待望の勝ち点 関西学生野球春季リーグ2022第5節 VS立命② 〜関大視点から〜

2022/5/1 令和4年度関西学生野球連盟春季リーグ戦第5節2回戦

関西大学‐立命館大学
於 ほっともっとフィールド神戸

8-2 WIN

今季初の「快勝」だ。前日の1回戦で5試合ぶりの勝利を挙げた関大。逆転サヨナラ勝ちの勢いに乗った関大は、2回戦でも「らしさ」が随所に見られた。
試合は初回から動く。関大は前日に殊勲のサヨナラタイムリーを放った岑(③広陵)が四球を選び出塁すると、髙田幸(③伊川谷北)の犠打で二進。先制の好機を作る。2死後、4番・上神(④佐久長聖)が放った打球は相手ショートのグラブをかすめ、センターへ。俊足・岑が一気に本塁に生還し、関大が幸先よく先制する。関大の先発はここまで好投を続けている辰己(④米子松蔭)。しかし、この日は立命打線に初回から捕まる。先頭の神先(④智辯和歌山)がレフトへの安打で出塁すると、2死後、盗塁に成功し同点の好機を作る。4番・白瀧(④履正社)が放った打球はライトへの適時打となり、試合は早々振り出しに。投手戦だった1回戦とは裏腹に、2回戦は初回から両校が得点を取り合う展開に。しかし、2回以降は関大・辰己、立命・長屋(②浜松開誠館)が互いに走者を出し合いながらも粘りの投球を見せ、同点のまま試合は中盤へ。
5回、立命は2死から神先がセンターへの安打を放ち出塁すると、続く宮崎(④創志学園)も安打で続き2死1・3塁と勝ち越しの好機を作る。ここで、関大・早瀬監督はマウンドへ。立命の3番・桃谷(③履正社)を迎える前にマウンドに集まったのは前日の1回戦に続いて2回目。前日は桃谷を打ち取った後に後続の打者に安打を浴びた。しかし、この日は2死でマウンドへ。桃谷を打ち取ればこの回を無失点で凌ぐことが出来た。だが、桃谷も名門・履正社のリードオフマンとし夏の甲子園で同校を初の全国制覇に導いた好打者。しっかりとセンターへ弾き返し、立命に待望の勝ち越し点。この日も立命がリードして試合を折り返す。
6回から関大は金丸(②神港橘)が登板。立命打線を3人で片付け、終盤の関大打線の反撃に期待を寄せる。
7回の大量得点の口火を切ったのは前日に続き、6番・下井田(①報徳学園)だった。売り出し中のルーキーがライトへの安打で出塁し、同点の走者が出塁する。続く佐藤(②愛工大名電)は、自打球が顔面に当たるアクシデントがありながらもしっかりと転がし、下井田は2塁へ。同点の好機に、関大スタンドはこの日1番の盛り上がりを見せる。8番・三杉(③関大北陽)を迎えるところで関大は代打に久保田(②明秀日立)を起用。起用にしっかりと応え、四球で出塁。逆転のランナーが塁上へ。さらに関大は金丸に代えて石原水(④栄徳)を代打で起用。石原水も四球を選び、1死満塁。一打同点、さらには逆転の絶好の好機を作る。打席には絶好調の1番・岑。スタンドからは関大名物「新コン」が流れ続ける。2ボール1ストライクからの4球目。立命・長屋が投じた低めの変化球に手が出てしまい、スイングアウト。2死となり、迎えるは前節の関関戦からスタメン起用の髙田幸。1ボールからの2球目を力強く振り抜くと、打球はライトへ。前進守備の立命守備が裏目に出たこともあり、ライトの頭を悠々超す長打に。走者3人全てが生還する適時2塁打となり、関大が逆転に成功する。この日の関大はこれで終わらなかった。続く中井颯(③報徳学園)が放った打球はライト線への適時3塁打となり、この回4点目。立命はここで投手を荒井(②立命館宇治)に交代するが、上神、有馬(③近江)に連続四死球を与えて関大はさらに好機拡大。ここで、逆転の口火を切った下井田がこの回2度目の打席へ。振り抜いた打球はまたもライトの頭を超す適時3塁打となり、一気に3点を追加。中井颯・下井田の「報徳戦士」2人で6打点を叩き出す活躍もあり、関大がこの回一挙に7得点。逆転どころか、試合の大勢を一気に決めた。
7回からは茶谷(③西宮東)が登板。リーグ戦初登板となった前回の近大戦では悔しい結果となった右腕は、3回を投げて立命打線を無安打に封じ込め、見事な無失点投球。打線は追加点こそ奪えなかったが、岑にこの試合2本目となる安打が生まれるなど、最後まで流れを引き寄せたまま茶谷が最終回の立命打線を3人で片付けてゲームセット。連勝の関大が立命との対戦成績を2勝とし、今季初の勝ち点を獲得。待ち望んだ勝ち点に、グラウンド・スタンドからは安堵の表情が垣間見えた。投打ががっちり噛み合っての勝利は、今季の残り試合、そして来シーズンに期待が持てる内容でもあった。
この試合の後に行われた京都大学-近畿大学2回戦は、6回途中で降雨ノーゲームに。これにより、関大の大逆転優勝の可能性はまだ「残った」。泣いても笑っても残り2節。「生き返った」関大は、リーグ終盤に向けて他大学から最も警戒されるチームになりつつある。

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