Alice In Chains-Dirt

こんばんは。そろそろグランジに触れ始めようと思います。

さて、グランジとはなんぞや?とかそういった音楽的理論は置いておきます。大してない知識をひけらかすのは美徳に反しますし、そもそもWiki見ていただいた方がよほどわかりやすいです。

グランジ、というカテゴライズについても賛否両論ありますが、便宜上ここではグランジという枠を使わせていただきます。

さてさて、前置きはこのくらいで。
最初に紹介するのは「Alice In Chains」というバンドです。
グランジ界隈ではシアトル4大バンドの一角とされ、ジャンル内では代表的なバンドの一つです。

単純にバンド名センスいいなあとか思いますが、それも横に置いておきましょう。

音楽性としては、グランジに括られているものの、へヴィメタルやハードロックからの影響も色濃いバンドになります。特にファーストアルバムでは、その影響をかなり感じます。
今回ご紹介させていただくのは、名盤とされている「Dirt」というタイトルのセカンドアルバムです。バンドとしての独自性がカッチリと確立されたアルバム、という印象を個人的に持っています。個性強いですよ。

まず触れなければいけないのは、ボーカルであるレインステイリーの声でしょう。「麻薬」とも称されるそれは、まさに唯一無二。爬虫類が這い回っているかのような、なんともドロっとしつつも中毒性の高い声をしています。低音高音ともに特徴的で、聴く人は選ぶかと思いますが、ハマる人はハマります。それこそ「麻薬」のように。

演奏陣に関しても触れておきます。音楽性についての上述した部分でメタルやハードロックからの影響が色濃い、と書きましたが、それがこの演奏陣に特に現れています。ブラックサバス的な重苦しいメタルに、ドロドロとしたグルーヴ感をこれでもかと過剰投与したような音像です。レインの声と相まり、なんとも不思議なグルーヴを産み出します。これがたまらなく癖になる。かっこいい、そして何より中毒性が高い(2度目)
演奏技術そのものに関しても高いものと感じます。ギターソロやリフ、ベースの動きも大変面白いです。そのどれもがドロっとした湿り気を帯びているあたり、正統派メタルとは一線を画していますが、バックグラウンドとしては正統派のテクニックも持っている雰囲気がぷんぷんします。

疾走曲はほぼありません。
全体のイメージとしては地の底を這いまわる得体のしれない生き物、といった表現が最も適切かと思います。そんな曲たちが所せましと並んだアルバムですが、本当に麻薬のような中毒性です。このバンドが好きになったならこのバンドからは永遠に逃れられない、そんな気持ちにさせられます。

個人的キラーチューンはアルバム最終曲の「Would?」です。
これは当バンドの持ち味をふんだんに盛り込みつつも、メタル、ハードロックにも通じる一種のキャッチーさも含んでいます。初めて当バンドを聴く方にも是非オススメしたい1曲です。サビのかっこよさなんて鳥肌ものですし、そもそもイントロのベースからしてこれでもかというほど重く、ドロドロとした音の嵐です。静と動を巧みに使い分けるレインの歌唱法も、どこか狂気的なまでに鋭く、鬼気迫ったものを感じさせます。…
まあ御託はこれくらいにして、もうとにかくかっこいいんで聴いてください。はい。

「麻薬」と称されるボーカル、ドロドロとうねる音像、1度足を踏み入れたら2度と抜け出せない泥沼のような中毒性。癖は強いですが、その分味わい深いバンドです。

あまり普段からカーステレオで流す!というような用途には向いていないかもしれませんが、聴き浸るには最高です。
深夜に真っ暗の部屋で聴きましょう。きっとアルバムが終わるころにはあなたはレインと「Alice In Chains」の虜となっているはずです。

「Would?」

「Them Bones」

「Rooster」(少々閲覧注意です)




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