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半沢直樹は、実は、倍返しをしなかった

 流行語にもなった「倍返し」。
 その言葉をかさにきて、上司から注意をされると、倍返しだ、自分が遅刻して怒られても倍返しだ、という人が出ました。

 言葉の使い方を間違えています。

 それはさておき、ドラマでは、半沢直樹は、大きな勢力に負けずに倍返しをする痛快さをみせています。
 しかし、事実を丹念にみていくと、半沢は、決して受けた悪の倍返しなど行っていないことに気づきます。

 大阪支店で、支店長の罠にかけられた時も、支店長を落とし込みませんでした。支店長の行った行為は、背任、横領という、刑事罰に相当する罪です。
 それに対して半沢は、遊園地で楽しそうに遊んでいる支店長の家族のことをおもんばかり、刑事告訴しませんでした。

 半沢が、行ったことは、自分がリストに載せられていた、東南アジアへの出向を元支店長に振り替えただけです。

 出向することで、支店長は多大な苦痛を免れました。窮屈な生活と収入の減少はありますが、普通に生きていくすべはあります。
 しかし、刑事事件に発展した場合、支店長は、社会的地位、財産、名誉など、すべてを失います。

 そうした背景を知らずに「倍返しだ」と口を尖らせている人は、自分の未来を切り開く胆力を持ち合わせていないと考えています。


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