【研究】序盤構想で勝つ時代【part1】
1.完全シャンテンの価値から考える安牌の価値
雀ゴロK本3のドラ無し平和形の完全シャンテンと完全安牌の比較のグラフ(p15)をザックリ考察する。
大事なことなのでもう一度言うと、
ドラ無し、つまり大したことない手での話。
中盤8〜12巡目あたりで完全シャンテンの縦フォローより完全安牌の価値が高くなっている。
フォロー牌が誰にも通っていない前提だが、誰かに通っている場合は枚数が減っているということなので完全安牌の価値はあまり下がらないだろう。誰かの筋程度だと影響が小さいと考える。
フォロー牌456に関して、これは全員に両無筋想定なので中盤以降においてあまり実際的ではない。手組みの段階でイメージされる中盤でのフォロー牌456よりもやや危険な牌が想定されている。ただし、フォロー牌2378の数値を見るに完全安牌との比較に大きな影響は出なそう。
序盤6巡目あたりまでではフォロー牌456のド無筋想定はそこそこ現実的で、3〜6巡目でフォロー牌456と完全安牌の価値が拮抗している。
こんな感じで要素を拾っていくと、
安手では危険なフォロー牌を持つよりも中盤以降安全に聴牌を取れる可能性を残しつつ安牌を確保した方が良さそう
というフワッとした結論が出せる。
そこからさらにフワッと考察を伸ばすと、序盤の手組みの段階で中盤8巡目あたりにしょうもないシャンテン以下にしかならなそうなら安牌を残すべき、という仮説がたてられる。
具体的な例がないとピンとこない人も多いと思うのでちょっとだけ...
ドラ無しでこんな感じの0面子進行の場合、序盤であっても北を残して7pを切るべき局面がかなり多いのではないか、という話。
序盤の手組みは点棒状況にかなり影響を受けるためドラがあったとしても安牌を残すべき局面もかなり多いと考えている。これは点棒状況が絡むと局収支最善がゲーム収支最善にならないケースが多いため。
上の牌姿でこんなん7p切ってるよって思った人、
まさか6巡目のこの牌姿で北切るなんてこと...
色んな人の麻雀を見てきたがこれは結構やっている人が多い印象。選べないからとりあえず字牌切り。
ここから北以外を切ると和了率はそこそこ下がるので頑張って和了したい局面ならそんなに悪くはないが、中盤差し掛かりでこれをやるとかなりの終盤力がない限り大きなミスが出やすい局面を増やしてしまう。
因みに安牌を持つなら1mか9s切りで567の可能性だけは残す。
先制を受ける段階でこんな牌姿になるイメージをしていれば高打点をあがり逃すことも少なく、事故りづらい。
厳密に比較して最善かは置いといて、手組みの段階で価値の高くないテンパイでも逃したくないと考えるのは実戦的には損している可能性が高い。
厳密に比較しても安牌残しが勝る局面は少なくないと考えているが、今の段階ではそこまで緻密な結論を出すのは難しい。
補足的な意味で僕自身の実戦思考を少し...
①最序盤1〜4巡目では急所引きの可能性も考えつつ手なり進行をする。この段階でもあまりに手になっていなければ手役を絞り微妙な受け入れは捨てて安牌を重視する。この際、チートイを目指しつつ場況把握に努めれば中盤以降の受けの質も上がるため安定しやすい。
②5巡目以降の0メンツはかなり低く評価していて、このあたりから受け気味の思考になりやすい。結果として打牌に反映されないこともあるが、相手の手出しや副露、長考時の打牌などの考察に多めに時間を使っている。
③相手の河模様がはっきりしてくる8巡目あたりで価値の低い手の場合は牌理はかなり無視気味で場に対応する打牌を選択することが多い。
手になっていない、価値が低い、というのは点棒状況に対しての手牌価値なので、放銃が罪の局面ではドラ3だろうが遠ければ価値の低い手になる。
ただし、これらはシステム化しているわけではなく「手牌価値と場を比較した結果そうなる局面が多い」というだけなのでいくらでも例外はある。手が悪いからとテキトーに流して打たず、しっかり考えることが肝要だ。
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