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僕らはこの地で、愛を謳う【Rising Crew 航海記】

かちゃ かちゃ かちゃり🔑
ぎぃーー🚪

飛行機累計13時間と
空港泊2泊を経て辿り着いたのは
車とバイクに溢れて
ガスと砂埃に溢れた街

僕らはこの地で、愛を謳う

Thank you Daichi

様々な民族や宗教、カーストが交差する国、ネパール
世界最高峰のエベレストを有するヒマラヤ山脈に囲まれた国
首都はカトマンズ 人口は2021年の国勢調査によると86万人
名古屋の半分以下
でも、文献によって大きく異なる
つまり、そういうこと

2023年3月1日〜3月15日
僕は、ネパールの地を踏んでいた
訪れた孤児院は「Rising Lotus」
6~18歳の27人の少女たちが、共同で生活を送る場所
課題は、彼女たちと10日間を過ごし
テーマ曲である「Celebrate」のMVを作ること

「鍵」は渡された

今回のワークショップのテーマは"The Key"
鍵には、いろいろな「トビラ」を開ける機能がある
それは、「心の扉」、「挑戦の扉」、そして、「記憶の扉」
大地さん、みっきー、本当にこんな素敵なテーマをありがとう
おかげで、また一つ、前に進めた気がします

無人島の時は、開きたかったのに開けなかった扉
3日間、生ききれなかったこと
越えられなかったあの一線
悔しくて、後悔して、涙を流したこと

もっとみんなと話せばよかった
弾き語り挑戦すればよかった
ダンス踊ればよかった
海に飛び込めばよかった
合理性を排除して、もっと感情で動けばよかった
夜、海でみんなと話せばよかった
みんなとカードゲームすればよかった
隠し持ってたもう一つのカップ麺を持っていけばよかった
(これは忘れてただけなんだけど)
もっと….モット….Motto…motto….

『群青の海岸と、心の空虚と』

ネパールで、いろんなことに飛び込んだ
カメラを持っていて、カメラマンをしたこと
率先して、英語でコミュニケーションを図ったこと
夜のワークショップをする役回りをしたこと
みんなに相談しながら、ワークショップを作ったこと
やったこともないのに、演出班に入ったこと
夜の3時まで、あーでももないこーでもないって語り合ったこと
そのおかげで、ワークショップ最終日に38度の高熱を出したこと…

ねぇ、見てる?
自分がやりたいことがあったのに
もう一つの自分が邪魔して飛び込めなかったあの頃の自分
今、あなたは軽やかに一歩踏み出せているよ
いろんなものに感情を動かして
「これ可愛い…」なんてはしゃいで
結果として、毎日幸せに楽しく生きているよ


このあとお気に入りの靴をドブに落とすことを、僕はつゆ知らない

パズルでピース

もう一つのテーマは、「パズルピース」
人は、誰しもがパズルピースなんだって🧩
誰しも得意なことがあり
誰しも苦手なことがある

僕は、周りの人をポカポカさせることができるらしい
あんまり自覚してなかったけど
周りの人を、明るく、笑顔にさせる力があるらしい
誰かに言われて、それをみんなの前で共有して
それが受け入れられた時
どれだけ嬉しくて、安心したことか

同時に、自分が苦手なことも受け入れられた
僕は、絵を描くのが絶望的に下手だし
人との距離の取り方間違えるし
よくモノは無くすし
長い時間寝ないと活動できないし

大地さんが言ってた
弱みは欠点ではなく、人によって補い合えるものだって
弱みを無くすんじゃなくて、そのままにして
自分の強みを伸ばしていこうって
補えるモノがある方が
手と手を取り合って、すごいパワーを発揮できるって

あぁ、そうだよな、そうだよな
どうしても、傷つくのが怖くて
一人で生きていきたくなっちゃって
何もかも抱え込んじゃうけど

僕は僕で素敵だし
みんなはみんなで素敵だし
信じ合って、頼りあって生きていった方が
幸せなんだよなぁ

鍵とパズルピースは、今も心の中に

痛みの意味

「ネパールどうだった?」と聞かれれば
「過去を乗り越えられた時間だった」と答えられる
自分が抱えているいろいろな過去
自分の気持ちを押し殺して生きていたこと
自分を否定して傷つけて生きてきたこと
心の声を無視して 走り続けてきたこと
やっぱり無視できなくて 立ち上がれない自分をまた傷つけたこと
その一つ 一つが 今は愛おしく思える

テーマ曲『Celebrate』にある、こんな歌詞

"I'm beautiful and I love me"
"You're beautiful and I love you"
"We're beautiful and we love us"

『Celebrate』

「美しさ」ってなんだろう・「愛」ってなんだろう

孤児院でリーダー的存在のアユスマ
幼い子たちの面倒をよく見てくれて
周りの子たちへの指示も出してくれて
何より、めちゃ勉強ができるらしい

2015年 4月25日 ネパールで起きた地震
マグニチュードは7.8
9,000人近くの人が亡くなった


アユスマは祖母、母、妹を亡くし、この孤児院にたどり着いた


最初は、言葉が通じず、泣いてばかりだった
でも、みんなに助けられ、友達ができ
今では、この孤児院が宝物だと語ってくれた


そうか 僕はここに美しさを覚えるのか


まっすぐ、素直に生きる人生も美しいだろう
でも、悩んで、苦しんで、もがきながらも
前に一歩一歩踏み出していく

それが、Celebrateなんだって
前に進んでいく
その一歩一歩が、祝福すべきことなんだって
きっと、anagonは存在愛みたいなのを考えてたんだと思うけど
これが、僕らなりの結論

その過程に、僕は心が震え、涙が出てくるんだ

うちのリーダーたち 若干目を瞑ってるけど…

『僕のこと』を紹介された
歌詞を読んでもらった
自然に ただただ 涙が溢れきた

ああ 苦しんだ日々も素敵な日々なんだな
僕は、初めて自分の人生が美しいって思えたよ

ああ なんて素敵な日だ
幸せに悩める今日も
ボロボロになれている今日も

ああ 息をして足宛いている
全て 僕のこと
あの日の 僕らのこと

『僕のこと』/Mrs. GREEN APPLE

大地さん
「全ての痛みには 意味がある」って言ってたね
今なら、その言葉の意味が、すごくすごくわかる
痛みがあるから、人の痛みをわかることができる
心の変化を、機微に感じることができる
誰かのチャレンジを 心から応援できる

全ての痛みよ 涙よ ありがとう
あなたのおかげで 僕は今も美しくあれている

でもね 君の背負った痛みは
いつか同じ痛みを抱える
だれかを分かってあげるためのものだよ
幸せになれるから

だから 君が背負った運命は
いつか隣にいる人達と
君をより遠くに運ぶものだよ
君にしかできないから 

『君の居場所』/Les World

旅の宿

昔の昔、まだ車なんてものがなかった時代
日本各地を結ぶ道が作られ、その道中には宿場が設けられた
例えば、江戸時代には
二つの京を結ぶ東海道に、東海道五十三次と呼ばれる53の宿馬街が作られた
旅人たちは、過酷な道中を超え宿馬街にたどり着いた時
どれほど安心しただろうか

それは、僕らが家に帰った時のそれと、似ているのだろうか

「旅をするには、帰ってこれる場所が必要」なんだって
確かになぁ…と思う
コンフォートな場所があって、初めてストレッチな場所に出られる

6日目にやったチャレンジワークショップ
たった一人、みんなの前に立ち
自分がしたいパフォーマンスをする
誰かが勇気を持って前にたち、パフォーマンスをする
その後、しばしの沈黙が流れる
そして、誰かがまた前に立ち、パフォーマンスをする
そして、訪れる沈黙

ソワソワ?ドキドキ?
次は誰がいくんだろう…自分が行くのかな、いいのかな
行ってみたい、だけど、怖い
そんな声が溢れる、沈黙の時

っていうか、打ち合わせしたのに
全然、咲菜行かないやないかい!

って思いながら、時間の終わりが差し迫る

最後の最後に促されるように、前に立つ咲菜
その声は、とても不安そうで
でも、何かを伝えようとしている
そんな声だった

すごく、すごく抱きしめたくなった
みんなの前に勇気を持って立ったこと
葛藤を抱えながら、みんなの前で歌ったこと
その全てが愛おしいし尊い

あぁ、誰かの挑戦を応援したい
一歩踏み出そうかな、どうしようかな、と悩む子たち
その子たちの背中を押す、そんな存在になりたい

そして、帰ってきた時には
「がんばったね、素敵だったよ」
って心から抱きしめてあげたい

なーーんか、ずーーーと一緒にいたね

どんなにボロボロでも
そこに居場所を感じれば
帰ってきた時、安心するんだな

僕らが最初に泊まったホテルも
最後に泊まったホテルも同じ
周りはクラブでガヤガヤしてうるさいし
シャワーは水しか出ないし

最初の夜は、「なんてところに来てしまったんだ…」と思ったが
最後の夜は、「帰ってきたなぁ…」と思ったこと

綺麗じゃなくてもいい
誰かの心の旅の宿でありますように

一泊500円だからね、文句は言えないね

表現者として生きる

去年の無人島は、表現を諦めてしまった自分に
表現することを誘う時間だった
このネパールは、自分が表現することを
思いっきり楽しむ時間だった

子どもたちと一緒に思いっきり歌って踊って遊んだ
ミュージックビデオに願いを込めて構成を作った
クルーの中で、その場にあった空気を作りにいった
腕にヘナタトゥーを入れに行った
カメラを手に取り みんなの輝く風景を
そして 人々の風景を切り取って残した

一番お気に入りの写真
なんか運んでた
買ってるのかな?だべってるのかな?
子どもたちとシークレットバディもやったよ 筆跡でバレたけど笑
ダンスの練習中 りんりんがよく子どもたちのこと見てるね
かわいいかわいい
ナガルコットにて 5:30集合で5:28に起きてごめん♡

あぁ、すごく楽しくて、尊い日々

でも、忘れないで
あなたを受け入れてくれる存在があるからこそ
自分を表現できるんだってこと

パートナーのカビタ
14歳で 学校までまる1日かかるような場所から来て
出会って3日目から、お別れを考えて泣いていたカビタ
英語が少し苦手で とってもシャイで
泣いてしまうと どこかに隠れてしまって
たまにコミュニケーション取れなくなっちゃうカビタ

カビタに、自分のダンスそんなに上手くないんだよねぇ〜って言ったら
「そんなことないよ」
「私はあなたのダンス とても好き」
って言われて
はにかむしかできなかったこと

年長だから学校が終わるのが遅くて
Celebrateの歌の練習に参加できなくて
「よくわかんない〜できない〜!」って言いながら、必死に練習してたこと
2人だけの交換日誌に
何度も何度も、「歌も踊りも素敵」「教えてくれてありがとう」
綴ってくれたこと

初日、あんまりアーニャ受けなくて悲しかった

キャストのみんな
特にカメラ組の3人
「写真が好き」って言葉にして伝えてくれてありがとう
あれがあったから、自信を持って写真を刻むことができた
おかげさまで、写真の整理もレタッチも
めーーーーっちゃ大変だったけど笑
夜中の3時まで作業してたなぁ…

写真は 自分にとって「表現」になった
写したいもの 心に残したいこと
人に伝えたい感情の全てがここにあって
それを表現する技術のなさに
落ち込んだり、落ち込まなかったり

みんなが「好き」って伝えてくれるから
一つの表現と自信を持ててきたんだよ
ありがとう

ここで使っちゃうんですよねぇ〜 はぁ らぶ

時の海の中で、舟を漕ぐ

過去を話すのがしんどい
悪い意味じゃなくて いい意味で
すごく、すごくモヤモヤするようになった

確実に辛かったよ わかる
しんどかったよ
あの時は 自分がとてつもなく嫌いだった
この世からいなくなってしまいたいって何度も思った

けど、今はもう違う

ハッキリ叫ぼう
僕は、僕が好きだし
僕のことを愛している

過去の話をしていると
どうしても、自分が嫌いだったころの自分が返ってくる
でも、もうあの時と同じような感じでは話せない
結局、自分のことが嫌いな「ふり」をして話すことになる

この感情と どう向き合っていけばいいのか

カギは、「記憶の扉」を開閉する
きっとみんな
思い出にずっと蓋をしているんじゃなくて
ある程度で思い出を整理して
胸に抱えて 生きていっている
それを決めるのは 鍵を閉めるか 開けるか

思い出は思い出として大事にしつつ
自分のことを沈めようとする自分と出会ったら
「ばーか」って言いながら、仲良くしていこう
いい加減に時間を進めていかないと

もう一度、ハッキリ叫ぼう
僕は、美しいし
僕のことを愛している

裸も
裸を愛そうとする
人間の自由さも醜さも
全て愛しんじゃない?

『ブルーピリオド』
3日目の夜 「たけちゃんの変化を Celebrateしよう」

命を燃やせ

十人十色の 個性豊かなキャストたち
それぞれの過去があって
それぞれの価値観があって
それを知るために 僕らは対話を重ねた

5日目 夜のワークショップ
悩みに悩んで なんならネパールに着いた時から悩んで
僕が選んだのは「トーキングサークル」
ルールは簡単
好きな人が 好きな時に 話したいことを話す
聞き手は 肯定も否定もしない
ただ それだけ

「ただただ楽しんでるように見えて 羨ましい」
その言葉は きっと聴き間違えなんかじゃなく
尊敬する 大切な彼女の 心からの叫びだった

思ってた
3日目に もう自分のことを嫌うのはやめようって
それから、ただただ楽しんでる自分にモヤモヤしてて
でも、それでいいかもって

心に 身体に 刺さる

全力で生きるってどういうことなんだろう
いまだにわからない
僕は全力で生きているのか
それとも、どこかで一線を引いて力を抜いて生きているのか

学ぶこと 経験することは
少なくとも どんなことからも学んでやろう
なんとしてでも 成功させてやるという
彼女のストイックさは 僕は持ち合わせていない

大体のことは ある程度時間を掛ければできてきた
できないことは諦めてきた

それでも 心に残ったこと
「命を燃やしている人はかっこいい」
あの日思った たったそれだけの感情は
今もまだ 忘れられていない

また国創りで会えるの楽し楽しみだな

僕はこの地で、愛を謳う

ネパールは、確かに経済的に発展している国ではないのかもしれない
繁華街、タメルでは、物乞いや作ったものを歩いて売り回る人を何度も見た
空港からのタクシーでは、子どもたちが物を売りにきた
定価なんてものはないから、価格は全部交渉しないといけない

でも、人々はすごく温かく、にこやかに生きていた
見ず知らずの自分達を何度も助けてくれた

初日 空港からホテルに移動するとき
SIMカード買ってなくて、インターネットに接続できなくて
ホテルの場所がわからなかったとき
ネパールの人々はすごく親身に助けてくれた
…まぁ、大概間違ってたんだけど笑

子どもたちもそう
孤児院を訪れた初日 遊んでいる時に少し手を怪我した
ほんのかすり傷だったんだけど、気づいた子どもたちが順々に心配してくれた
「No problem」と言いながら、心と格闘してた
嬉しさと 戸惑いと その両方を噛み締めて

結局、めっちゃ絆創膏もらっもらっちゃった笑

よく見れば、子どもたちはより小さい子たちのお世話をよくしている
いろいろと気にかけてくれている
きっと 自分も幼い頃に そうされたんだろうな

キャスト同士も すごくすごく愛に溢れていた
たくさんトラブルあったよね
2回飛行機乗りそびれたことも
夜のタメルで彷徨ったことも
みんな順番順番に熱出すし

初めてLes Worldに来るメンバーも 常連さんも
初めての海外も そうじゃない人も
教育に興味がある人も
国際協力に惹かれて来た人も
みんな十人十色だったけど
うちのリーダーたちが言ってた
「過去最強のメンバーたち」っていうのは
本当に 嘘じゃなかった

誰かができないことは 誰かが補って
夜までいっぱい語って
なんて素敵な日々だったんだろう…って今でも思うし
みんなと共にいた時の感覚を徐々に忘れているのが
すごく 寂しいし 幻想に追われている

愛はどうやって生まれるんだろう
ニョキニョキ出てきた、一つの問い
ボタンをひとつ掛け違えば
愛を持てず 愛をもらえず
憎しみや妬みに変わっていたのだろうか

愛は 痛みがなければ生まれないのか
愛は 人にもらわなければ憎しみに変わるのか

愛にできることは まだあるかい

そうであってほしくはないけど
もし仮にそうなのであれば
僕にできることは、ただただ精一杯の愛情を注ぐこと

「子どもたちは、もらった言葉で形作られる」
「子どもたちを、特別扱いする」

Les Worldが 僕たちが大切にしている言葉
僕にできるのは それ以上でも それ以下でもない
忘れたくない想い

自信はない
愛を受け取ることも苦手だし
愛を送ることも苦手
そもそも 送ること 受け取ることの 実感がない いまだに
自分も愛されて来たはずなのに

きっと ずっと競争してきていて
自分が無価値だと切り捨ててきた
そんな時間に すごく価値があったんだろう

人と一緒にいる時間
よくわからない雑談
うまくいかなかったこと
それを助けてもらったこと
そのひとつ一つが 自分が思っている
何倍も あったかくて 大切なことなんだろう

みんな家の前の外で暮らしている

その大切だったことを
自分の手の中に 収めていきたい

僕はこの地で、愛を謳う


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