。だって生きてるんですから。その重さや深さを誰かと比較することなんてできやしませんが…。ともかく、悩んだ時、辛い時、そんな時に聴いていただきたいバンドです。
あなたの代わりにそのどうしようもない気持ちを、Lyu:Lyuが叫んでくれているかもしれません。

「メシア」

「Seeds」


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