きのこ帝国-フェイクワールドワンダーランド

どうもです。本日2度目の更新になります。

さて、引き続いて邦楽いきます。

今回ご紹介したいのは、「きのこ帝国」です。

バンド名がなかなかインパクトありますね。ごめんなさい、正直最初は名前で敬遠していました。聴いてみたらドツボでした。本当にごめんなさい。

リリースしている音源は結構多いです。特徴として、初期になればなるほどシューゲイザー感が強く、ボーカルも少年チックな中性的な歌声、そして新しい音源になるほど歌モノ感、キャッチーさ、ボーカルのスタイルが女性の色気(言い方があまり良くないかもしれません、語弊があったら申し訳ない)を増していくような印象です。

今回取り合げるアルバム「フェイクワールドワンダーランド」はその中で、ちょうど中間期?…あくまで主観ですが…に位置する作品だと思っております。程よいシューゲイザー感と歌モノ、その調和がいいバランスで配置されているアルバムです。シューゲイザー大好きっ子としては比較的初期の「渦になる」もめちゃめちゃ名盤だと思うのですが、アルバムそのものの聴きやすさやキラーチューンの配置等考えると、当アルバムが最も普段聴きに適するかなあと個人的に感じます。

音像としてはシューゲイザーの確かなバックグラウンドを感じさせる適度な幻想的、陶酔的な雰囲気と、低音では独特な迫力、高音では鋭く美しい声音を魅せる女性ボーカルの絡み合いが絶妙です。他のジャンルとなかなか折り合いのつけにくいシューゲイザーというジャンルを上手く消化して、確かなバックグラウンドとして残しつつも、キャッチーさもしっかり取り入れているあたりの手腕が素晴らしい。
シューゲイザーの日本的解釈がちゃんと成り立っているというか、ただの海外シューゲイザーの日本語訳フォロワーみたいになっていないあたり、貴重なバンドだと感じます。

歌詞の雰囲気も良いです。曲調に合わせて、多彩な変化を見せています。シューゲイザー感の強い曲ではそれに合った、幻想的な雰囲気を醸し出していますし、逆に歌モノ風味が強い曲ではストレートな歌詞を持って来たりと、そのあたりも非常に上手い。個人的には「ヴァージン・スーサイド」と「クロノスタシス」の歌詞が大好きです。

冒頭2曲「東京」と「クロノスタシス」は見事なまでのキラーチューンとなっています。かっこよさとクールさ、おしゃれさ、夜の気だるい色気、…調和が心地いい。特に「クロノスタシス」はかなり耳に残りやすい歌なのではないでしょうか。

シューゲイザーシューゲイザーと色々書きましたが、昨今巷でよく流れるSuchmosやKing gnuあたりが好きな方にも結構オススメできるのかなあなんて勝手に思ってます。どこか雰囲気はそのあたりと近いものもあります。

夜間ドライブやちょっとゆったりしたい時、気だるげな熱帯夜にも…ぴったりなアルバムです。ぜひぜひ、ご一聴ください。

「クロノスタシス」

「東京」

 



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