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ラグビーを観ると心が震える

2021年の年末、精神がボロボロだった時に初めてラグビーの試合を観戦した。
といってもYouTubeでハイライトを見ただけだが。
2019年RWCの南アフリカ対ウェールズだった。

なんで見たのかは覚えていない。多分オススメ動画一覧にでもあったのだろう。

驚いた。
こんなに激しいスポーツだとは知らなかった。
え、そんな巨体にぶつかりに行くの??え、なんか陣形組んでるところに頭から突っ込んだよ??え、どさくさ紛れに胸ぐら掴んでない????
その中で一際目を引いたのは、南アフリカの小柄な金髪だった。
ボールがエリア外に出た時、なんでかわからないが小柄な金髪はウェールズの選手に掴みかかっていった。当然だがウェールズの熊みたいな選手とつかみ合いになった。
僕は、このシーンに感動した。
その小柄な選手は、笑っていたのだ。どうした、殴ってみろよ、とでも言うように。
まず100%間違いなく、ウェールズの熊に睨まれたら、僕なら怯える。
笑ったとしても愛想笑いだ。
けど、小柄な金髪は目をそらさず笑った。少しもビビってなかった。
その後の試合も、その小柄な選手は一寸の迷いなく、巨漢共にタックルしていた。
小柄な金髪はデクラークというらしい、と後で調べて知った。

ラグビーの何に惹かれたか。
フィールド上ではどんな選手も対等、ということが好きだ。
のっぽもチビも、マッチョもデブも遠慮なしにぶつかり合う。
胸倉掴んだって、なんなら殴り合うのも対等だ。
けれど、どんなに貧弱でも、フィールドに立ったら責任を持ってタックルする。
自分に責任を持って、誇りを持って。
最高にかっこいいと思った。

それから僕はYouTubeでラグビーのテストマッチのハイライトを観るようになった。
かの有名なオールブラックスも好きだが、僕はやっぱり南アフリカのデクラークをよく探していた。
この頃ようやく日本代表の試合も見た。
2019年RWCの試合を観て、勿論感動したが、この頃の僕は2019年の日本代表の偉業を理解できてはいなかった。

ラグビー関連の本を読むようになって、僕はようやくラグビー日本代表がいかに偉業を成し遂げたかを知った。
2011年時点で、日本代表はRWCで1回しか勝ったことのない弱小だった。
なんなら選手自身も勝てると思っていなかった。
つい最近リーチマイケル(多分)がこう言っていた。
「2015年RWCは報道陣は10人だったが、今は100人を超えているね」
誰もラグビー日本代表に期待していなかった。
……日本代表の偉業については僕が書くまでもないか。

僕は今、自分が勝てると思っていない。
人生負け続きだった、と思う。
烏滸がましいけれど、僕は自分を2011年の日本代表に重ねている。
だからこそ、僕はラグビーに励まされている。
2011年から4年後、何が起きた?その4年後、何が起きた?今年は?
日本代表は戦い、勝った。
僕も戦えるかもしれない、と烏滸がましいけれど思ってしまうのだ。

こうして僕はラグビーが好きになった。
ラグビーを好きで、ここまで読んでくれた人はニヤニヤしていると思うけれど、なんと2022年シーズンはデクラークが来日した。
当然観戦しに行った。イーグルス対サンゴリアス戦。
デクラークは観客席にサムズアップしてくれた。
僕も頑張ろう。


蛇足
今年のRWCはお前当然南アフリカ応援すんだろ?と言われるかもしれませんが、すみません…今凄くフランスがかっこいいと思ってるんです…
実況解説と一緒になって「ダミアンプノーーーーーーー!!!!」って叫びたいんです、すみません……
勿論一番の応援は日本代表です!


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