植田真梨恵-センチメンタルなリズム

こんにちは。満を持して、邦楽の中でも大っ好きな方を取り上げます。

植田真梨恵さんです。もう好き過ぎて逆に何をどうレビューしていいやら迷いに迷った挙句、全部好きなんですけど個人的に一番思い入れの深いアルバムについて書いてみようと思います。

出不精かつ都会嫌いの私が、どうしても生の歌声を聴きたいがために大都会新宿まで遠征した唯一のアーティストです。

まず何より、「圧倒的な」歌唱力を持った方です。歌唱力、というのが正しいのか「歌うことそのものの表現力」というのが正しいのかは悩ましい部分です。そういうとオペラチックなものやシンフォニックメタル系のボーカルをちらっと脳裏に浮かべる方もいらっしゃるかもしれませんが、そちらとは全く路線が違います。
曲調や歌い方をみても、特に大仰なわけではありません。しかし、どこをどう聴いてもとにかく圧倒的なんです。
確かな迫力とかっこよさを持ちながらも、元来持つ声音の美しさを決して失わない低音域。突き抜けるようなハイトーンであっても、決して薄く尖ったものならず、しっかり厚みと余裕を持った聴いていて気持ちのいい高音域。優しく囁くような歌ではどこまでも優しく、苦悩や決意を歌う疾走曲では張り詰めた弦のように鋭く強く、ベースとする歌声そのものが変わるわけでもなく、とにかくその幅がものすごく広い。かわいい歌もあればそんじょそこらの男性ボーカルじゃ比較にならないくらいのかっこよさを持った歌もあり…。女性ボーカルは好きなので古今東西色々と聴いてはいますが、贔屓目なしに唯一無二だと思っています。

曲調は突き抜けるようなロックチューンから聴く者の心を解かすようなバラードまで、基盤をロックに置いたものではありますが、広いです。
当アルバムに関してのみ言えば、後のアルバムよりはストレートなロックチューンが多い印象を受けます。ストレートといっても没個性的なわけではなく、しっかりと他に代えがたい「植田真梨恵の歌」です。
歌詞に関しても味わい深く、よくある定型文みたいな文言はほぼ出てきません。真摯に音楽や人生と向き合っている方だからこそ書ける歌詞だなあと、聴くたびに実感させられます。

ぶっちゃけ単純に全曲好きなのでどうやってレビューしたらいいやら今だに迷っているのですが、ともかく数曲取り上げてみます。

まず、ドストレートに駆け抜ける冒頭曲「センチメンタリズム」。
可愛さを含んだ歌詞でもありつつ、同時にこれでもかとかっこいい。サビのハイトーンでの疾走は迫力満点です。それでありながらアウトロはなんだかすごく可愛らしい。
「会いたいばっかりのラブソングが宗教のように蔓延る世の中で感傷的な僕の歌ももう大方同じようなものだね」
…ここの歌詞、刺さります。素晴らしい。

冒頭曲に続いてこちらも激しい「壊して」。
低音域のかっこよさもこれでもかと味わえます。歌詞は重く、独特な世界観。「君の腕の中なんも見えなくなったまま壊して」…。ただのラブソングなんかじゃ終わりません。苦悩を多分に含んで、だからと言ってどす黒いわけでもなく、どこまでも素直に疾走します。かっこいい。

切りがないので次の曲で個別に取り上げるのは最後にしようと思います。

アルバム後半、バラードの「優しい悪魔」。
私が植田真梨恵と出会った曲でもあり、大変思い入れが深いです。そしてこの歌、まさに圧倒的に歌われております。アルバム中でも非常に重い、捉えようによっては暗いとすら表現できるやもしれない歌詞を、優しく、時に鬼気迫る迫力を込めて、張り詰めた緊張感の中歌い上げるその姿はまさに圧巻。というか私は当曲のLIVE動画で一瞬で心を奪われたというかベタ惚れしました。
最後には、なんとも儚く、されど確かな希望を残して曲は終わっていきます。名曲とは何ぞやと言われたらこの曲を真っ先にオススメしたいくらい名曲だと思っています。

うわあ予想通り長くなりました。書いても書いても好きが溢れすぎて書ききれませんね。ひたすらすきすきと並べ立ててもクドイかと思いますので、そろそろ筆を置いて、最後に動画を貼って終わろうと思います。

最後に多くは申しません。とにかく圧倒的に歌う方です。
是非ご一聴ください。ほんの少しでも興味がわいてくださったのなら、本当に是非。私のように一撃でノックアウトされる方、多いと思います。

「優しい悪魔」Live版

「メリーゴーランド」Live版

「センチメンタリズム」

アルバム視聴


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