【小ネタ】チョンボ裁定のライン
長いこと雀荘メンバーをやっていると、これはチョンボにすべきか、はたまたあがり放棄など軽めの裁定にしておくべきか、というシビアな選択を迫られることもある。
「メンバーの裁定に従って下さい」
という一文をルール表に明記する店が増え、裁定に文句を言われることは少なくなったと思う。
とはいえ、僕らメンバーも初めて遭遇するレアケースが沢山あるので、内心「え、これどうすんの!?」と戸惑うことも。
というわけで今回は過去に働いた店で実際に裁定したレアケース集。
1.三味線裁定
①加カン手三味
局中盤で6pをポンしているSさんが7pをツモってきた際に晒してある6pに加カンするようなモーション。あ、違ったわ、といった様子でツモ切り。
その後、手替わりがなく3pを出あがり。待ちは3-6p。
卓上の空気が張り詰め、放銃者から抗議の視線を感じた。
ここでの裁定は...
厳重注意とし、アガリを認める。
出あがったのが6pならチョンボを取ってたが、放銃者も明らかに聴牌で捲り合っており、3pはカン3pなどにも当たる可能性のある危険牌だった為、ギリギリセーフ。
...いや、アウトなんだけどね!真似しちゃダメ!絶対!
②「あー、ダメだわ...ロン!」
これはよくある...かも。
上家から親リーチを受け、一発目の切り番。
「あー、ダメだわ」
という言葉とともに現物を切るNさん。
しかしこの時、Nさんは親現物のカン5s待ち満貫テンパイ。
手広いくっ付きイーシャンテンが愚形テンパイになってしまい、「これでは追っかけられない」というニュアンスだったのだと思う。
数秒後、対面に座っていた新規のお客さんから赤5sが打たれ手牌を倒したNさん。
ここでの裁定は...
あがりは認めずチョンボ。
似たケースでチョンボを取るかは微妙なところだが、Nさんはナチュラルな三味線が多く以前から何度か注意していたこと、新規のお客さんがマナー良く打っていたことからこの裁定をした。
「次はチョンボとりますよ」とは言うが、実際に取ることは稀なので、ちょっとごねられそうかなと思っていたが、意外にもNさんは何も文句を言わず裁定に従ってくれた。
2.誤「ォオン」
局中盤、僕の下家が切った4pに対し、既に役牌を鳴いている上家のAさんが「ォオン」の発声。
同卓者は当然「え?」とAさんに視線を向けるが、Aさんは「何も言ってないよ」としらばっくれる。
(何も言ってない奴は自分から「何も言ってない」とか言わねぇんだわ!)
と心の中でツッコミつつ、他の同卓者の反応を伺うとやはり2人とも不服そうにしていた。
これは明らかに誤発声があったとして裁定すべきだが、問題は誤ポンなのか誤ロンなのか。
するとここでAさんが「わかったよ。誤ポンでいいよ。1000点罰符?」と1000点棒を取り出した。
誤ロンだった可能性も考えたが、発声は「ォオン」。ここであがり放棄を取るのは難しいため、誤ポン1000点罰符として再開した。
これで終わりなら良かったのだが...
数巡後、Aさんが赤5pを叩きつけツモの発声。
誤「ォオン」から手替わりはなく、筒子は34pのみだったため、誤「ォオン」が誤ポンではなく誤ロンであったことが判明する。
同卓者2人は呆然としていた。
ここでの裁定は...
あがりを認める。(渋々!w)
これは誤「ォオン」の時点で立ち番に裁定を委ねるべきだった。
誤ロンの可能性を追う場合、言った言わないの水掛け論になってしまうことを危惧して流したが、他の同卓者には申し訳ないことをしてしまった。
余談だが、Aさんは帰り際に、僕がラス確のあがりをしたことに対してクレームを入れていったらしい。
飛び寸で2件リーチ躱しただけなのに......
勿論メンバー規制はないとルール表に明記されているし祝儀1万点相当のルールで飛び祝儀アリなので完全に難癖。
クレーム対応した店長は誤「ォオン」の件を既に把握していたので失笑混じりにこのことを教えてくれたが、僕はこの話を聞いて改めてチョンボが取れなかったことを後悔させられたのだった......
3.局途中に河を落とす
ごく稀に自動卓の操作ミスで河を落としてしまいゲーム続行不可能のためチョンボを取ることがあるのだが...
今回のケースは3巡目、親の切り番での出来事。
山が積み終わるまで河を落とすボタンは使用できないため、3巡目に起こるのはかなりレアケースだ。
このときはたまたまメンバーが全入りしており、他の卓のラストで一時中断していたため、山が積み終わっていた。
卓には僕ともう一人メンバーが入っており、再開後すぐにお客さんが操作ミスをしてしまった。
ここでの裁定は...
河を戻してノーペナルティで再開。
チョンボを取るケースではあるのだが、店都合での中断がなければ起きていないであろう事態。ここでのチョンボはあまりにも可哀想。
河は2巡分、メンバー2入りという好条件のため容易に河を戻すことができ、チョンボを取らずに済んだ。
メンバーの中にはデジタルを変な意味で解釈していてこういうケースで積極的にチョンボを取りたがる人もいるが、そういった人とは昔から話が合わない。
4.番外編
①チョンボを取る前に...
ポンが入った後に、ツモる予定だった牌を見る人がどの雀荘にもいるのだが、僕が見てきた中でもYさんは完全に度を超えていた。
ときには上家の打牌にほぼノータイムでポンの発声が入っているにも関わらず、対面の山へ手を伸ばし、盲牌だけでなく目視で牌を確認するという荒業も披露した。
再三にわたり注意しても直らず、「次は必ずチョンボにしますので」と厳重注意し「次」に備えたが、別件で他のお客さんとトラブルになり、「次」は来ることなく出禁となった。
②御無礼...3000オールです。
長いことメンバーをやっていると、自分がチョンボをすることも...
自分のチョンボを自分で裁定する瞬間は、もう恥ずかしいやら悲しいやらなんとも言い難い複雑な気持ちになる。
強いて言うなら「私は貝に、いや傀になりたい。」
お後がよろしいようで。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?