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ブラックミュージックを歌謡曲に昇華する光と影

やはり日本人は歌謡曲が好きなのではないか、と思うことがよくある。
現行のポップミュージックのトレンド自体はK-POPの隆盛の要因となっているR&Bをベースとしたものだが、日本はやはり独特な文化を別の面で持っているように思う。

代表的なのは星野源だ。
リリースされるどんな曲もキャッチーさがありながら、日本人の耳馴染みする楽曲が多い。
ただ、実際は星野源本人のベースにあるブラックミュージックを様々な形での表現しているというのが正解だろう。
これは本人も認めているところで、近年の楽曲には影響は受けたアーティストや楽曲が必ず存在している。(気になる方はポットキャストなどで星野源のオールナイトニッポンの本人による楽曲解説をお聴きいただくことをお勧めする。)

個人的な見解としては、星野源は「ブラックミュージック日本人の耳に馴染む歌謡曲に昇華する」ことができ、光の当たる第一線で制作を続けているアーティストという印象だ。

ただここでもう一人近い目線で精力的に制作を行なっているアーティストを取り上げておきたい。
中田裕二というアーティストをご存知だろうか。

星野源が光なら、中田裕二は影で質の高いブラックミュージック由来の歌謡曲をコンスタントに生み出している。
元々は椿屋四重奏というバンドのボーカルとしてデビューしているがその後ソロに転身。
CHAGE&ASKAや玉置浩二等に影響を受けていることもあり、当時の歌謡曲全盛の時代を感じさせつつブラックミュージックを歌謡曲として昇華した楽曲を多数手掛けている。(厳密に言えば、当時のアーティストもリアルタイムに欧米で流行していたポップスに強く影響を受けて楽曲を制作しており、2次的な影響を中田裕二自体も受けてると言って良い)

光の当たる星野源ほどポップでお茶の間で幅広い世代に受けないかもしれない。しかし影ながら同時代に中田裕二というアーティストの楽曲も聴けるのは幸福だと私は感じる。

ぜひご一聴を。


yuto yoshida

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