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【BL小説】Finder #5

★推奨BGM
音小さめでかけながら読んでもらえると
なんとなくせつない感じが合うかなって。
5曲目とか8曲目とか。


#BL小説

※ときどき男性同士の性的表現を含んでいます。苦手な方は読まないでください。

※細かくプロットを作ったわけではないし、最終
的にどれぐらいの長さになるのか自分でもわからないので、後日まとめるときなどに書き直したり構成を変える可能性があります。

※性格上、本当は全部書き上げてから発信したいのですが、それをやっているといつになるのかわからないので、少しずつアップしていこうと思って始めました。

※なので、下書きみたいなものだと思って読んでいただけると幸いです。

※1話分でざっくり1000字ぐらい、読むのにかかる時間は3分ぐらいかな。


#5


…まぁセミダブルだしなんとかなるか。

壁側に先に寝転んでみる。
蓮が横に入ってくる。

ちょっと狭いけど、寝れないことはない。


蓮が気を遣ってベットの端っこに寝転がっていることに気づいた。

「そんな端っこで寝たら落ちるんじゃね?
もうちょっとこっち来ても…」

あぁ、うん、
そう言って蓮はオレの方に身体を寄せた。


大丈夫…だけど、近い。

近すぎて目を閉じたら蓮の鼓動が聞こえるんじゃないか?
って考えたとき、はっとした。
それなら、妙に早くなったオレの鼓動も聞こえてしまう。


横に蓮が寝てるだけのことだから
普段通り寝ればいい。
だけど、
いつもはどうやって寝てたっけ…?

天井を見つめる。
蓮はオレと反対側を向いている。

このままじゃ眠れそうにない。
寝返りを打つこともなく、お互い黙ったまま、どれぐらいの時間が経ったのかわからなかった。

短いようで長く、長いようで短い沈黙。


「蓮…起きてる?」

「うん」

「あのさ、、蓮の心臓の音、聞いてもいい?」

「え、何?…別にいいけど」

蓮がこっちを向いたので胸に耳をくっつけた。

ドク…ドク…ドク…ドク…

規則正しい鼓動はすごく温かかった。

ドク…ドク…ドク…

聞いてると涙が滲んでくる。

「蓮がいてくれてほんとによかった。
いなかったら高校やめてたと思う。
同じ年に生まれてくれてありがとう。」

蓮はたぶん、きょとんとしている。
だけど、オレが泣いてることには気づいたらしい。

蓮が抱き寄せてきた。
温もりに包まれて、余計に涙が止まらなくなる。

「柊はいろいろ大変だったもんな?」

なだめるように頭をポンポンと軽く叩いた。
家のことを蓮にだけはずっと聞いてもらっていたから、そのことを言ってるんだろう…

父親が借金作って失踪したり、母親がどっかの男と出て行ったり…
今思えば、親たちだって自分のことで精一杯だったんだろう。
オレなんて邪魔でしかなかったんだろうなって、自暴自棄になった時期もあった。

だけど、そんなことはもういいんだ。
オレの力でどうにかなることじゃない。

それよりも今、
自分にも蓮にも誰にも
何もできない自分が不甲斐なくてしょーもなくて情けなくて。

蓮に抱きついて、また泣いた。

なぁ、蓮…

なんでそんなに飄々としてるの?

なんでそんなに強くいられるの?

オレも蓮みたいに強くなりたい。

「何があっても、蓮だけはオレの味方でいてくれる?」

「そんな当たり前のこと聞くなよ」



…to be continued


━━━━━ᵗʱᵃᵑᵏᵧₒᵤ━━━━━━━━━━━━

読んでいただいてありがとうございました。

気が向いたら更新していきます。

よかっらイイね🩷もらえましたら
泣いて喜びます!

では、また。

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