「HEADLINER:NOVINEWS」というゲーム

最近、少しtwitter界隈で話題になっているPC/PS4/switchで展開されている「メディア・バイアス」AVG、「HEADLINER:NOVINEWS」。
まだ筆者も完全クリアはしていないが、なんとなくゲームの大まかなことを記しておくことにする。

・ゲームの基本的な構造
このゲームはノヴィスタンと呼ばれる架空の国にある「NOVINEWS」という新聞社の編集長として、日々記者から上がってくる記事を載せるのか載せないのかを選択するゲームである。というかそれぐらいしかできない。
記事を選別し終えたら帰途につく訳だが、通り道にはバーやレストラン、大型スーパーや地元の商店、病院や警察署など様々な建物を見ることができる。巷を歩く人々は他愛ない会話や「NOVINEWS」に書かれていたこと、政府に対する不満や関心を口にする。たまにはちょっとした事件や知人に会うこともあるだろう。自分の選択した記事によって国の動きは恐ろしいほどに目まぐるしく変化する。すべては自分の選択次第。

・このゲームのおもしろいところ
1.似てるけど、ちょっと違うゲームデザイン
ノヴィスタンという名前、可否のスタンプ、なんだか不穏な国勢は「paper,please」に似たところがあるのはどうしても否めない。だが、今回の主体は主人公だけではなく、ノヴィスタンの国民がどのように変化していくのかというところにある。「真実」や「正義」という言葉がいかに軽薄で、操作できるものなのかを端的に示してくれるようなゲームデザインになっている。(無論、現実ではゲームほどたやすくはない。たやすくはないだけ。)
給料システムがあるが、金が必要な場合もあるし、そうでない場合もある。

2.ゲームといえどもプレイヤーは人間。
アドベンチャーゲームであるため、プレイヤーの多くはロールプレイに徹すると言うよりも、自身の感情や倫理に近しい選択肢を選ぶことだろう。(一周目のはなしです。二週目以降はお好きにどうぞ。)
だが、主人公の身の回りにも様々なしがらみは存在している。眉目秀麗だがいささか気が強い、しかも移民である女性記者や、コメディアンを目指してはいるがうだつのあがらない兄弟、家族のために働いてはいるが大型スーパーの進出からか自国第一主義に傾きつつある近所の商店を営むおじさんなどストーリーを進めるにつれ、それらの人物に様々な感情が沸いてくることだろう。本当に正しいのは自分の選択か?しかし、その選択をすれば誰かに悪い影響を与えてしまうのではないだろうか?もしかしたら自分に災厄が降りかかるかも?
その葛藤がこのゲームならではの醍醐味である。ぜひそこを体験してほしいと思う。

3.新聞社だって会社だもの
プレイヤーは編集長ではあるが、社長ではない。資本主義である以上、会社を経営していかなければならないし、広告主やスポンサーはとっても大事である。上司からはそういったところも考慮してくれと釘を刺されることもあるだろう。例えば、ゲーム内では色が青いという見るからにやばそう(もしかして:ストロンry)な合成アルコール飲料「ベターバッズ」が登場する。その飲料を販売しているのがそのスポンサー主だったりする。勿論好印象を与える記事を採用すれば、潤沢な資金を手にすることができる。逆に懐疑的、悪影響を与える記事を採用すれば減給されたり…。社会的な使命を背負うもよし、一組織の人間として会社に寄与するもよし。好きな方を選択することができる。

他にもまだまだ登場人物はたくさん出現する。ストーリーが進むにつれてあなたの選択肢は時に増え、時に減る。情報量が少なすぎて適当な判断を下せないかもしれない。あなたが一貫した態度を取れば国民は意のままになるだろう。だが、葛藤によって違う判断を下せば「あのニュースは風見鶏だ。信用できない。」と言われてしまうかもしれない。もしかしたら言論の自由を奪われてしまうかも…?
そんなゲーム「HEADLINER:NOVINEWS」、ぜひ体験してみてほしい。

おわり

※余談
来年にはこれまた少し面白そうなAVG「coffee talk」が同じ開発元から発売される。多様な人種が登場するらしく、少し楽しみな作品である。

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