メンヘラのひとりごと 203
もうおしまいにした。そう。それから何ヶ月も経って、彼らのデビューが決まって。
気にしないようにしていたけど、広告とかがよく流れてきてどうしても目にしてしまって、MVを見た。
すごくいい曲だった。如恵留くんめちゃくちゃ美味しいパート歌ってるじゃん。メインボーカルは如恵留くんでいくつもりなのかな、とか考えて。
もうわたしたちは終わったのにね。胸の中に微かに残っていた未練がわたしに話しかける。
「今から戻ればいいじゃない!」
ううん、もうそうしないんだよ。わたしはもう如恵留くんとは一緒にいないの。きっとまたオタクに戻ったって苦しいことばかりだ。
まだ好きでいればよかったな、とは少しだけ思う。あの留学にも耐えてオタクをしていれば、デビューをファンとして見届けることができた。
でもあの時のわたしにそれは無理だった。モチベは地の底で、それを耐えられる好きが足りなかった。
ごめんね。わたしが弱いオタクで。アメリカ留学もいいよと言えなくて。何度も如恵留くんに救われてきたのに、あなたを信じられなくてごめんね。
わたしの天使は変わらずに眩く光って誰かを救っている。わたしが救われることはもうないけど、これからも誰かを救っていて欲しい。
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